Japanese
CY8ER
Writer 宮﨑 大樹
"TOKYO"が世界的に注目される2020年というこの年に、"東京系"アイドル・ユニット CY8ER(読み:サイバー)が、いよいよ世界にその名を知らしめるときがやってきた。
CY8ERは、"世界を騒がすガチマジアイドル"をコンセプトとする、苺りなはむ、小犬丸ぽち、ましろ、病夢やみい、藤城アンナからなる5人組アイドル・ユニット。新たなカルチャーを作り出すことを目指してオリジナル・メンバーの苺りなはむがプロデュースと所属事務所代表を務める、完全セルフ・プロデュースで活動をスタートさせた彼女たちは、EDM、エレクトロ、テクノ・ポップを織り交ぜたサウンドでリスナーを熱狂させ、着実にサバイ族(※CY8ERファンの呼称)を増やしていった。そうして主要なアイドル・フェスの常連になり、2019年にはTOKYO DOME CITY HALLでワンマンを成功させるなど、その活躍の場を拡大。シーンにおいての知名度は申し分ない存在であったCY8ERが、いよいよメジャーにフィールドを移すことを発表し、記念すべきメジャー・デビュー・アルバムを完成させた。
"2020年の東京系ネオKawaii"をコンセプトとしたという本作のタイトルはズバリ"東京"(曲名に"東京"、"トーキョー"が入る曲は4曲も!)。渋谷のクラブ・カルチャー、秋葉原の萌え/オタク・カルチャー、原宿のKawaiiカルチャーを網羅したという本作には、数多くのCY8ERの曲を手掛けてきたYunomiをはじめ、8名の先鋭プロデューサー陣が参加している。
本作のリード曲は、「恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ)」。Perfume、きゃりーぱみゅぱみゅなどの音楽プロデュースで知られる中田ヤスタカと、CY8ERの相性について表現する。それはまるで、目の前にワインとチーズを並べてその相性について語る行いのような感覚がしてしまうが、しかし、それほどまでに素晴らしいマリアージュを実現しているのだ。中田節全開のサウンドと、"Kawaii"をそのまま音声化したようなメンバーの歌声が溶け合う極上のテクノ・ポップ・ナンバーは、それこそPerfume、きゃりーぱみゅぱみゅのように、国内だけでなく海外でも評価を得るポテンシャルを秘めている。すでに公開されているミュージック・ビデオは、90年代風の3DCGと現代のCGで構成され、そこへ官能的なシーンも加えた映像に仕上がっており、まさにCY8ERならではのもの。
この「恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ)」を"拡張"したと想像させるものが「恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ) -extended mix-」。この曲が初回限定盤のオープニング・チューンとなっているのだが、通常盤では、CY8ERの躍進を支え続けてきたYunomiによる「東京ラットシティ」が1曲目に据えられている。歪んだシンセなどの打ち込みサウンドに三味線、和太鼓といった和楽器の音色を乗せていく。Yunomiの、そしてCY8ERの王道とも言える和テイストのEDMは、広大な会場でシンガロングが巻き起こると、さぞや気持ちいいだろうなと感じさせる1曲だ。
言わば、メジャー・デビューを経てバージョン・アップしたCY8ERを象徴する1曲が「恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ)」(および「恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ) -extended mix-」)だとすれば、これまでと変わらないCY8ERらしさを誇示した曲こそが「東京ラットシティ」だと捉えることができる。形態によってアルバムの顔となる1曲目にそれぞれの曲をセレクトしていることに、彼女たちのこだわりを感じずにはいられない。さらには、新たなサバイ族を獲得せんとする意志の現れと、これまでCY8ERを支えてきたサバイ族へのメッセージにも受け取れる、というのは言いすぎだろうか?
そんな異なる1曲目に繋げられたのは、冒頭の"え アタシ!?"がグッと心を掴む「トーキョー・イノベーター」。作詞作曲は、CY8ERでは「タイムトリップ」や「スポットライトセオリー」などを手掛けるKOTONOHOUSE。キラキラとしたサウンドで進行したあと"空気ばっか読んでないで/好き勝手騒ご~!"の声とともに始まるEDM的なドロップが、ライヴ中にどんな景色を見せてくれるのか楽しみな1曲だ。そこから、都会の夜空をふわふわと浮遊したり、飛び回ったりするような感覚を味わうことができる「ユメゾラココロ」、ミドル・テンポでしっとりと聴かせる「東京少女」へと移り変わる流れもまたいい。さらに本作には、アーバンなサウンドとヴォコーダーを使用した歌声でクールな音世界を作り出す「ネクストドア。」のような曲もあれば、"ぺっぺろぺろぱ/ぺぺろぺろれろ/ぺっぺろぺろぱ/ぱっぱっぱーちぃ☆"と、脳がとろけるような歌詞が癖になる「もしもしじゃぽん」のような曲も収録されている。こういった真逆とも言える方向性の曲が揃いながらも、1枚のアルバムとして統制が取れているのは、ヴィヴィッド・カラーのように鮮やかな輝きを放つCY8ER自身の個性の賜物だ。アルバムの後半では、クライマックスへ向けて軽やかに歩みだす「トーキョーアイデンティティ」を経て、先述のリード曲「恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ)」がラストを飾る。全8曲(初回盤はリミックスを追加して全9曲)という数だけを見ると、やや少なく感じるリスナーもいるかもしれないが、各クリエイターの個性が色とりどりな光を放つ本作からは十分な満足感を得ることができるはず。むしろ、彼女たちの自信のある曲だけがギュッと詰まった、新たな門出を祝うに相応しい1枚だと言える。
▼リリース情報
CY8ER
メジャー・デビュー・アルバム
『東京』
2020.01.22 ON SALE
[Victor Entertainment]
【初回限定盤】(CD+DVD)
VIZL-1697/¥3,636(税別)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
[CD]
1. 恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ) -extended mix-
2. トーキョー・イノベーター
3. ユメゾラココロ
4. 東京少女
5. ネクストドア。
6. 東京ラットシティ
7. もしもしじゃぽん
8. トーキョーアイデンティティ
9. 恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ)
[DVD]
「恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ)」 ミュージック・ビデオ
ミュージック・ビデオ・メイキング映像
【通常盤】(CD)
VICL-65306/¥2,273(税別)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
1. 東京ラットシティ
2. トーキョー・イノベーター
3. ユメゾラココロ
4. 東京少女
5. ネクストドア。
6. もしもしじゃぽん
7. トーキョーアイデンティティ
8. 恋愛リアリティー症 (feat.中田ヤスタカ)
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