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Miss Shawshank

 

Miss Shawshank

Writer 山口 智男

Miss Shawshankが2021年2月20日、東京 四谷のライヴハウス LOTUSで自身初となる主催ライヴ"世界の終わりで愛を叫んだけもの"を開催することが決まった。

2020年2月22日のユニット結成から約1年となるその日を、ファンに負けないくらい心待ちにしているのは、もしかしたら他ならぬMiss Shawshankのふたりかもしれない。なぜなら、そのライヴはプロデューサーであるMr.3rdから与えられる試練に応えながら、精力的に活動してきたこの1年間の集大成とも位置づけられるからだ。

Miss Shawshankは網走ノ裕希(Vo)と宮田ジュン(Gt)からなる音楽ユニットだ。結成以前から、それぞれに音楽活動を続けてきたふたりがどんなふうに出会い、どんなヴィジョンのもと、映画"ショーシャンクの空に"をモチーフにした名前を持つ音楽ユニットを始めたのか。そして、それぞれにどんな音楽的なバックグラウンドを持っているのか。それらについては今後、インタビューなどで明らかにされていくと思うが、"ダークで儚く、そして美しい世界観を奏でる。"と自ら謳う音楽性を、読者がもうちょっと具体的にイメージできるように、ここでは8月5日にリリースした1stミニ・アルバム『WORLD END No.7』を聴いた印象から、J-POPの王道を思わせる女性ヴォーカルとオルタナ・ロックなバンド・サウンド、そのふたつの要素を楽しませながら、それだけにとどまらない魅力も感じさせるもの、と付け加えておこう。

"それだけにとどまらない魅力"とは何か? それはこの音楽ユニットが持つバックグラウンドの幅広さを物語るミクスチャー感覚だ。

例えば、Miss Shawshankのロック・サイドを端的に伝えるギター・ロックの「夏の幻」、打ち込みのリズムとバンド・サウンドを組み合わせたオルタナ型J-POPの「from world end」と、序盤は『WORLD END No.7』の全7曲中、比較的ストレートな2曲が続くが、そこから一転、「都会のジェリーフィッシュ」と「道化師-ピエロ-」の2曲では持ち前のミクスチャー感覚が存分に発揮され、ミニ・アルバムの聴きどころとなっている。

歌とアコースティック・ギターの爪弾きがフォークロアを思わせる曲調が、バンドインとともに疾走系のロック・ナンバーに展開する「都会のジェリーフィッシュ」は、網走ノ裕希が歌う漂うようなメロディが和の情緒を感じさせる一方で、宮田ジュンによるギター・ソロがラテン・ジャズなフレーバーを感じさせるところが面白い。その無国籍、いや、多国籍感は、まさに唯一無二のミクスチャー感覚の賜物だが、それが「道化師-ピエロ-」では全然違う方向で発揮される。

「夏の幻」から感じる、ひょっとしたらラウドロックも聴いてきたミュージシャンかも!? という予感は、「道化師-ピエロ-」のイントロで鳴るグランジィなギター・リフによって確信に変わるが、聴きどころはむしろこの曲に加えられた躍動するリズムを含むゴシック・ロックに通じる魅力のほうかもしれない。ふたりが掲げる"ダークで儚く、そして美しい世界観"は、そんなゴシックな装いと3拍子のリズムが耳に残る「僕らの戦争」の2曲で、さらに昇華された印象がある。

全編通して宮田ジュンが閃かせるテクニカルなギター・プレイも聴き逃せない。ロックはもちろん、フュージョンなども聴きこんできたギタリストなんじゃないか。

そんな『WORLD END No.7』の楽曲を、ふたりはできるだけ多くの人に届けるため、自身のYouTubeチャンネルと連動した"サイコロで行き先を決める全国路上ライブの旅"で各地に足を運び、自分たちの前を通りすぎる不特定多数の人の前で演奏してきた。それはMr.3rdによる発案だったという。なぜ自分たちがそんなバラエティ番組のようなことを!? もしかしたらそう思ったかもしれない。ふたりが路上でどんな思いをしてきたかは察するに余りあるが、その経験を糧にMiss Shawshankがライヴ・パフォーマーとして成長したことに期待している人はきっと少なくないはずだ。その成果を見てもらうという意味でも初の主催ライヴは、ふたりにとって特別な日になるであろう。

LIVE INFORMATION
"Organized by Miss Shawshank
「世界の終わりで愛を叫んだけもの」"

2021年2月20日(土)四谷LOTUS
OPEN 18:00 / START 18:30
出演:Miss Shawshank / Luck Stokes
[チケット]
¥4,500(税込)
■通販サイト BASEにてチケット販売中
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