Overseas
SPANK ROCK
Writer 沖 さやこ / 伊藤 洋輔
千変万化のヴォーカル・テクニック!
探究心とユーモア満載のセカンド・アルバム
まずこのアルバム・タイトル。何て挑戦的で、吐き捨てるような台詞だろうか。ジャケットも一見まとまりがなく素っ気ないが、写っているオブジェひとつひとつをじっくり見てみると何とも珍妙。不思議で絶妙なバランスは作品にも表れており、全てをひっくるめて“SPANK ROCK流のユーモアの結晶”と言って良いだろう。
2006年に『YoYoYoYoYo』でデビューを果たしたNaeem JuwanことSPANK ROCK。今作は約5年振りとなる待望のセカンド・アルバムだ。ドイツ出身のエレクトロ・ユニットBOYS NOISEをエグゼクティヴ・プロデューサーに迎えている。ジャンル問わず様々なアーティストと共演&共作をする彼だけあって、音のひとつに着目するとまたもやいろんな発見が生まれて来るのが面白い。クラブ・シーンでもヒップホップ・シーンでも通用するトラックは、ファンクやデジタル・ロックのスパイスが加わり、最初から最後までグライムの香りがムンムンに漂う。逆立ちして見える情景が普通に生活しているときとまったく違うように、目に見える常識をそのままひっくり返すような新たな視点を提示してくれる。
秀逸なのはサウンドも勿論だが、やはり何と言ってもMCとしての彼の存在感だろう。彼のヴォーカルは、曲ごとに劇的な変貌を遂げるのだ。息遣いや喉の音鳴りを巧みに操る「To Da」、ねちっこい色気を醸し出す歌と機械的なラップのコントラストが秀逸な「Energy」、PRINCEを彷彿させるしゃくり上げる声が印象的な「Baby」、BIG FREEDIAとのMCバトルがスリリングな「Nasty」。SANTIGOLDの柔らかく女性的な側面がフィーチャーされた「Car Song」では明快なフロウでアクセントを、「The Dance」ではおどけたファンキーな一面を見せ……とその変幻自在っぷりはお見事。「#1 Hit」のファルセットで歌い上げるサビと少年性のあるキュートなラップも、同一人物だということを忘れさせるほど。彼のヴォーカル・アプローチはどんな音楽ジャンルすら平伏してしまう。
ひとつひとつの音に着目したり、音のバランスを比べてみたりと、聴き方を変える度に新しい発見があり、彼の細やかな音に対する探究心を感じることが出来る。全てが退屈で、クソみたいな嘘が蔓延るこの世の中。だが組み合わせるものをいつもと少し変えるだけで、遊び心を作り出すことが出来るのだ。(沖 さやこ)
パーティーは終わらないYOYOYOYOYO……
進化するビートとは何か?――そんな問いかけを鼻で笑うかのように、MC SPANK ROCKことNaeem JuwanとDJのXXX CHANGE(Alex Epton)のデュオからなるSPANK ROCKが鮮烈に登場をしたのは5年前の話。あのRADIOHEADのフロントマンThom Yorkeは叫んだ、“初めてアルバムを効いたときは顔をひっぱたかれたかのような感じだったね。エレクトロニックなサウンドが斬新だったよ。とにかく爆音で聴いてごらん!”。そう、もしかすると彼らの登場がなければRADIOHEADの「15 Step」は生まれなかったかもしれない。いや、その手前にあるThomのソロ作『The Eraser』も存在しなかったんじゃないか?いずれにせよ、彼らはロック・シーンの最大アイコンに重要な示唆を与えた。
下世話な言葉遊びを吐き出しながらも、躍動するブレイクビーツ、猥雑なマイアミ・ベース&ダンスホール、ゲットーの力強い生命感溢れるバイレ・ファンキ、予期せぬビート転調に彩るボルティモア・ブレイクス、アブストラクトに舞うエレクトロ、愉快犯的なヴォーカル・チョップ、遊び心ある8ビット・サウンド、ムーディーなチョップド&スクリュード……HIP HOPの無限の感性とヤンチャなパーティー精神でとことん自由に(いい意味でおバカに)触手を伸ばしターンテーブルでミックスしてしまった、まったく新しい未知なるビート絵巻だった。それは上述したようにシーンの垣根を軽々と越え、あらゆるアーティストやファンのお尻をスパンキング!と衝撃を与えたわけだが、その痛みを想えば5年の空白などあっという間だったな……待望のセカンド・アルバムがついに届けられた。
やはりハードでファンキーなビートが鼓膜を襲えば自ずと心が弾んでしまう。前作に負けず劣らず、快作の2枚目である。SANTIGOLDがゲスト参加したメロディアスな「Car Song」はこれまでにない新機軸であり、アゲアゲ・キラー・チューンは文字通り「The Dance」、キレキレのラップを堪能したければ「Turn It Off」や「Race Riot」をオススメしよう。前作での尖鋭的なビートが幾分洗練された印象を受けるが、どこを切り取ってもSPANK ROCK流としか形容できないビート・マジックの魅力は本作も溢れている。プロデューサーはなんと人気エレクトロ・ユニットのBOYS NOISE! 他にもMark RonsonにBIG FREEDIAのゲスト参加も見逃せない。そんな精鋭陣との新たなケミストリー/クロス・オーヴァーから生まれる高揚感は、自ら築き上げたハードルを更新するのは己しかいない!とばかりに力強いものだ。
パーティーは終わらない……DOPE!SWAG!爆音で体感せよ!(伊藤 洋輔)
- 1
LIVE INFO
- 2025.03.04
-
片平里菜
三四少女
礼賛
輪廻 / マリンブルーデージー / CARAMEL CANDiD / サブマリンオルカ号
ZOCX
This is LAST / the shes gone / reGretGirl
サティフォ(ONIGAWARA)
- 2025.03.05
-
Apes
アイナ・ジ・エンド
Yogee New Waves
マカロニえんぴつ
Cody・Lee(李) / 浪漫革命 / SKRYU
SIX LOUNGE
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.06
-
片平里菜
Yogee New Waves
マリンブルーデージー
三浦透子
アイナ・ジ・エンド
a flood of circle
マカロニえんぴつ
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
SAKANAMON
UNISON SQUARE GARDEN
- 2025.03.07
-
フラワーカンパニーズ
四星球
THE YELLOW MONKEY
ビレッジマンズストア
kobore
礼賛
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
SCANDAL
THE BACK HORN
OKAMOTO'S
w.o.d.
ズーカラデル
ザ・ダービーズ
YAJICO GIRL
リュックと添い寝ごはん
レイラ
- 2025.03.08
-
Lucky Kilimanjaro
never young beach
四星球
リアクション ザ ブッタ
a flood of circle
サカナクション
GRAPEVINE
SUPER BEAVER / 東京スカパラダイスオーケストラ / WurtS ほか
片平里菜
WONK
MAN WITH A MISSION
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
礼賛
osage
GLIM SPANKY
秀吉
SCANDAL
おいしくるメロンパン
OKAMOTO'S
w.o.d.
mzsrz
BLUE ENCOUNT / 崎山蒼志 / CHiCO ほか
PIGGS
FINLANDS
sumika
緑黄色社会
Nornis
go!go!vanillas
Aimer
- 2025.03.09
-
さとうもか
四星球
a flood of circle
サカナクション
マカロニえんぴつ / Saucy Dog / ヤングスキニー ほか
osage
君島大空
yama
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
KALMA
kobore
リアクション ザ ブッタ
4s4ki
THE BACK HORN
GLIM SPANKY
OKAMOTO'S
ズーカラデル
FUNKIST
Co shu Nie / 七海うらら ほか
FINLANDS
SCOOBIE DO
Base Ball Bear / 橋本絵莉子
miwa
藤巻亮太
go!go!vanillas
Aimer
- 2025.03.10
-
Panorama Panama Town
Jack White
秋山黄色
SCOOBIE DO
三浦透子
- 2025.03.11
-
Panorama Panama Town
ACIDMAN
SCANDAL
MOGWAI
a flood of circle
SILENT SIREN
THE SPELLBOUND
神聖かまってちゃん
4s4ki
フクシア / MAKKURAGE / ジンバジ / goat Life / BUA
- 2025.03.13
-
yama
礼賛
フラワーカンパニーズ
マカロニえんぴつ
Jack White
GANG PARADE × RED in BLUE
挫・人間
04 Limited Sazabys × WurtS
伊東歌詞太郎
Wisteria
大橋ちっぽけ
- 2025.03.14
-
HY × Anly
yama
GLIM SPANKY
サカナクション
マカロニえんぴつ
OKAMOTO'S
SCANDAL
荒谷翔大 × 鈴木真海子(chelmico)
NOT WONK
おいしくるメロンパン
FUNKIST
THE YELLOW MONKEY
カメレオン・ライム・ウーピーパイ
伊東歌詞太郎
緑黄色社会
- 2025.03.15
-
HY / LiSA / BURNOUT SYNDROMES ほか
MAN WITH A MISSION
SCANDAL
フラワーカンパニーズ
サカナクション
さとうもか
GLIM SPANKY
sumika
リアクション ザ ブッタ
OKAMOTO'S
Kroi × BREIMEN
THE ORAL CIGARETTES
Re:name
BRADIO
This is LAST / NEE / シンガーズハイ ほか
Hump Back / ヨネダ2000
FUNKIST
East Of Eden
NOT WONK
moon drop
原因は自分にある。
kobore
GRAPEVINE
ExWHYZ / Tani Yuuki / cross-dominance
INORAN
LEGO BIG MORL
藍坊主
ジュウ
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
ラックライフ
Galileo Galilei
キタニタツヤ
"DreamARK presents 『D-FES』"
TENDOUJI
Jack White
- 2025.03.16
-
HY / SUPER BEAVER / Saucy Dog ほか
フラワーカンパニーズ
さとうもか
"machioto2025"
sumika
ヒトリエ
OKAMOTO'S
TENDRE / Chilli Beans. / iri
ビレッジマンズストア
GANG PARADE × BiTE A SHOCK
ズーカラデル
PIGGS
East Of Eden
礼賛
FUNKIST
原因は自分にある。
osage
Appare!
AIRFLIP
ぜんぶ君のせいだ。× TOKYOてふてふ
moon drop
JYOCHO
ART-SCHOOL
a flood of circle
キタニタツヤ
w.o.d.
THE BACK HORN
RELEASE INFO
- 2025.03.04
- 2025.03.05
- 2025.03.06
- 2025.03.07
- 2025.03.12
- 2025.03.14
- 2025.03.19
- 2025.03.26
- 2025.03.28
- 2025.04.01
- 2025.04.02
- 2025.04.04
- 2025.04.09
- 2025.04.11
- 2025.04.15
- 2025.04.16
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
フラワーカンパニーズ
Skream! 2025年02月号