Japanese
LEGO BIG MORL
Skream! マガジン 2025年03月号掲載
2025.02.22 @LIVE HOUSE FEVER
Writer : 石角 友香 Photographer:宍戸明日香
LEGO BIG MORLが、7都市8公演にわたるツアー[LEGO BIG MORL『FROM 9 TO 25〜lego big morl tour 2009 "Quartette Parade"〜』]を、2月22日の新代田 LIVE HOUSE FEVERで完走した。今回は初めてのアルバム再現ツアー。それもメンバー4人だけで作った1stアルバム『Quartette Parade』を、完全に軸に据えたセットリストだ。バンドは2026年に結成20周年を迎えるが、19周年の今年だからこそ、集大成ではなく新しいチャレンジを選んだことに意味がある。初作の再現は回顧ではないのだ。
超満員のフロアはバンドの登場時からのファンも若い世代も混在。今、『Quartette Parade』をライヴでどんなふうに感じるのだろう? という静かで熱い興奮が、まっすぐ注がれる視線から窺える。メンバーがステージに登場すると、最近の並びとは違い、上手からカナタタケヒロ(Vo/Gt)、タナカヒロキ(Gt)、ヤマモトシンタロウ(Ba)という立ち位置なのもファンの期待値を上げている。大きな歓待の声、そして幕開けのようなヤマモトのフレーズが躍動し、アルバムの曲順通り「その時のこと」でスタート。大きな声のシンガロングではなく、思わず歌が口をついて出ている人もいる。ギター・リフが鳴ると、また歓声のボリュームが上がる。
それもそのはず、「FROM 12 TO 4」へシームレスに繋いだからだ。ポストロックやファンクを飲み込んで昇華する00年代後半のギター・ロックの特徴と、レゴ(LEGO BIG MORL)の試行が、レベルアップした今、鳴っている。サビ前にカナタが"FEVER(LIVE HOUSE FEVER)!"と煽ると、満員のフロアのうねりが大きくなった。さらにミニ・アルバム『Tuesday and Thursday』から「moonwalk for a week」の8ビートを挟んで、再び跳ねるビートの「ユリとカナリア」へ。こうしたナンバーで吉田昇吾(Dr/UNCHAIN)の資質がハマっていることを実感する。
カナタがファンのヴィヴィッドな反応を見て破顔一笑し、"最高! ファイナルなんで、もうこのセットはやらないからね"と言うと、大きな歓声が上がり、改めてファンの『Quartette Parade』に対する想いの熱さを感じた。"男性客も戻ってるな。どこ行ってたんや?"と笑わせるカナタ、そして"3月には19周年なんで、懐かしいだけじゃない未来を見据えての再現ツアーです"と改めて主旨を明快にするタナカの一言で、さらにギアが入った感じだ。
近づく3月を前に「三月のマーチ」がセットされ、季節感と共に繊細で青い心象が迫ってくる。さらに「所詮、僕は言葉を覚えたばかりの猿」。屈託や棘だらけのこの歌もファンにとってはアンセム並に普遍的なのだろう。突き抜けるサビで手が上がり、タナカのジャンプと共にフロアもジャンプする。カナタの"最高やん"の一言に少し感慨がこもっていた。
その後、ギター・バンド LEGO BIG MORLの初期衝動が2025年に蘇るようなセクションが到来。ソリッドなリフのファスト且つ変則的なビートの上をどこまでも伸びていくような声で牽引する「マイアシモト」で、空気を変え、この日の1つの大きなハイライトになった「A」へ。
ドラマチックなオレンジのライトが照らすステージに、タナカの光を示すような単音、カナタの哀感を帯びたコード、ヤマモトの鳴らす高音のフレーズのアンサンブルは、特段難しいことをしてるわけではないのだが、演奏で心を揺さぶる3人の変わらないスタンスを示しているようで感銘した。アウトロに向かうタナカ渾身のソロも素晴らしく、そのまま眩いばかりの音の壁から「dim」に突入。圧倒されながらも1、1、3拍のクラップも起こり、選りすぐりのファンの集結を改めて思い知った。
いい緊張感からゆるいMCへの急勾配は今の彼等らしく、カナタはソールド・アウトして満員でも、レゴのライヴはメンバーのデカさゆえ(フロアからステージの)なんらかが見える! とタナカが笑わせ、ヤマモトは19周年を前に"19年間使ってるものってある?"と2人に問いかける。なんでも彼は以前グッズで販売もしたボクサー・パンツを未だ愛用しているという。またグッズとして販売してほしい声が上がったが、"あれ、4,500円ぐらいするで?"という一言にどよめきが起こったのはステージ上もフロアもあけすけな(!?)安心感があった。
作った当時はクラップを促したりしなかったが、曲のポップさが自然とそれを起こすようになった「OPENING THEME」。ラスサビではフロアにマイクを向けるカナタの頼もしさが今を感じる。さらにイントロで歓声が上がったのは「Noticed?」。世界に対して虚勢を張り不安も抱えながら、自分の可能性を否定できない、今の年齢では恐らく書けないことがぎっしり詰まったこの曲が、だからこそ聴き手の何かを焚き付けるのだろう。"かかって来いやー!"と煽るカナタは火種に送られる風だ。加速する心拍数をさらに屈強な8ビート「cinderella syndrome」で上昇させて、「ワープ」に飛び込んでいく。サビの"明日の僕を追い越した/あれはいつかの僕だった"というフレーズに重ねられるここにいる人の数だけの想い。00年代の複雑化するギター・ロックの中でも、メロディに乗る言葉が確実にずっと残っている。そのことを特に実感したのがこの曲だった。
1stアルバムが愛され続けていることに謝辞を述べながら、再現ツアーと銘打ちながらも実際の心持ちは再現ではないと言うカナタ。そして繰り返すように未来を見据えるためのツアーだったと言うタナカ。それはここまでライヴを体験してきたことで、誰しもが感じたことだろう。ヴォーカルを再録しリリースしたことでも話題の「Ray」のイントロ、そして歌い出しの求心力。彼等の時間、経験同様にファンも重ねてきた時間と経験があるだろう。それでも究極のラヴ・ソングとして心を揺さぶられる澄んだ空間がそこにあった。大団円に相応しいこの曲が本編ラストではなく、さらに進んで行くイメージが広がる「nice to」を続けてセットし、LEGO BIG MORLというバンドの存在を誰もが全力で祝福した。
アンコールでは近作「謳歌!!!」も初期曲「テキーラグッバイ」も並置し、鳴り止まないダブル・アンコールの声に応え、カナタ1人が再々登場し、アカペラで「隣の少女と僕と始まり」をワンコーラス歌ったのだった。
すでに発表されているが、3月には東京、大阪で"LEGO BIG MORL WE ARE LEGO BIG MORL - 19th Anniversary Best Live -"が開催される他、続々とライヴが決定している。
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