Japanese
Ao
2016年09月号掲載
Member:安田 貴広(Vo/Gt) 長谷川 聡(Gt) 合月 亨(Ba) 西 佑太(Dr)
Interviewer:蜂須賀 ちなみ
2003年10月に3ピース・バンド、raison d'etreとして結成。以降、改名やメンバーの加入と脱退、メジャー・デビューとインディーズ・レーベルへの回帰......と、このバンド Aoが歩んできた道は決して平坦なものではなかった。結成13年目の今年リリースする4thフル・アルバム『空の無い世界』は、聴き手の胸にグッと刺さってなかなか抜けてくれそうにもない感じがまるで鈍く光る碇のよう。それは、酸いも甘いも飲み干しながら、彼らが必死で手繰り寄せてきたAoの色そのものだ。今回Skream!ではメンバー全員へのメール・インタビューを敢行。バンドのバイオグラフィに迫りながら、本作誕生の経緯を探ることを試みた。
-4thフル・アルバム『空の無い世界』のリリース、おめでとうございます。改めて、今回のアルバムはみなさんにとってどのような作品になったと感じていますか?
安田:ありがとうございます。ひと言で言うと、"すごく売れる気がしないアルバム"ですかね(笑)。今までで一番陰気だし。"こういうのがウケるかも"とかを一切考えないで、良く言えば媚びずに作った、かなり尖ったアルバムだと思います。"なんでそんなことするの?"って話なんですけど――おかげさまで今までたくさんの曲を書いてリリースさせていただいているんですよね。これだけ長い間やってると、初期から僕らを知ってくれている方々の中には、"Aoは変わってしまった"とか、"初期の方が良かった"みたいなことを言う人も増えてくるのは避けられないことなんだと思うんですよ。それは僕自身が学生のときにいろんなアーティストに対して言ってきた言葉でもあり、ある種必然的なことなのかなって。でも僕自身の感覚としては、少なくともやってることの軸自体が変わったという感覚はないんです。なので、"俺の表現したいことはずっと変わってねーんだぞこの野郎!"っていう思いをこっそり込めてます(笑)。軸がブレていなければ、今作を聴いてAoを知る人たちが過去の作品にも手を伸ばしてくれるということも十分起こりうることだと思うので、それが僕にとっての最高の理想形なんです。
長谷川:最高傑作であり、今までの中で最も重たいアルバムだと思います(笑)。歌詞の世界観はもちろんですが、楽曲としても。Aoって、歌詞は暗くても楽曲はわりとキャッチーなんですが――いや、今回もむしろ磨きがかかったくらいキャッチーだとは思うのですが、歌にも演奏にも今までとは違う重さを感じます。自分で聴いてても何かが刺さる感じ。歳と経験を重ねてバンドとしての表現力がついたと実感できるアルバムです。
西:安田のネガティヴな歌詞にバリエーションに富んだ楽曲、暗さ、明るさ、切なさ、そして激しいサウンドをミックスさせたAoの世界観をフルに表現した作品に仕上がったと思います。特に改名前のバンド、raison d'etreの曲である「幾星霜」(Track.11)や「黙」(Track.12)には感慨深いものがあります。
合月:自分がAoに加入してから2枚目となるアルバムなんですが、恥ずかしながら今までのバンド人生の中でフル・アルバムを続けてリリースした経験がなかったので、未知の領域というか、新しい挑戦ができたと感じています。ベースに関しては今回、前作のレコーディングを踏まえて"もうちょっとこうしてみよう"とか、バランスに重きを置いてみました。『イデア』(2015年リリースの3rdアルバム)のときは今作よりもゴリゴリ引っ張って"自分らしさ出しちゃおう"みたいな図々しさがあったかもと思っていて。今作はよりシンプルにしようと、バンド・サウンド全体に馴染むことを優先して考えました。
-そもそもAo結成当初はどのようなバンドを目指していたのでしょうか。
安田:本当に最初の最初は、特に何も目指してなかったですね(笑)。サラリーマンを辞めて暇だったから始めただけなので。ただ一貫して"頑張れ"という歌に聞こえないようにしていました。みんな頑張って生きているわけだし。
-実際にバンドを続けてみて、先ほどの質問で答えていただいたような理想やイメージは今叶っていますか?
安田:叶ってるんじゃないかなー。他の3人が、僕のそういう意志を汲んでくれているのは感じますね。
-2009年9月にメジャー・デビューした当時はどのような心境でしたか?
安田:その話をすると後悔の言葉と悪口しか出てこないのでノーコメントです(笑)。でも、いろんな経験をしたからこそ今があるのだなと思うと、無駄なことはなかったのかなと。
-2012年にインディーズ・シーンに回帰したとのことですが、そこに至るまでにはどのような経緯があったのでしょうか?
安田:ぶっちゃけいろいろ揉めましたね(笑)。その中で、やっぱり力になってくれたのは今のレーベルの社長だったんですよね。本当に長い付き合いでめちゃくちゃお世話になっていて、一生足を向けて寝られないなと思ってるんです。実験的なこともさせてもらえるし、特に歌詞に関しては感謝しています。僕の歌詞はメジャーでは敬遠される表現やテーマが多いんでしょうね。そこを僕の思いのままにやらせてくれるというのは、本当にありがたいです。
-今振り返ってみて、メジャー・レーベルに所属していた期間はみなさんにとってどのような時間だったと思いますか?
安田:僕がメジャーで、というかあのレーベルでできることはそんなに多くないんだなと思っていました。でも制約があるからこそ、その中でどういうことをするべきなのかをとても深く考えることができて、いい経験でした。例えるなら、("ドラゴンボール"の)孫悟空が修行で使う重い道着とか、重力を何倍かにして修行して、そのあとめっちゃ強くなるみたいな。例えが古いですけど(笑)、それに似てます。
-安田さんは藍井エイルさんに楽曲を提供するなど、メジャー・フィールドにいるアーティストと関わる機会もあるかと思います。バンド自身がメジャー・レーベルに身を置いていたころと、いちクリエイターとして外部からメジャー・アーティストに関わっている今とでは、メジャー・シーンに対する考え方やアプローチなどは違うのでしょうか?
安田;良い意味で、まったく違いますね。これは僕の場合限定なのかもしれませんが、メジャーとインディーズの違いと言うよりも、自分が歌うか歌わないかでまったく意識が変わります。自分の思想みたいなものが作る楽曲の中に含まれてしまうのは当たり前だと思うんです。その中で自分の言葉として発信するには気が引けるようなことでも、エイルさんのあのキャラクターと歌声なら嘘にならないな、とか考えて作ることができて、正直それはそれでものすごく楽しいです。
-アルバムの話に戻ります。Track.3「空の無い世界」の曲名とアルバム名は同じですが、どちらが先に浮かんだのでしょうか? また、そのタイトルの由来を教えてください。
安田:先に「空の無い世界」という曲ができて、アルバム名を考えようと思って曲を並べて聴いたときに、"空の無い世界"という言葉自体が今作の包括的なテーマとして機能していると感じました。"空の無い世界"っていうのは、端的に言うと自分の部屋なんですよ。人がひとりで、寝たりご飯食べたりテレビ見たりネットやったりしてる部屋。そしてそれは、ひとりの人間の内的世界のメタファーであったりもします。当然僕にも、心身ともに空の無い世界があります。アルバムの1曲1曲を、アパートのそれぞれの部屋みたいにイメージして聴いてもらえると嬉しいですね。同じ間取りでも住んでる人によって使い方が全然違ったりする、8畳1Kみたいな。......ずいぶんと陰気な住人が多いな。
-制作やレコーディングを行ううえで、特に苦労した曲は?
安田:Track.9「寝胸夢~ねむねむ~」ですね。自分で作っといて何ですが、16ビート苦手! でも歌詞は物語にしたいというイメージ通りに作れてよかったです。
長谷川:僕は全部苦労してます(笑)。"特に"と言うならTrack.6「ライクアバーズアイ」ですかね? あの曲は僕のパートがなくても成立する曲なので。安田貴広からたまに生まれてくるこの手の曲にはいつも泣かされます。"(長谷川のギター)あった方がいいね"とメンバーに思われたくて必死です(笑)。
西:著しくリズムが変わるTrack.7「デラシネスタ」です。サンバ風のリズムも取り入れていて。今作の中で一番好きな曲だったので、作り込みました。苦労したけど、演奏していて一番楽しいです。
合月:ダントツで「寝胸夢~ねむねむ~」ですね(笑)。それ以外は、"苦労した"という感覚はまったくありません。
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