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INTERVIEW

Japanese

SUEMITSU & THE SUEMITH

2016年11月号掲載

SUEMITSU & THE SUEMITH

SUEMITSU & THE SUEMITH

Official Site

メンバー:末光 篤

インタビュアー:石角 友香

クラシックとロックの新鮮な融合で新しいスタイルのピアノ・ロックを表現した2004年のデビュー時、SUEMITSU & THE SUEMITHは驚きをもってシーンに登場した。本名の末光 篤名義では、木村カエラの「Butterfly」の作曲者と言えばその音楽性が浮かぶだろう。現在は音楽専門学校の教員とアーティスト活動の二足のわらじを履く生活を送りながら、再びSUEMITSU & THE SUEMITH名義での活動を再開し、昨年は細美武士をフィーチャーしたシングルを、そして今回は自身のソロ・アルバムをリリースする。橋本絵莉子、tofubeats、大江千里、大橋トリオらのゲスト陣も興味深いこの作品について訊いた。

-SUEMITSU & THE SUEMITH名義のアルバムを作りたいという思いはいつごろから?

アルバムを作りたいなと思いながら日々生きてる感じなので、この名前での活動を一度やめたときからも実はずっとその思いは変わらないんです。それで曲もまとまってきてたので、どこかで出すタイミングがあるといいなと常々思ってましたね。

-曲をたくさん作っていたということは、ほんとにタイミングですね。

あとは、"こういう人とやってみたい"と思う方に同じような時期に声を掛けたら、やっていただけたっていうのもあって。ちょうどいいタイミングでアルバムを作れたので、これで出そうかなと。


橋本さんも細美君も、対照的なものがひとつになってるところに惹かれる


-今回のアルバムでフィーチャリングしているアーティストはどうやって決めていったんですか?

橋本(絵莉子/チャットモンチー)さんに関しては、声と歌詞がすごく好きなんです。で、声優の高垣彩陽さんの作品を僕がプロデュースしたときに、僕が曲を書いて歌詞を橋本さんに書いてもらえないかとお願いしたらやっていただけたんですね。彼女のアルバムの中の1曲「私の時計」(2015年リリースの2ndフル・アルバム『individual』収録曲)なんですけど、それがすごく良くて。今度はヴォーカリストとして僕の作品に参加してくれたら嬉しいなと思って、ダメ元でお願いしました。

-橋本さんのどういう個性に惹かれますか?

見た目も雰囲気もあんな感じですが、言葉の選び方ひとつとっても、そのイメージと実際に出てくるものが全然違うというか。まずはそういうところが好きで。ヴォーカルに関してはなんて言うんですかね......難しいですね(笑)。

-突き抜けてますよね。チャットモンチーの最新アルバム(2015年リリースの6thアルバム『共鳴』)では女性のブルージーなところもわりと出てたし。

怖いものとか恐ろしいもの、汚れてるものとか、そういう橋本さんの雰囲気と全然違うものがひとつになってるようで、それがときどき出たり入ったりして動いてくる。そんな感じのすごく不思議な人だなぁと。

-橋本さんをフィーチャーしたTrack.5「幻想ノ即興曲」は、どんなイメージで歌詞と曲を書いたんですか?

この曲は最初、"ディズニーガールズ"っていうタイトルをつけてたんですけど、残念ながら正式なタイトルにはなりませんでした(笑)。この曲の世界観も表層的には女の子らしくかわいらしい感じのファンタジーですが、例えば"白雪姫"の話にも魔女が出てきますよね。そういう女の子のかわいらしさと恐ろしさがひとつになってるところが橋本さんの持ってる雰囲気に合うかなと思ったので、ちょっとそのような意味合いで書いてみたんです。

-たしかに"白雪姫"みたいな歌詞ですね。ヒロイン自身は虐げられた環境にいるけど、実は野心があるというか。

そういう感じがするんですよね。"その純粋なものを私に見せてくれ"って言うんですけど、それを否定してるっていうか、信じてない人の歌なんですけど(笑)。

-橋本さんの雰囲気にすごく合ってると思います。あと、細美武士さん(the HIATUS/MONOEYES)が歌うTrack.9「Appassionata」はすでに去年TOWER RECORDS限定でシングル・リリースされていますが、今回のアルバムの中ではちょっと独特な曲に聞こえますね。細美さんにヴォーカルを依頼した理由は?

細美君自身もすごいんですけど、僕は彼の曲がほんとに好きで。僕、テレビとかラジオから流れてくる曲に反応することってほとんどないんです。そんなに好きだと思うものもあまりないんですけど(笑)、"あれっ?"って思ったらthe HIATUSだったりELLEGARDENだったりすることが多くて。それで柏倉(隆史/toe / the HIATUS 他)君を通じて細美君と知り合う機会があったので、"ぜひ一緒にやってもらえないですか"というお話をしました。

-どういう部分が好きなんでしょうね?

橋本さんとちょっと似ているんですけど、すごくきれいな旋律と激しさという対照的なものがひとつになってるところに、きっと惹かれるんだろうなと思いますね。

-細美さんが書かなさそうな歌詞ですね。

だから歌ってもらえるのかな? ってすごく不安だったんですけど(笑)。まずは日本語で歌うというところを了承してもらって。で、歌詞を読んでいただいたら、特に手直しすることもなく歌っていただけました。

-結構、内面に踏み込んだラヴ・ソングですよね。

この曲は、ひとりの人間の否定と肯定みたいなものを、僕と細美君がそれぞれの役を通して歌っていくという構成になっていて。サビで、否定して肯定して否定して、みたいな心の迷いを表現しているんです。

-細美さんは、引き受けた仕事はやるという印象があります。

(笑)激しくて男らしいんですけど、話してると、大人なのか少年なのか、激しいのか穏やかなのかよくわからなくなるときがあって。それが人間としてすごく魅力的なんですよね。

-今回のアルバム収録曲はどういう基準で選曲されたんですか?

曲のアイディアと、誰かと歌いたいという思いが明確になったものから入れていきました。

-末光さんが歌う曲の選曲基準は?

気分というか(笑)、そんなに深い意味はないですね。

-わりと80年代的なポップスの雰囲気がありますよね。

それはデビューしたときから言われてるんですけど、自分ではわからないんです。でも、80年代中期の音楽がすごく好きなんで、たぶんそれが出てるんだと思います。

-末光さんの世代だとその時代の音楽がジャストなんですかね?

そのころは一番貪欲に音楽を聴いてた小学生の終わりから中学生ぐらいですかね。お金があったら全部レコードに注ぎ込んでたような時期だったので。