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INTERVIEW

Overseas

SEVEN SATURDAYS

2010年10月号掲載

SEVEN SATURDAYS

Member:Jonathan Haskell

Interviewer:伊藤 洋輔


-SEVEN SATURDAYSの音楽は、インストゥルメンタルであらゆる情景を想起する抽象的な世界観ですが、インスピレーション源はどのようなものですか?

不完全なものから美しい音を作ること。認めたくはないんだけど、ロサンゼルスの生活と文化に潜む光と影というね。街の美しさと醜さとか、それが一番大きいインスピレーション源だよ。

-では、個々の楽曲について伺います。Track.2「Good Morning, I Love You」は、叙情的なメロディでポジティヴなフィーリングが満ちた素晴らしい楽曲ですね。タイトルから示唆すると恋人にあてたメッセージとも読み取れますが、この楽曲に秘められた想いを聞かせてください。

「Good Morning, I Love You」は明るい曲だよね。いつも愉快なメロトロンと、僕の友達ジーナ・ルシアーニをフルートに迎えて一緒に演奏したんだ。この曲の大事なテーマは“感情”なんだけど、それがもたらすものとは?その意味とは何なのか?という根源を突き詰めるようなイメージを含んだ。恋人についてかもしれない(そこは曖昧にしておくよ)、朝恋人の隣で目が覚めて、この5単語で挨拶する瞬間っていうのは幸せだよね。

-Track.5「Terrified of Breaking Down」では内省的なスタリングスが印象的ですが、細やかなアレンジも活かされ感動的な1曲となっていますね。レコーディングでの繊細な作業を想像しますが、留意した点や意識した部分とは何かありましたか?

演奏を始める前にそれぞれ何をやりたいかというアイデアはあるんだけど、自然の成り行きを抑制するなんてことは絶対にしない。例えばこの曲は、途中ですごく変化して映画的になったんだ。だからそのままで続けたんだけど、結果的にこの曲はバイオリンのウェズリー・プリコートが作ったようなものだよ。急降下する弦楽器はすべて彼によるもので、大きな賞賛を捧げたい。それと、この曲だけはライブでやらないんだ。映画のエンディングソングの方が相応しいと思うからね。

-なるほど。ラストの「Lost Mammals」はそれまでの楽曲群とは異なり、流麗なエレクトロとダイナミックなドラムが圧巻の展開を繰り広げます。この曲はどのようなイメージを持って作られたのでしょうか?

音楽・映像コラボレーターのStrangeloop(ストレンジループ)が4つの展開を持つ17分の曲をリリースしたんだ。僕の曲のリミックスを手掛けてくれたから、お返しをしたかった。だから、その曲の4章目を借りてSEVEN SATURDAYS Sの曲を作ったんだ。いわゆる“リミックス”はせずに1から作った。SEVEN SATURDAYS流エレクトロ音楽の改造、そんな解釈で「Lost Mammals」ができているんだ。

-オーケーです。次に素朴な疑問ですが、バンドからソロ・ユニットへ変化することに対し不安はありましたか?

NO!楽しくて仕方がなかったよ。だって妥協が存在しないんだから(笑)!やりたいことは何でもできるという考え方でスタジオに入るともっと柔軟になれたしね。このレコーディングで後悔していることはなにもない。素晴らしい体験だったよ。

-ありがちな質問をひとつ。もし無人島にアルバム1枚を持っていけるとしたら、何を選びますか?理由もお願いします

PINK FLOYDの『Meddle』(おせっかい)。「Echoes」を聴くのに飽きたことなんて一度もないんだ。それに、遠隔の風景にぴったりだよ。

-最後に、抽象的な質問をします。あなたが想う理想郷とはどのような世界ですか?

やっぱり、愛するスコットランドだよ(笑)。