Overseas
THE STROKES
2011年03月号掲載
【Skream! 的ジャンル再検証企画】
ロックンロール・リバイバル~2000年代のロックンロール
2000年代の音楽シーンを大いに刺激した現象として忘れることができないものといえば、THE STROKESの大ブレイクが象徴的な<ロックンロール・リバイバル>と言われたムーブメント。全ロックファン待望のニュー・アルバムのリリースも決定した彼らを筆頭に、新たな時代ならではの<ロック>でリスナーのハートを打ち抜いたバンドの魅力を、Skream! 流の解釈で再検証!
――――――――――――――――――――――――――――
ロックンロール・リバイバルとは何だったのか?ここではTHE STROKESが齎した功績とも言えるあのムーブメントを振り返り、現代に流れる系譜をざっくりと追いかけたいと思う。
まず、彼らが本国アメリカよりもいち早くイギリスで火が点いたのはご存知だろう。01年当時のUKバンド・シーンには、ブリット・ポップの後遺症のような、祭りの後の静けさが漂っていた。そんな空気感とシンクロするように陰ある内省的な世界観を孕んだTRAVISやCOLDPLAYが台頭し、さらにRADIOHEADは“ロックはゴミ”と吐き捨てエレクトロニカ/音響系に可能性を見出すなど、とかく活気あるギターが鳴りをひそめていた。そんなムードに放たれたTHE STROKESのデビュー・アルバム『Is This It』の輝きは鮮烈だった。音楽的な革新性などない、正攻法として、ただひたすらに磨き抜かれたアンサンブルと鋭いソング・ライティングで描くダイナミズムを、クールに、そしてスタイリッシュに――。それは忘れかけていた、60年代のプリミティブなロックンロールの魅力を一瞬で呼び起こしてしまうものだった。
そこから“THE STROKES以降”と呼ばれるギター・バンドが堰を切ったように世界中から登場する。代表的な名を挙げると、THE WHITE STRIPES、BLACK REBEL MOTORCYCLE CLUB、MANDO DIAO、THE HIVES、THE VAINS、KINGS OF LEON、JET、そしてあのTHE LIBERTINESだろう。この勢いはアメリカまで波及し、THE STROKESは逆輸入でブレイク。出自であるNYも脚光を浴び、YEAH YEAH YEAHS、LIARS、RADIO4、A.R.E.WEAPONSなどエキセントリックな新鋭が登場した。このシーンはコンピレーションCD『Yes New York』で扱われているので、そちらもオススメしたい。また、遠因ではあるが、結果的にTHE WHITE STRIPESと共にUSインディーのメインストリーム化を後押しする形になったのは、後のTHE SHINSやMODEST MOUSE、ARCADE FIREの成功をも促したのではないか。リバイバルはその後ポスト・パンク/ニュー・ウェイヴと枝分かれしながらFRANZ FERDINANDやTHE FUTUREHEADSを生み、06年には最大の功績と言える、THE STROKESからの多大な影響を公言した新世代ギター・ヒーロー、ARCTIC MONKEYSに結ばれる。
THE STROKES自身どれだけ自覚的かは分からないが、『Is This It』は00年代を象徴するカウンターのひとつとなったのは間違いない。あのギター・リフは、タイトなビートは、ロックンロールは再び時代を揺り動かすことができる!と実証した。その後はロックンロール・リバイバルと叫ばずともギターが鳴り響いている。ふと、想い返す瞬間がある。“THE STROKESが登場しなかった00年代とはどうなっていたか?”……それは本当にゴミのようなロックが氾濫していただろう。(伊藤 洋輔)
■MANDO DIAO
THE HIVESに続けとばかりに、スウェーデンから2003年に登場したMANDO DIAO。ほぼ同時期に手に入れたTHE LIBERTINESの1stと彼らの傑作1st『Bring Em in』は当時本当に良く聴いていた。この02年から03年にかけての時期はロックンロール・リバイバルのハイライトと言っていいだろう。日本ではもはや伝説になっているSUMMER SONIC 03は入場規制になるほどの盛り上がりをみせ、昼2時前の出番にも関わらずまさかのアンコールを受けるほど圧倒的な人気を誇っていた。THE BEATLES meets SEX PISTOLSと言われていたように、初期は荒々しいロックンロール・バンドだったが、アルバムをリリースするごとにストリングスを取り入れるなど音楽性を広げていき、現時点での最新作『Give Me Fire』ではMANDO DIAO流ディスコ・ロックを展開。しかし、彼らの最大の魅力はソング・ライティングにある。それはTHE KINKSのRay Daviesを招いて行われたMTVによるアンプラグドで再確認出来るはずだ。(遠藤 孝行)
■THE LIBERTINES
“如何に醜態を晒そうと強烈な個性が人々を惹きつけてやまない”――そんな人物こそが真のヒーローである。いつの時代も完全無欠なヒーローではなく、賛否両論巻き起こす問題児への羨望は熱い。要するに、欠点があるほど愛おしく思えてしまうのだ。THE DOORSのJim Morrison然り、SEX PISOLSのSid Vicious然り。ドラッグに依存する弱い自分と、崇高な意識を掲げる気高い自分に揺れ動き、翻弄された彼ら。そんなナイーヴさが起爆剤となり、人間らしく繊細で大胆なサウンドへと突き動かす。現代における問題児と言えば、再起に期待の声が寄せられているTHE LIBERTINESであろう。Pete DohertyとCarl Baratが中心となって相反する精神の危うさを体現する彼ら。倦怠的無法者はどこか身近に感じられ、THE METROS(すでに解散してしまったが…)ら後続バンドに大きな影響を及ぼした。音楽性もスタイルも過度に洗練されているわけではなく、粗野すぎるわけでもない。若者流の気だるいフィルターで濾過されたサウンドは、オールディーズの“00年代等身大の解釈”と言えるかもしれない。(山田 美央)
■KINGS OF LEON
ゼロ年代にデビューしたいわゆるロックンロール・リバイバル世代のバンドで最も成功したバンドと言っていいだろう。THE STROKESのデビューから2年後に、アメリカ南部からデビューした当時はメンバーに10代が2人もいたのにも関わらず、髭面&長髪のルックスでサザン・ロックを鳴らすとても時代錯誤なバンドだった。しかしその後の彼らは音楽的好奇心を広げ、様々なサウンドを取り入れスケールアップして行く。80’sポスト・パンク的要素が強まりよりスマートになった2ndアルバム『Aha Shake Heartbreak』、そして、彼らの転機となったのは3rdアルバム『Because Of The Times』。今までの土臭さや南部よりのメロディ・ラインは残っているものの、強固になったサウンドとグルーヴ感。よりエモーショナルなヴォーカルになったのもこの頃からだろう。そのサウンドをさらに押し広げた『Only By The Night』では、グラミー3冠受賞し世界的成功を収める。その熱がまだまだ日本には伝わっていないのは惜しいが、ここまで心を揺さぶるロックンロールを奏でるバンドは数少ない。(遠藤 孝行)
■THE CRIBS
“ロックンロール・リバイバル”という言葉が至るところで叫ばれている昨今。THE CRIBSは、一際強引で、かつストレートな方法でロックの素晴らしさを私たちの前に突きつけてきた。08年、元THE SMITHのJohnny Marrをギターとして正式に迎え入れたのだ。それは、時代を越えたロックの融合を意味していた――自らの中に、80年代のソウルを取り込みながら。Jarman3兄弟を起点としたTHE CRIBSは、兄弟ゆえに似通ったツイン・ヴォーカルを取ることで、シンプルでチープな中に一つの音がダブっているような奥行を持たせていた。そんな流行に左右されることないローファイ・サウンドは、確かなキャリアを持ち合わせているMarrのギターと共存することで、よりリアルな体温を保ちながら、ポップに、パンクにと自由奔放なステップを踏むことができるようになった。運命のイタズラか、オルタナティブ・ロックの歴史に影響を与えたJohnny Marrが新世代バンドの内側からオールディーズとの橋渡しをすることになるとは誰が予想しただろうか。これが自由奔放なTHE CRIBS流“ロックンロール・リバイバル”なのだ。(山田 美央)
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