Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Overseas

THE HEAVY

2016年04月号掲載

THE HEAVY

Member:Kelvin Swaby(Vo)

Interviewer:山元 翔一

-ヒップホップの精神という意見に関してはどう思いますか?

ヒップホップの精神が根底にあるというより、俺たちはとにかく型にハマらないバンドなんだよ。ソウルだけでもないし、ヒップホップだけでもないし、どの箱にも閉じこもっていないんだ。俺たちには、自分たちだけのスタイルがある。俺たちは、"HEAVY BOX"の中にいるのさ。何年か前に俺たちのレコードのレビューに、たぶんBBCかどこかだったと思うんだけど、"あなたのお気に入りのすべてのバンドが一斉に演奏しているのを想像してみてほしい"と書いてあった。あれは嬉しかったね。それが"HEAVY BOX"なんだよ。

-その"HEAVY BOX"の中で、ヒップホップはどのように機能していると思いますか?

ビートには影響を受けているね。あのビートが、俺たちの音楽のヴィンテージ感を薄め、よりコンテンポラリーなものにしていると思う。サンプリングもそうだし、それは俺たちにとって大切な要素だね。俺自身、ヒップホップの大ファンではある。9歳からずっと好きだったし、ビートにも影響を受けてきた。今ではもういい年齢になったから、そこまで聴かないけどね。

-最初にも少し触れましたが、ブラック・ミュージックが世界的に大きな盛り上がりを見せていますよね。昨年だけでも、D'AngeloやTHE WEEKND、Kendrick Lamarといったアーティストが素晴らしい作品を完成させました。現在の音楽シーンの空気感についてみなさんはどのように感じますか?

気を配ってチェックしているわけではないけど、素晴らしいミュージシャンはたくさんいると思うよ。さっき話したようにKendrickやTHE WEEKNDもそうだし、最近、GALLANTの「Weight In Gold」っていうトラックを聴いたんだけど、とにかくこの曲をチェックしてみてほしい。エレクトロなんだけどソウルがこもっているんだ。本当に美しいんだよ。そういう曲は、エレクトロであったとしても、昔の音楽を思い出させるんだよね。Pharrell Williamsは最高のプロデューサーだと思うし、彼とMissy Elliottのコラボはすごかった。ふたりがコラボした「WTF」は、THE NEPTUNESやみんながサンプリングをやり始めたころのエレクトロやヒップホップを思い起こさせながら、Missyのラップが、それを"今"のヒップホップにしている。あれはスーパー・コラボレーションだと思うね。

-『Hurt & The Merciless』はいま挙げたような作品にも負けないアルバムに仕上がったという印象を受けますが、あえてTHE HEAVYのライバルと言える、もしくはいま1番共感を覚える音楽を挙げるとしたらどういったものになるのでしょうか?

俺たちは他の誰とも被らないような音楽を作りたいと思っているから、それを挙げるのは難しいな(笑)。

-(笑)では、最後になりますが、みなさんは"FUJI ROCK FESTIVAL '16"で4年ぶりの来日公演が決定していますね。前回の来日での思い出、日本やフジロックについて印象など教えてください。

思った通り美しかったけど、同時にクレイジーでもあったね。みんな本当にいい人たちで、リスペクトを感じたし、本当に控えめだった。そういった日本人の姿勢は本当に美しいと思う。同時にこだわりや徹底ぶりに驚かされもしたんだ。例えば、50年代の音楽にハマったら、それをとことん調べて知識をどんどん深めていくだろ? それに特化した店があったり、日本のみんなの徹底ぶりには本当に驚かされたし、素晴らしいと思ったね。日本の生活様式、文化のすべてが俺は大好きだし、もちろん日本食も最高だった(笑)。もっともっと日本という素晴らしい国を探っていきたいと思ったよ。

-ありがとうございます、ぜひ今年の夏は日本を堪能してほしいです。少し先の話ではありますが、どのようなステージになりそうですか? 今作を聴いてあなたたちのライヴが待ち遠しくなりました。

バンドも連れていくし、その10人全員が全力を出しきる本当にすごいショーになるだろうね。みんなに楽しい時間を過ごしてほしい。フジロックを楽しみにしててくれよ! 俺自身も日本でプレイするのが待ちきれないんだ。日本でみんなに会えるのを楽しみにしているよ!