Japanese
SUPER SHANGHAI BAND
2017年10月号掲載
Member:Kentaro Yoshimura(Vo/Gt) Mayu Suga(Vo/Gt) Yumi Shidara(Ba) JACKSON kaki(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-Sugaさんの歌詞はどういうところから書くことが多いですか。
Suga:デモにもよるんですけど、こういう感じの曲にしようって思ったものは、自分の中でテーマを決めて、一度バーっと単語を羅列してみて、そこからピックアップしていく感じです。適当な英語で歌っているデモがくるんですよ。
Yoshimura:英語でもないような感じのが(笑)。
Suga:それでメロディとハマっているところがあると、それをもとにしてストーリーにするじゃないですけど、他を埋めていくというか。あまり時間をかけない方が、いいのが書けたりします。あとは、映画とかを見て作ることも多いですね。「None」も映画からだったかな。なんだったか覚えてないけど(笑)。
Yoshimura:覚えてないんかい(笑)。でも、映画モチーフはだいぶ多いですね。EPのタイトルは"FREAKS"で、これは映画ではないですけど、"FREAKS AND GEEKS"(邦題:フリークス学園)っていうアメリカの90年代のティーン・ドラマを、Netflixでみんな観ていて。あの空気感じゃね? っていうのは、あった。
-それはすごくわかるんです。個人的には90年代に青春期を過ごしたので、当時の映画──例えば"REALITY BITES"だったり、Richard Linklaterの"DAZED AND CONFUSED"(邦題:バッド・チューニング)がど真ん中で、音を聴いたときに浮かんだのがあの空気感だったんですよね。
Yoshimura:"DAZED AND CONFUSED"なんてまさにです。Linklater大好きなので。
kaki:今回リード・トラックで「Dazed」という曲がありますけど、親に、"Confusedはいらないの!?"って聞かれて(笑)。
Yoshimura:本当は、5曲目のタイトルはもともと"America Confused"だったんですよ。でも"Confused"って付けちゃうと、もろになりすぎちゃうかなっていう。
-あの時代のティーンエイジャーの考えている、モヤモヤして、でも何もできずにいる感覚っていうのも詰まってますね。
Suga:「Feels」とかまさに、90年代の青春映画っていう感じがありますね。
-今の時代の青春映画にいかないのは?
Yoshimura:そもそも、あまりそういう映画がない?
kaki:青春映画っていうよりは、Netflixの海外ドラマばっかり観てるんじゃない? "13の理由"とか面白いもんね。
Yoshimura:面白いね。あれはちょっと、主題がでかすぎるというか、最近のものってテーマが大きすぎるところがあると思うので。観るぶんには楽しめるんですけど、あまり自分のインスピレーションには繋がってないのかなと思います。自分が置かれている状況とそんなに重ねられないものだから。"13の理由"も、いじめで自殺をしてしまう子の話だから、ちょっと重すぎるし。
kaki:最近の作品は、テーマが重いものが多いですよね。テーマから全体の空気を作っていっちゃってる感じがあって。テーマが、悪い意味でブレすぎてないっていうか。
Yoshimura:しっかりしすぎなんだよね。それこそ、さっき言っていた"REALITY BITES"みたいな、大学卒業してローンに追われながらフラフラしてるのとかが、自分の環境と照らし合わせても近いと思うし。かといって、もっと遡ってパンクとかにいってしまうと、もっとストイックになってしまうとか。そういうのもないんですよね。今の生活に、不満があるわけでもないし。まだ日本は、ギリギリ中流階級がいっぱいいる状態だと思うので。そこで、ゲットー上がりの云々っていうのを、俺たちが言うのは絶対にリアルじゃない。そういうところは、ヒップホップに任せていて。特に、そこまで大きな不安は......あるっちゃあるけど、死にそうなわけでもないし。バンドって楽しくないとダメだと思うので、楽しみつつ、自然体で。生活の延長みたいな感じで、ありのままの姿を曝け出すというのが、一番大きいかなと思います。
Suga:前回のEP『Pizza Up Kids』に入っている「Night Out」が一番体現してるかな。
kaki:じゃ、フル・アルバムでは再録かな(笑)。
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