Japanese
Skream! PICK UP! 【サンタラ / Metro-Ongen / tokyo blue weeps】
2011年04月号掲載
こんな時代だからこそ、こんな状況だからこそ、音楽に頼ってもいいんじゃないですか?
どんなに困難な状況に置かれても、音楽は何処かで生まれて続けます。そう信じています。
だから、それを誰かの元に届けたい。
Skream!では春風とともに桜が舞い散る季節に、是非とも聞いてもらいたい3アーティストをご紹介します。この3組とも自主レーベルを立ち上げ、自分たちの力を信じて活動しています。
あなたの五感すべてを使って、感じ取ってください。
■サンタラ
【POPにおける普遍性ってこういう幸せのことなのかも。だから“TRICKSTER”は“愛しい”のかも。】
Rachael Yamagataの声を聴いた時、隣にいた知人が“湿気を帯びた声だ”“濡れている”とぼんやりと言っていた。うす暗い部屋に響く低く瑞々しい声、僅かに陰鬱なそのヴォーカルは、2人でいたその部屋に一つも無駄な要素がないとでもいうように、そこに存在する全てのものにすんなりと溶け込んでいた。
本作『愛しのTRICKSTER』の仕掛けるゆるく幸福な魔法も、またそんな感覚だった。
1999年、田村キョウコと砂田和俊の2人で結成された、京都出身の男女2人組みサンタラ。04年にはメジャー・デビューも果たし、09年には自主レーベルGravy Recordsを設立。全国ツアーはもとより、FUJI ROCK FESTIVALなどのイベントにも多数出演しパフォーマーとしてのキャリアも数多く積んでいる彼ら。作品としては本作が7作目のアルバムとなる。
本作は、そんなキャリアに裏打ちされた安定感が心地良い。何より特筆すべきはその“ゆるさ”。飾り過ぎず、アレンジし過ぎないサウンドと、スロー・テンポな贅沢な時間の使い方はとても居心地が良い空間演出となっている。
言うなれば、“お洒落でルーズ”ってこと。小島麻由美なんかもそうだが、これって休日のテンポ。それも大した予定のない休日。カフェで恋愛話をしている時、女同士の井戸端会議も2時間を越えた頃の、ぬるくなったコーヒーや冷めたランチのあの味、ああいう日常を歌わせたら天下一品みたい。あまりに平凡で、到底ドラマだなんて言えそうもない恋愛にだってBGMを付けることができるとしたら、それはきっとこんな音楽だ。
空気に余計な波を立てずに耳を奪う楽曲、なんでもない今日をチャーミングな1日へと演出してくれる音楽とはなんだろうか。それは、恋におしゃれに仕事に頑張る大人の女性が聴くFMラジオから流れるような音楽?それだって間違っていないのだが、正直それは気にくわない。そこでは音楽は主役ではないからだ。単なるイージーリスニングとそうではない音楽との最大の境界線は何なのだろう。
そういった意味でサンタラが見せてくれた答えとは、“音楽によって浮足立つこと”。そして、人生を今よりほんのちょっとウィットに富んだものにするということ。朝目覚めてから、また眠りにつくまでの全てをより鮮明に映し出す。今こうして文字を打つパソコンのキーボードの音や、コーヒーカップをテーブルに置いた瞬間の、ガラスと陶器が触れあったカチリという音までを完璧に演出しながらも、その言葉でもって、その渇いたギターでもって、ピリリと効かせたスパイスのように思考回路も刺激してくれるのだ。(島根 希実)
■Metro-Ongen
【通算5作目のフル・アルバム『EDEN』、堂々の完成!】
限りなく淡く、輪郭が不確かで曖昧なものに取り憑かれ、吸い込まれてしまうのは人間の性なのだろうか。“エデン”と言えば周知の通り、旧約聖書にて描かれた、神が人類の始祖アダムとイブのために設けた楽園のこと。だがその実態は非常に曖昧で、具体性と言えば“楽園”というキーワードだけだ。Metro-Ongenの5作目となるニュー・アルバム『EDEN』は、そんな曖昧な世界を淡い音色で鮮明に描き出してゆく。
2002年に結成され、MINAMI WHEEL2004では初登場にして入場規制が掛かったという、国内外に熱い支持を持つ男女4人からなるポスト・ロック・バンド、Metro-Ongen。昨年にはバンド・ポスターがNYコンペで金賞を受賞、VJを加えたライヴ演出なども行い、アート要素も非常に強い。約3年半振りのオリジナル・アルバムとなる今作は、昨年立ち上げた自主レーベルからリリース。BELLE & SEBASTIANやTEENAGE FANCLUBを手掛けたDavid Naughtonをプロデューサーに迎えている。優れた日本のバンドを探していたというDavid自身が、プロデュースを申し出たことをきっかけに共同作業が実現したそうだ。収録曲「Night Phlox」では、THE LILAC TIMEのNick Duffyがゲスト参加している。厳かな軽やかさを持つギターとキーボード、音の中で優しく滲む南 真方のヴォーカルと柔らかいコーラスが、まだ誰も立ち入ったことのない穢れ無き世界、まさしく“エデン”へとゆっくり誘う。シンプルなメロディとサウンドに宿るぬくもりに包み込まれてゆく。
だが楽園である“エデン”には、アダムとイブが口にしてしまった“禁断の果実”も存在するということを彼らは忘れていない。彼らの奏でる爽やかさの中には常に憂いが潜んでいるのだ。気付いたときには時既に遅し。人を惑わすような不思議空間に取り込まれ、完全に中毒になっていた。この世界、入り込めば入り込むほど理解不能である。だが別に理解するという行為さえもナンセンスに思ってしまう威力がある。
彼らが創生した『EDEN』。幻の世界なのか、パラレル・ワールドなのか、それともこの現実に存在する世界なのか……その正体は、Metro-Ongenのみぞ知る、と言ったところだろう。飄々としながらも、聴き手の想像力を過剰なまでに掻き立てる。巧妙な罠に掛かるのも一興。彼らの音に溺れていたい。(沖 さやこ)
■tokyo blue weeps
【tokyo blue weeps、この2人のどこまでも繊細な音作りには感銘を受ける。】
そもそもtokyo blue weepsとはどんな音楽ユニットなのか……?
小木戸 利光(Vo&Gt&和太鼓)、小木戸 寛(Ba&Vo&Piano)から成る兄弟ユニットで、toeの美濃隆章をエンジニアに迎え、約2年間の制作期間を経て放たれた今作が初のアルバムとなる。
タイトルの『Incarnations』(=直訳すると化身、肉体化)という意味のように振動や微量の電気などの目に見えない自然現象や、波、空気、雲、雨……どんなに科学が進歩しようとも操りきれない“自然”という存在が“音”という姿に変えて地球上に舞い降りた、そんな美しい音の並び。普段は神様なんて存在は信じないけれど、この音には神が宿っているのではないかとさえ思ってしまう。
インストであったり、英語詞、そして日本語詞……曲によって異なるアプローチを魅せ、Track.2「objection」では兄弟ならではの絶妙なハーモニーを聴かせてくれる。また波打つ力強いリズムが、この世が誕生したぐらい遠く昔に意識を持っていくトリップ感もあり、Track.4「the Village」では日本語で紡がれる故郷のぬくもりがピアノの柔らかな音に乗って届けられる。またTrack.7「lico」では後半に進むに連れて子供など女性、とにかくたくさんの人と共に“ラララ~”の大コーラス。壮大でダイナミックな楽曲に仕上がっている。そしてこのアルバムの最後を締めくくるトラック、その名も「after the festival」。お祭りが終わった後の現実に引き戻される感覚が胸を締め付け、古い8ミリ映画のようなノイズ音が寂しさをさらに駆り立てるのだ。
クラムボン等が使用している山梨県小淵沢のスタジオでレコーディングされたらしく、全体を通して自然豊かな風景が音にも十二分に落とし込まれている。
また、和太鼓が使用されているのが面白い。静かに燃える日本のスピリッツが優雅なピアノの音色と共に広がっている。ハッとするような展開と2人の息の合ったハーモニーに心を打たれ、とにかく澄んだ空気を纏った歌声は聴けば聴くほど沁みる。ブレス(息継ぎ)でさえ、新たな楽器のように聴こえてしまう。
2年間という制作期間はただ単に制作をした期間ではなく、たくさんのものを吸収して吐き出して、それがまたろ過されてこんなに美しいものを作り上げたのだろう。
和と洋がミックスされた新しいシューゲイズ・サウンドは私たちを崇高な世界にいざなってくれる。(花塚 寿美礼)
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