Japanese
kOTOnoha
2019年08月号掲載
Member:啓志(Vo) 横田 和樹(Vo/Gt) かわうちゆうき(Gt) 平林(Ba) 仔豚(Dr)
Interviewer:高橋 美穂
長野県長野市出身の5人組バンド、kOTOnoha。言の葉という言葉の中に音が際立って見えるバンド名が、彼らのアイデンティティを物語っている。そして、"発信地は026"――市外局番"026"を歌詞に入れ込むほどの地元への想いも、彼らを解き明かすうえで重要なところだ。バンドの成り立ちから、初の全国流通盤『明日から借りた言葉』についてまで、全員に訊いた。
-月並みで恐縮ですが、結成のいきさつを教えてください。どんな5人が、どんなふうに出会って、このバンドになったのでしょうか?
啓志:バンド自体は2013年に結成しました。もともと僕と横田は地元で別々のバンドをやっていて、飲みの席で"お互いのバンドとは違うスタイルの表現をやってみたいよね"という話をして。
横田:直後に初期のギターとドラムを招いてセッションしたんですが、これは面白いことになりそうだと手応えを感じて。初めてライヴしたのが2014年です。当初はベースレス編成でした。
平林:俺は、その初ライヴを客として観にいっていました。半年後、当時のギターの都合が合わないからと単発でライヴ・サポートを頼まれて、スタジオに入ったらフィーリングが合っちゃって。当初はベースレス編成だったので、ひそかに"俺このバンドでベースやりたいな......"と思っていたところにタイミング良く誘われ、ふたつ返事で加入しました。そこから5人編成になりましたね。
かわうち:僕もkOTOnohaは初ライヴから観ていました。当時は高校生で、その頃やっていたバンドで何度か対バンもしていましたね。その後、2017年の春にサポート・ギターとして誘われ、昨年の3月から仔豚さんと一緒に正式加入しました。
仔豚:もともとは、自分が並行して所属しているTHE FATAL ERRORというハードコア・バンドで、kOTOnohaと対バンしたのが最初の出会いでした。kOTOnohaの初企画で、2014年末でしたね。それから3年ほどは、当時のドラムが多忙で出演できないときに、サポートとして数回手伝った程度の関わりだったんですが、昨年そのドラムが脱退されたのを機にサポートの頻度が増え、そのまま正式加入となりました。もとからメンバーとは仲が良かったので"この日に加入決定"って感じじゃなく、自然と入った感じでしたね。
啓志:振り返ってみると全員バンド初年度には出会っていたわけで、わりと運命っぽいものを感じますね(笑)。
-エモ、ギター・ロック、ポスト・ロック、あるいはヒップホップまで、いろいろな音楽からの影響が見えると思いました。それぞれどんな音楽を追ってきたのでしょうか。
啓志:特に好きなのは日本語ラップ、ヘヴィ・メタル、ハードコア、あとヴィジュアル系です。バンドでストレートに影響が出ているのは言わずもがな日本語ラップ。OZROSAURUSのリリックに横浜の市外局番"045"が繰り返し出てきたり、童子-Tさんが、1stアルバム表題曲(「第三の男」)のイントロで"生国は相模 姓は童子 名はT"とラップしていたり、いわゆる"レペゼン"な部分に衝撃を受けて。その他の音楽に関しても、それまでの"ナシ"を"アリ"に変えてくれるような表現者が好きですね。
横田:バックグラウンドになっているのは、エモ、激情ハードコア、ポスト・ロックあたりです。高校時代、ライヴハウスで折り込まれていたHOLSTEINの解散コメントのフライヤーを見て、気になって家に帰ってからYouTubeで聴いたのが入り口でした。他にはbacho、the cabs、akutagawa、the north end、ATATA、toeあたりに影響を受けています。
平林:中学時代初めて買ったCDも、初めて買ったバンド・スコアも、L'Arc~en~Cielでした。高校ではパンク~メロコアを聴き漁り、kOTOnohaに加入する前はスクリーモ・バンドをやっていました。
かわうち:中学時代にRADWIMPSを聴いて音楽を始めました。好きなアーティストはいろいろいますが、一番好きなバンド、そして一番影響を受けた音楽は今でもRADWIMPSです。
仔豚:高校時代X JAPANにハマっていて、似たようなバンドを探した末、海外のメタル、特にメロディック・スピード・メタルにハマりました。大学に入るとライヴハウスに通うようになり、当時盛り上がり始めていたメタルコア・シーンにどっぷり浸かりましたね。その頃から国内のメタル、メタルコア、ハードコアも掘っていくようになりました。そこからGusanosやWithin the last Wish(現Cailn)など、国内の叙情派ハードコア・バンドのステージを観て感銘を受け、THE FATAL ERRORというバンドを始め、縁あってkOTOnohaに加入し、今に至るといった具合です。
-私自身00年代のエモが好きなのですが、それを"今"に、より目的がはっきりした形で昇華しているバンドだと思いました。その頃のエモは好きですか? もし影響を受けているとしたら、どんなところに魅力を感じ、自分たちなりにどうやって昇華しようと思ってやっていますか?
啓志:好きです! エモの入口は高校時代にリリースされたCOPELANDの1st『Beneath Medicine Tree』でした。当時"ビューティフル・エモ"とか呼ばれていて。同時期の国内だとonsaやCHUB DUが特に好きでしたね。前後してenvyを入口に、激情系~エモ・ヴァイオレンスも聴いていました。エモに関しては歌よりも、空間系エフェクトを多用したギターの音に魅力を感じることが多く、ヴォーカルとしてはあまり影響を受けていません。
横田:90年代エモになりますが、AMERICAN FOOTBALL、MINERALは好きです。00年代だとCOPELANDとか。海外エモはそれほどディグしているわけでなく、どちらかと言うと国内のエモや、その系譜のバンドが好きです。高校時代、地元のエモ好きな先輩にCDを借りて聴き漁っていました。
仔豚:2005年にピアノ・エモ・バンドのリリース・ラッシュがあって、MAEや DREAM STATE、 WAKING ASHLAND、COPELANDなんかは当時めちゃめちゃ聴き込みました。ドラムの演奏的にはエモよりもメタルやハードコアからの影響のほうが強いのですが、このへんも好きだったことで、ゆったりとした曲調に対しても自然にアプローチできているのかなと思います。
-待望の初の全国流通盤となるミニ・アルバム『明日から借りた言葉』がリリースされます。自分たちだけの言葉を持っているバンドが、"借りた"というワードを掲げることを意外に思いました。タイトルには、どんな意味合いがあるのでしょうか。
啓志:ある日ふと、"まだ見ぬ君が早く会いに来いと言葉を書かせる"(「夢路」)という歌詞が浮かんで、大きく視界が開けました。"未来の誰かから言葉を借りて、音楽という利子をつけて返しにいく"というのが、今回のテーマだと直感してこのタイトルを付けました。
-1曲目「漂う」は、バンドの自己紹介、所信表明のような楽曲だと思いました。まず"音と言葉の可能性"ですが、これはバンド名の由来にも繋がるのでしょうか。そこを追求する音楽を作りたくて、このバンドは生まれたのですか?
啓志:まさに自己紹介としての1曲です。"音と言葉の可能性"はいつもライヴ冒頭に言っているフレーズで、過去にある先輩バンドから、"kOTOnohaには負けないよ"とステージ上から挑発されたとき、そのバンドの曲名をもじって即興でアンサーしたのが始まりですね。その先輩とはもちろんピースな感じですが、かなりクリティカル・ヒットだったと思いますね(笑)。バンド名の"OTO"=音が大文字なのは、言葉と共に音楽を生み出すという願いを込めました。バンド結成当初は単に音楽的好奇心を満たすためでしたが、今はまさに"音と言葉の可能性"の追求フェーズに入ったと思います。
横田:CDの1曲目のSE、イントロみたいなのを一度やってみたかったんです。初めてCDを聴くときの高揚感がすごく好きで。自分たちのライヴ・スタイルをパッケージングしたくて、ギターも普段弾いているようなフレーズにしました。
仔豚:この曲では、ライヴのMC中にやっているビートレスの即興セッションみたいな感覚を、再現できるようトライしたんです。ドラムを2トラックに分けて録ってもらうことで、押し寄せる波のように、異なる音色が少しずつ重なりながら次々と聴こえるよう工夫してみました。
-"発信地は026 長野県長野市"とあります。長野で活動する意味合いをどのように捉えていらっしゃいますか? 長野という街は、自分たちの音楽にどんな影響を与えていますか? そして、"長野"を歌詞にまで入れる想いとは?
啓志:単純に"自分の地元長野県を県外の人にも知ってほしい"という思いで活動しています。長野県の音楽にも10年近く触れてきて、良くも悪くも流行に左右されない面白い街だと思っているんです。地元を歌うというのはヒップホップへの憧れからごく自然なことで、過去の音源でも"長野駅前の路上"というフレーズを歌っていました。"俺たちが長野代表!"ということでなく、"この街には連綿と続く流れがあって、俺たちもその上に立っているんだよ"と自分の原点を常に確認している感じです。
横田:作曲においてのコード感、雰囲気は景色からインスパイアされることが多いです。長野に拠点があるから作れた曲だと思っていますね。今回のアルバムで言うと5曲目の「夢路」は、高校時代の帰り道、自転車のカゴにエフェクター・ボードを突っ込んで、線路沿いの道をライヴハウスまで走っていた思い出や景色をイメージして作曲しました。
仔豚:実は、自分だけは生粋の埼玉県民なので他県民目線になるのですが、僕らの周りの長野県出身バンドを見ると、どのジャンルでも楽曲にひと癖あるというか、とてもユニークなバンドが多いです。他ジャンル同士の対バンや交流も多いからか、曲中にいろんな要素を詰め込むことに抵抗がないバンドが多い印象ですね。そういうジャンルレスな感覚を養うという部分でも、僕らにとって長野県ベースで活動する意味合いや影響は強いのではないかと感じます。
-"俺は君とあらかじめタイプライター叩いたような/噛み合わない会話はしたくないんだ"とありますが、日頃からコミュニケーション、あるいは現代社会に対して、何か思うことがあるのでしょうか。
啓志:例えば、自分の考えを伝えるとき、相手によって言葉遣いや表情を変えて、より伝わりやすくしたいと思っている性分で。音楽も同じく、あらかじめライヴ前に一字一句考えてきた言葉では、その瞬間のすべてを捉えきれないと思っています。人との関わり、そしてライヴのスタンス表明です。
-この楽曲は(ポエトリー・リーディング的な)ラップのスタイルで言葉を発していらっしゃいますが、1曲目からこのスタイルを提示することで、kOTOnohaらしさを伝えたいという気持ちもあったのでしょうか。
啓志:まさにその通りです。ラッパーがアルバムの1曲目に自己紹介を兼ねたイントロを持ってくるのが好きで。この曲には"長野県"、"kOTOnoha"、"音と言葉の可能性"というフレーズをすべて入れたいなと思って臨みました。
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