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INTERVIEW

Japanese

PILLS EMPIRE

 

PILLS EMPIRE

Member:Naoya Shimomoto(Vo&Ba) / Toshinobu Kokubu(Vo&Syn&Sampler)

Interviewer:佐々木 健治


-僕も行けなかったんですよね。あれは行きたかった。そして、ラストの「Juxtaposed Juggernauts」は、JOY DIVISONのようなニューウェーヴのダークサイドというか。そういう楽曲だと思いますが。

K:うーん。でも、僕としては、JOY DIVISONってイメージでは作ってないですね。

N:前半の曲で言うと、メロディはほとんどKokubuが書いているんですけど、若干無理して歌うようなキーがあったりする中で、歌いやすいキーの曲を持ってきてくれて。意識してJOY DIVISION的にしたということはないんですよ。もし、意識したとしたら、クラウト・ロックのEINSTUERZENDE NEUBAUTENとかCAN、NEU!とかそういう感じをやりたいというのがあって。今、ニューウェーヴのバンドが海外も日本も増えてきている中で、普通にただダンス・ミュージックをやるのはありきたりというか。もっと硬質なビートをやりたかったんですよね。あと、MPCを手に入れて、バンドとしてテンションが上がっていたので、そのテンションでやった曲でもありますね。

-今日、来る前にもう一回アルバムを聴こうと思ったら、コンポの調子が悪かったのか何なのか、ヴォーカルとかが完全に抜けて、インストみたいな状態で聴こえてきたんですよ。

N:(笑)そんなことあるんですね。

-その状態で聴いてみたら、シンセにしても一つ一つの音選びが、一癖ある、濃い音を選んでいるなーとか(笑)。

K:(笑)そうですね。一音、一音は雰囲気がある音を選びたいので、そういうことは意識していますね。

-あとは「Kubrick Syndicate」の金属音が凄くハッキリ聴こえてきたりとか。

N:(笑)はい。

-あれはちなみに、何の音なんですか?

K:自分達で鉄パイプみたいなのを叩いてやってます。

N:一個一個、これは違う、これいいなとかやってね(笑)。前に、PILLS EMPIREをやり始めたばかりの頃に、アメリカのバーみたいなスタジオがあって、そこを使っていたんですけど。そこに鉄パイプが5,6本あったんですよ。それで、ライヴで何かショッキングなことをやってビックリさせたいというのが自分の中にあって。これをぶっ叩いたら、ヤバイんじゃないかと思ってやってみたら、初めてやった時に意外とお客さんが熱狂していたんで、そのノリをアルバムにも入れたいなと思ったんですよね。ちなみに、「Eins, Zwei, Drei」にも同じ音が入ってますね。

-ポップなものをやりたいということですけど、それを所謂普通にありそうな感じではだしたくないという考えはあります?

K:自分達では、普通なんですけどね(笑)。

N:うーん。ある程度、自分達がマイノリティだという意識はありますけどね。ポップなものをやりたいけど、ノー・ウェーヴみたいな、こっちは違うよみたいなラインを引く感じも嫌いではない。日本だと、MY WAY MY LOVEみたいな、僕達も凄くお世話になっているんですけど。彼らの音楽はまさしくポップなメロディなんだけど、ノー・ウェーヴというか。一音、一音、他の人達とは違う、これが自分達の音っていうところは出さないといけないっていう強迫観念的なところは凄く強いですね。楽器を選ぶにしても、エフェクター、アンプ、シンセにしても、例えばエフェクトの混ぜ具合にしても誰とも違うというか。使ってすぐ出せる音みたいなのを作るつもりはサラサラなくて。Kokubuが凄く好きなRADIOHEADは、自分達が楽器を作るところから始めて、自分達はこういう音を出したいというのが凄くあって。そういう感覚で僕達もやっているから、個性的な音になっているのかもしれないですよね。