Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

FEATURE

Japanese

"KARIYA 大演会"

2025年10月号掲載

"KARIYA 大演会"

Writer : 山本 真由

ジャンルレスでありながら、人気、実力を兼ね備えた話題のアーティストたちが集結


2025年11月1日、愛知県の西三河エリア最大級の屋外音楽フェス"KARIYA 大演会"が、亀城グラウンド、亀城公園で開催される。このイベントは、一般的なコンサート・プロモーターやアーティスト主催のフェスと異なり、愛知県刈谷市の市制施行75周年記念イベントとして企画されたもの。自治体主催と聞くと、なんだが堅苦しいイベントのように思われるかもしれないが、この"KARIYA 大演会"は、刈谷市の若手職員によるプロジェクト・チームが主体となり企画されたもので、様々な観点からチャレンジングな新しいフェスとなっている。

そんな自治体を挙げた肝いりの"大演会"が行われる刈谷市とは、どんな場所なのか。1950年に市制施行して刈谷市が発足、現在では、自動車関連産業の集積地として飛躍的な発展を遂げ、世界をリードする創造的な産業拠点を目指し、愛知県の中核都市として重要な地位を確保している。そして、そんな刈谷市発展の75年間の歴史を祝福すべく開催されるのが、この"KARIYA 大演会"なのだ。
今回のイベントは、"音楽の『演』奏、仲間とフードやドリンクを楽しむ『宴』会、そして、このフェスで生まれたご『縁』など、このフェスがさまざまな「えん」に溢れ、まち全体でフェスを盛り上げ、節目の年を祝うとともに、刈谷市の魅力を市内外に広く発信することを目指して"いるのだという。音楽だけでなく、飲食や交流も重視した"パーティー感"が、このフェスの魅力であり、"演奏"だけでも"宴会"だけでもない"大演会"たる所以なのだろう。

フェスの内容についても詳しくみてみよう。会場は、有料エリアである音楽ライヴ会場"LIVE AREA"と、無料エリアとして誰でも気軽に楽しめるマルシェ会場"PARK AREA"に分かれており、それぞれ亀城グラウンドが有料エリア、亀城公園が無料エリアという区分けになっている。"LIVE AREA"では、音楽ライヴはもちろんのこと、飲食販売等のスペースもあり、ここだけでも十分に楽しめるようなスペースになっているのだが、さらに"PARK AREA"で展開される古着やアクセサリー、雑貨等の販売を行うマルシェ、そしてこちらの飲食系店舗も含めると、合計100店舗以上が参加という大規模なイベントとなっているのだ。また、その参加店舗は、いわゆるイベント屋台のようなものではなくお洒落なお店や個性的なお店が多く、出店ラインナップをチェックしただけでもワクワクするような内容だ。
また本イベントは、環境への取り組みや配慮もされ、ライヴで使用する音響や照明等の電力の供給には、廃油を原料とした再生可能な燃料"RD(Renewable Diesel)"を採用。さらに、フェスで提供されるフードやドリンクの容器は、プラスチック製ではなく紙製容器や繰り返し使えるリユーザブル製品を使用予定とのこと。CO₂やプラスチックの削減に努め、未来に繋がる取り組みにもトライした次世代型のフェスとなっている。

ここで、そんなイベントのメインディッシュとも言えるライヴ・アクトたちを紹介しておこう。まずは、都会的でお洒落なサウンドが魅力のポップ・ロック・バンド、I Don't Like Mondays.。メジャー・デビューから10年を超え、円熟味が増したライヴ・パフォーマンスに期待が高まる。
続いて、19歳のシンガー・ソングライター、AKASAKI。昨年2024年に本格的に活動を開始すると間もなく、聴く者の心震わす歌声とドラマチックな世界観の楽曲が注目され、配信プラットフォームやSNSを中心に火が付き、今や各地に引っ張りだこになっている。
そして、PIZZA OF DEATH RECORDSの個性派ロック・バンド Suspended 4th。圧倒的演奏力と独特なグルーヴ感を持った自由度の高い楽曲、ハイエナジーな唯一無二のパフォーマンスが存在感を放つグループだ。
そして、ジャンルレスな楽曲としなやかな歌声が魅力のシンガー・ソングライター、NakamuraEmi。ポップ・ミュージックをベースに、ヒップホップやレゲエからの影響も受けた色とりどりの楽曲とリリック・センスに注目してほしい。
また、エキゾチック・ロック・バンドのNEEは、昨年2024年にヴォーカルのくぅを亡くし、一度は予定が全てキャンセルとなるも、再起し3人体制となったばかり。今年の10月には新体制初のアルバムをリリースする、"第2章"を始動させた彼等のライヴも気になるところだ。
さらに、ソフトなヴォーカルと軽やかなビートが特徴的な、高橋 海のソロ・プロジェクト LUCKY TAPES。デビュー10周年を迎えた今年、3年ぶりのワンマン・ツアーも決まり、勢いに乗るパフォーマンスはぜひチェックしておきたい。
そして、切ない歌詞の世界観をストレートなメロディのロックで表現したスタイルが、圧倒的支持を得ている3ピース・バンドのreGretGirl。爽やかな風を感じる屋外で聴くのも楽しみなバンドだ。
ちなみに、イベント・ナビゲーターは、地元刈谷市出身のシンガー・ソングライターでマルチクリエイターの近藤晃央が務め、彼のライヴ・パフォーマンスも予定されている。
このように、幅広いジャンルから人気、実力を兼ね備えた話題のアーティストたちが集結する"KARIYA 大演会"。ジャンルに特化したフェスでも、逆にオールジャンルの巨大フェスでも観られないような、ジャンルレスでありながら一定の趣向に沿ったアーティストが集まっているので、この中の1アーティストでも好きな人ならば、ツボを刺激されまくること間違いなしだ。


EVENT INFORMATION
"KARIYA 大演会"



11月1日(土)刈谷市亀城グラウンド 屋外特設ステージ

出演アーティスト:I Don't Like Mondays. / AKASAKI / Suspended 4th / NakamuraEmi / NEE / MONKEY MAJIK / LUCKY TAPES / reGretGirl
イベント・ナビゲーター:近藤晃央
公式サイト

  • 1