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INTERVIEW

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METRONOMY

METRONOMY

メンバー:Gabriel Stebbing(Ba,Key)

インタビュアー:杉浦 薫

2008年、一度聴いたらなかなか忘れることの出来ない、不思議な浮遊感と寂しさに溢れ、ポップミュージックを再定義する意味合いを持つこととなったアルバム「Nights Out」をリリースし、瞬く間にメディアを席巻していったMETRONOMY。絶対に一筋縄じゃいかない人たちなのだろうとは予想していたが、思っていた以上に、こちらの質問に対して興味深い答えを返してくれた。

-METRONOMYというバンド名はどのような由来で付けられたのですか?

Josephが子供の時にMETRONOMYという名前を思いついたんだ。その頃の彼にとってはそのバンド名は、ミステリアスで興味深い響きがあるように思えたらしいんだよね。バンド名の意味は、文字通り拍子(リズム)の学問のことだよ。

-最初はJoseph一人のプロジェクトだったそうですが、バンド編成となって活動してみてからいかがですか?

バンドとしての活動は、社交的でフレンドリーなものだ。笑いもたくさんあるし、ビールもたくさん飲むしね。ソロでの活動は、孤独な世界だ。1人遅くまで寂しいホテルの部屋で起きているって感じなんだ。ソロでの活動を内なる世界への冒険というなら、バンドでの活動は外に向いていて、外界を目指しているという感じだね。

-あなたたちの出身地であるイギリスのデヴォン州、トトネスはどういう場所ですか? なんでも人口が少ない中に、大学が四つもあるような、特別なところだそうですが。

それは少し大げさかな。トトネスには確かに学校や大学が幾つもあるけど、METRONOMYの形成に一番大事だったのは、近所にあったダーティントン・カレッジ・オブ・アーツだった。Josephはカレッジのキャンパスで育ったし、Gabrielの最初の飲み友達は、カレッジの上級生で、みんな面白い髪型をして一般にはあまり知られていない音楽をたくさん聴いていた人たちだった。トトネスはまた、神経衰弱に陥った裕福なロンドン市民の避難場所的な特別な場所でもあるんだ。そうした人たちが、この安らかな田舎の雰囲気の中で、瞑想やタロットカード、霊気療法の奥儀を極めていくようになったんだ。

-音楽活動を始めるに至った経緯を教えてください。

JosephとOscarは10代の頃、ダーティントン・カレッジにインターナショナル・サマースクールが開催される度に、そこのジャズ・ワークショップで演奏していたんだ。Josephはドラムキットを叩いていて、オスカーはサックスを吹いていた。まだ音楽的発展の初期の段階にあったこの頃、キーポイントになっていたのは、インプロヴィゼーションだった。レディングで育ったGabrielは、12歳かそこらから学校のコンサート等でチェロを弾き始めていた。その頃のレパートリーはクラシックから、「サンダーバードのテーマ」といったポップスをアレンジしたものも頻繁に演奏していたんだ。

-アルバム『Nights Out』を聴かせていただきました。私が大きく感じた印象は“生々しさ”と“寂しさ”でした。所謂分かりやすい“エモーショナル”と言われている音楽の表現方法とは違いますが、私が今まで聴いてきた、世間的に“エモーショナル”と言われる音楽よりも、METRONOMYは遥かに自分の中に入ってきて、掻き回され、没頭してしまいました。

METRONOMYの音楽についてそう言ってくれるのは興味深いし、感動的でもあるよね。ついこの間、僕のガールフレンドがBraidという、90年代初期にアメリカ中西部から出てきたエモ・ハードコア(エモ)バンドのCDを掛けていたんだ。彼らの音楽を意外と楽しめたと認める一方で、僕は、彼らの歌詞の内容や伝え方が実はすごく率直なものであることに気付いたんだ。METRONOMYは、エモーショナルなテーマを過小評価している。僕らのはもっと微妙な音楽なんだよ。

-アルバムテーマを『Nights Out(夜遊び)』にした理由はなんだったのでしょうか?一見「夜遊び」というテーマとなると、ストレス発散的で能天気なパーティー・ミュージックを連想しがちですが、全体的に寂しさが漂っていますよね。確かに夜遊びはそんなに楽しいことばっかりじゃないよなと頷いてしまいましたが。

僕らMETRONOMYは、ダンスフロアの真ん中よりは端っこを目指している。僕たちは、音楽に我も忘れるというよりは、音楽を分析して頭を悩ますタイプなんだ。僕たちの心配事は、自分たちのダンスが真っ当な基準から外れていると人から思われたらどうしようとか、それで恥ずかしい思いをしたらどうしようとかといった事だ。だから僕たちの夜遊び体験は、他の人たちとは違うかも知れないね。