Japanese
いきものがかり
Skream! マガジン 2024年12月号掲載
2024.11.02 @日本武道館
Writer : 藤坂 綾 Photographer:岸田哲平
今年11月3日に結成25周年を迎えたいきものがかりが、その記念日の前日11月2日、東京 日本武道館にてデビュー後初の弾き語りライヴを開催。路上からスタートして25年。原点回帰であり、集大成であり、新たな始まりとなったこの貴重な日を、全国各地から集まったファンと盛大に祝福した。
路上をイメージしたというステージに水野良樹(Gt/Pf)と吉岡聖恵(Vo)が現れると、大きな拍手が沸き起こる。2人が深く頭を下げると、その拍手はよりいっそう大きくなり、会場の温度が上がる。360°の客席をじっくりと見渡し、水野がピアノに着くと、「会いたい (2人 ver.)」でライヴはスタート。今年行われた"いきものがかりの みなさん、こんにつあー!! 2024 ~あなたと!わたしと!みんなで!歌いまSHOW!!~"のツアー・ファイナル、ぴあアリーナMM公演で初披露され、7月から全国8ヶ所で開催された"いきものがかり 路上ライブ~あなたの街でお会いしまSHOW!!~"で、ファンとともに育ててきた大切な曲だ。続く「SING!」で"今日はよろしくね、みんな"と言うと、吉岡は360°の客席を見つめ、手を振り、話し掛けるように歌う。一人一人に届くよう、真摯に、丁寧に。そして「ありがとう」。言葉の一つ一つにまで、音の一つ一つにまで命が吹き込まれたかのようで、全ての音が際立ち、身体の奥に染み渡る。想いはもちろんのこと、程良い緊張感もきっといいスパイスになったに違いない。
"改めまして、こんばんは、いきものがかりです!"とステージを走り回る吉岡。"路上ライヴ、武道館へようこそ"と満面の笑みを浮かべる水野。そしていつもの"こんにつあー!"のコール&レスポンス。一気に緊張がほどけ、いつもの調子になったところで、水野が初めて鍵盤で作ったという「ラブソングはとまらないよ」、吉岡が"この曲のファンです"と言う「Good Morning」、ドラムのキック音を録音し、そこに重ねて演奏した「夏空グラフィティ」を披露。手拍子も相まり、路上感が増していく。
タンバリン・ケースが置かれたステージ・セットのベンチに腰掛け、25年使用しているタンバリンにまつわる懐かしいエピソードを話した後は、結成当初から演奏していたという「赤いかさ」、吉岡がセンターへ移動して「くちづけ」へ。"路上ライヴをやっていると聴いてくださる方の集中がグッと高まる時間があって、空気がガラッと変わったりする。この路上を、全然違う空気にしたいと思います"と水野が言った通り、武道館の空気は一瞬にして変わり、情熱的で艶やかなギターと歌声にただただ聴き入る。
水野1人になったステージには椅子や譜面台が用意され、ストリングス隊が登場、再び水野はピアノに着く。"ペンライトを持ってる人は白にしてみてください。春から始まって、最後にその白が活きる曲に繋がります"とストリングスとピアノでインスト曲を演奏、白い衣装に着替えた吉岡がステージに戻り「コイスルオトメ」、「あなたは」、「SNOW AGAIN」で春夏秋冬を表現、美しい景色が広がる。そして今度はドラム・セットが運び込まれ、"立つポイント、次だよ"と引き続きストリングスも交え、「ドラマティックおいでよ」からはバンド・スタイルへ突入。"タオル回せるか!"と始まった「じょいふる」では武道館中にタオルが舞い、いつも以上にエネルギッシュなファンとのやりとりを見せる。"今日はおしとやかにいこうと思ったんだけど、爆発しちゃいました。みんなのおかげです!"と吉岡。その全てのエネルギーを出し切るかのようなパフォーマンスは見事で、曲が終わった後歓声と拍手がしばらく止まらなかった。
再びステージ上は2人となり、"ここに来るまで、どんな表情で待っててくれてるか分からなかったんだけど、ここに着いたとき貰えた拍手が大きくて、降ってくるみたいで、最初から感動してました。ほんとにどうもありがとう"と吉岡。続けて"明日で25周年になるからまた路上に戻って来たんだけど、その25年の中にもみんなの生活があって、生まれてない人とかもまだいて、あのタンバリン・ケース持って、ギター持って、今日こんなに賑やかな景色が、こんなにあったかい拍手があるとは想像してなかったけど、また一歩ずつここから進めるって思えたんで、これからもよろしくお願いします"と言うと、"路上は戻ってくる場所でもあるんだけど、僕等にとっては前に進む場所でもありました。今日は自分たち的には細かい挑戦がいくつもあって、新しいことをしようって一歩ずつ踏み込んだライヴだったと思います。それを温かく迎えてくださった皆さんがいることが、また前に進む力になります。ほんとにありがとうございます"と水野が感謝を述べた。
来年のアリーナ・ツアーを発表し、「からくり」を終えると、ステージ前に下りてきたスクリーンには「会いたい」の制作風景や弾き語りフリー・ライヴ・ツアーでのファンの姿が映し出される。スクリーンが上がると、ファンが書いたメッセージ・カードが花びらとなった満開の桜のオブジェがステージ中央に。そして、世武裕子をスペシャル・ゲストに迎え、水野とのツイン・ピアノで「会いたい(REC ver.)」。2人で始まった「会いたい」が、様々な想いを乗せ、広がりを持ち、武道館に優しく、力強く響き渡り、本編を終える。
アンコールで再びステージに戻った水野と吉岡。椅子が2つ用意されていることに触れ、"尊敬する方が特別に駆け付けてくれました"とスペシャル・ゲストの小田和正を呼び込む。デビュー当時、小田がデビュー曲「SAKURA」を取り上げ、"クリスマスの約束"に出演したことがあると話す水野。当時の様子を振り返り、その「SAKURA」と、「君住む街へ」を3人で。小田と吉岡の瑞々しいコーラス・ライン、そこにちらつく儚さ、切なさ、美しさ。「君住む街へ」の最後で客席に手を振る小田は、そのままピアノを弾く水野のほうへ身体を向け、最後の一音までを見届ける。音で出会い、人として深く繋がってきた様子が窺えた。そしてラストは2人で「タユムコトナキナガレノナカデ」。これまでを忘れることなく、地に足を付け、25年のその先へと進み始めたいきものがかり。"路上"という原点がある限り、これからも挑戦を続け、前へ前へと進んでいくのだろう。"路上"が2人にとってどういうものなのか、それを改めて知ることができたライヴであった。
■配信情報
"いきものがかり 路上ライブ at 武道館"
アーカイヴ配信:12月5日(木)12:00~12月19日(木)23:59
出演:いきものがかり
スペシャル・ゲスト:小田和正 / 世武裕子
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