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INTERVIEW

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METRONOMY

METRONOMY

Member:Gabriel Stebbing(Ba,Key)

Interviewer:杉浦 薫


-リズムや音階表現がとても特徴的ですね。一曲一曲を聞いている時、同時に“絵”を想像してしまうんですが、その絵はくるくる回って残像しか掴めないというような‥このようにリスナーに対して想像力を掻き立てるような、一風変わった表現方法を、ポップ・ミュージックのフィールドでやることとは、始めから意図されていたのでしょうか?

ある特定の感情やイマジネーションを想起させる音楽だけがメトロノミーの基準をクリアできる、という風に言っておこうかな。もし自分たちにリアルに響かない音楽を作ってしまったとしても、それは破棄されるだけなんだ。

-女性コーラスが多く取り入れられていますが、これは誰が歌っているのですか?

えっと、実はね、アルバムのヴォーカルは全部Josephのものなんだ。時々(ヴォーカルの)ピッチを変える技術や、色んな機器を使って、ああした性転換効果を自分の声に施しているんだ。

-METRONOMYの曲作りの基盤となるプロセスを教えてください。

曲作りのプロセスは、曲によって変わってくる。よくあるのは、まず基本となるリフか、ムード、もしくは音が始点となるんだけど、そうしたものの中に曲の残りの部分となる種が含まれているんだ。それらが愛情を満ちた世話を注がれ、曲として息吹を吹き込まれていく部分は神秘的なプロセスなんだよ。

-メンバーそれぞれ、どのような音楽に影響されてきたのでしょうか?

■ Joseph:RAMONESやTALKING HEADS、DAVID BOWIEといったポスト・パンク、そしてKRAFTWERKやAPHEX TWINといったエレクトロニック・ミュージックの先駆者たち
■ Oscar:GIRLS ALOUDやNE-YOなどのメインストリーム・ポップ
■ Gabriel:THE BEACH BOYSやFLEETWOOD MACといったヴォーカル・ハーモニーの利いたポップ・ミュージック

-METRONOMYは、PVも非常に印象的です。面白い色彩感覚、遊び心をお持ちですね。映像、ヴィジュアルに対するこだわりを教えてください。

どのビデオにおいても、僕らがビデオ監督の抱いているヴィジョンと上手く交流しているのが伺えると思う。つまり僕らは、METRONOMYのヴィジュアルに対してかなりこだわりを持つ一方で、今の自分たちの限界も知っている訳なんだ。だからビデオの制作過程においては、ある程度自分の意志を放棄して、オートマティックな流れに身を任せる必要があるとも分かっている。僕たちはある意味、操り人形ではあるんだけど、意志をもった操り人形なんだ。

-あなた逹はクラブにおいて活動を行なってきたようですが、クラブという場所においてどのようなインスピレーションを受けましたか?

僕らはクラブやダンスフロアとは複雑な関係にあるんだよ。確かに僕らはある程度、一部のUKや世界のダンス・カルチャーに受け入れてもらえている。でも、僕らのルーツはポップやロックであって、ダンス・カルチャーはデヴォンで育った僕らにとっては全くの未知の世界だった。前にも言ったけど、僕らはダンスフロアの真ん中より、端っこにいたほうが落ち着く人種なんだ。

-私はMETRONOMYを聞いて、ポップ・ミュージックの在り方について深く考えさせられました。あなた逹にとって、“ポップ・ミュージックのあるべき姿”とはどんなものなのでしょうか?また、あなたの理想を体現しているアーティストはいますか?

ポップ・ミュージックは飼いならされることの無い野獣であるべきだと思う。つかみどころの無い、殆どミステリアスなものでなくてはならない。インスピレーションやある種の人間臭さを感じさせないポップ・ミュージックを聞くと、悲しくなるんだ ― かごの中の鳥が歌っているように聞こえるから。本物のポップ・アーティストは山の上を高らかに飛びながら歌う鳥のような存在なんだ。Cocknbullkidはそうした鳥の1羽だね。眩いばかりの羽飾りをつけて巣立っていくような鳥なんだよ。

-また、METRONOMYがメインストリームの音楽シーンにおいて、“こうあるべき、こうありたい”という使命感のようなものはありますか?

勿論、(僕らに限らず)どんなアーティストも出来るだけ多くの人に自分の音楽を聴いてもらいたいと思っている。でも自分たちがチャートのトップに立っているのを想像するのはちっとも現実的じゃないよね!僕らは出来るだけオープンなマインドでいたいと思っている。未来は未知なる領域なんだからね。

-METRONOMYの今後の活動について教えてください。

今後の活動には、ニュー・アルバムの制作と、あとはもしかしたら、メトロノミーのライヴが何らかの進化を見せるかも知れないということかな。

-Josephは様々なアーティストのリミックスワークを手掛けていますが、今後も精力的に行なっていかれるのでしょうか?

他のアーティストのリミックスをするのは、時間も取るし、インスピレーションの源泉を枯渇させる場合もある。だから燃え尽きないように、暫くは(他のアーティストの)リミックスするのは控えるつもりだよ。他のアーティストの為に自分の真に創造的なアイディアを使うなんて、ヘンだし、すごく勿体無いことだよ!

-日本への来日の予定はありますか?夏フェスへの参加も期待してしまうのですが。

有難いことに今年の夏、サマーソニックに招かれているんだ。

-日本の文化に興味はありますか?

日本の文化には大変興味があるよ。1月の来日は今までの人生の中でもハイライトの一つだと言えるね!次に行く時は、もっと日本の習慣や文化について学べたらいいなと思っているよ。