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INTERVIEW

Japanese

ニガミ17才

2018年06月号掲載

ニガミ17才

ニガミ17才

Official Site

メンバー:岩下 優介(Vo) 平沢 あくび(Syn)

インタビュアー:TAISHI IWAMI

-そうして、新作『ニガミ17才b』の絶妙なバランスが生まれたんですね。お洒落且つ変態、私の印象だとポップでフリーキー。

岩下:作った時期はバラバラなんで、作品としての統一性とかコンセプトはないんですけどね。

-平沢さんが思っていることをどんどん言うことも、大きく反映されているんだと思います。これまでの岩下さんのキャリアよりも、相手に寄り添って伝えることに対する意識はかなり高まっているように感じるんです。

岩下:そこは、だいぶ高まりましたね。あくびは歌い方まで言うてきますから。

-"ひとりでも多くの人に"とか、思ったりします?

岩下:ひとりでも多く、1枚でも多く、お金も欲しいし。

-みなさんが思っている、その先の目標は?

岩下:"NHK紅白歌合戦"です。まずはそこからですね。

-それ、わかります。嘘つきバービー時代からの、岩下さんのここまでの話にも出た変態性を残しながらも、80年代感、J-POP感、ファンクやディスコの香り、そのバラエティとポップ・センスが作品の肝になっていると感じたので。そこはどのくらい意識してましたか?

岩下:それはひとりひとりの個性が色濃く出て、それぞれが勝ってる感じですね。同じこと言いますけど、"カッコいい!"とか"お洒落! 変態!"みたいな、そこが判断基準なんで。

-岩下さんらしい変則的な展開もありつつ、コード感とメロディを大切にされてますし、サビがちゃんとある曲が多い。

岩下:変則的な展開はすごく好きなんですけど、キャッチーなサビってやっぱりひとつの大きなフックになりますし、あとはタツルボーイのコード感って、サビを乗せたくなるんですよね。

-2曲目の「もつれ」はタイトルの如くドラムの手数がすごい。

岩下:"MOTSURE OF THE DEAD"っていう歌詞のとおりゾンビの歌で、小銭のドラムがゾンビ化してるっていうイメージ。最初の方で、"曲はほとんど僕が作る"と言いましたけど、この曲だけドラムを完全に小銭に任せたんです。何も考えずに、空気は普段も読めないけどさらに読まなくていいから、赴くまま叩いてくれって。

-次の「ラブレター」もかなり個性的。最初に鍵盤だけがスピード感を上げて、あとでベースとドラムが追いついてくる。"頭の中に空白を求めなさい"という言葉がループして、まさに一心不乱になれますね。

岩下:この曲はアレンジが10パターンくらいあって、僕がLINEで何回送っても誰も何も言わなくて、最後の最後にちょっと怒ったら、タツルボーイが"一番新しいのでいいんじゃないか"って返信してきて、一応基本はそこに収まった感じ。もちろん細かいところは変わっていくんだけども、曲の骨格としてはその言葉で"はい、じゃあここらでやめましょう"って感覚。なので、ニガミのストーリーというか探り探りやっていた時期に完結したものということに意味があると思ってます。だから、どこでそうなったかとか、もうグチャグチャでわからなくて、鍵盤が先に16ビート気味で弾いてるものに、他のパートが追いついていくっていう展開もどこで生まれたのかわからないんです。

平沢:ライヴのときに、みんなと同じテンポでやると飽きる気がして、自分の中でちょっと速いのが気持ちいいんです。それをしれっとやってて、別に誰に何も言ってこないし、このままレコーディングすればいいんじゃないかって。ジャングルのイメージなので、小動物感も欲しかったし、そういうのも相まってこうなっていったんです。

岩下:一番古い曲なんで、レコーディングまでが長くて。ライヴでもやってたから、その所以は本人にしかわからないそれぞれのアイディアが散りばめられてるんだと思います。

-レコーディングのスタジオはどんな雰囲気なんですか?

岩下:あくびとふたりだけで交す言葉が多いんですよ。"ここは工場の空間って感じよね"、"あぁ、わかるわかる"みたいな。

平沢:工場でずっと同じ作業してるんだけど、(※自分の目線の上のあたりを指して)このへんはカラフルで、とか。

岩下:それをタツルボーイが見て"何それ? 音楽的に言うとどんな感じ?"って聞いてくる。

-私、わかるかもしれないです。ただ同じことを繰り返してるだけなのに、頭の中ではすごいこと考えてたりすることって、誰しもあるというか、常に心が整頓されてる人の方が少ないと思うんです。だから、ミニマルでもありダイナミックでもあるニガミ17才の音楽って、浸透性が高いんですよね。

岩下:僕は同じフレーズを流しつつ、そのループを美しく見せるやり方を思い浮かべながら曲を作ることが多いんです。「テクノロジーの鬼」とかはそうですね。社会の歯車になっている人たちへの応援ソングを作りたくて、でもそうはならなかったんですけど。