Japanese
anewhite
Skream! マガジン 2022年03月号掲載
2022.02.20 @渋谷WWW X
Writer 蜂須賀 ちなみ Photo by Ryohey
バンドにとって初のフル・アルバム『2000's』をリリースしたanewhite。東名阪ツアーのうち、この記事では2月20日に開催された東京 渋谷WWW Xでのワンマンの模様をレポートする。なお、4月18日に振替となった大阪公演については、佐藤佑樹(Vo/Gt)が"めちゃくちゃいいセトリを持ってくので楽しみにしててください!"と言及していた。大阪公演に行く予定の人もこの記事を読んで想像を膨らませてもらえればと思う。
インスト曲「(874)」をSEにして入場したメンバー。最初の3曲はアルバム前半に配置されていたアッパー・チューンで、走り出しは軽快だ。anewhiteは歌モノのギター・ロック・バンドだが、その歌を担う佐藤だけでなく、ギターとキーボードの両刀使いでバンドのアンサンブルに彩りや熱量を加える河田一真、太い音のみならず佇まいもロック、且つ手拍子を促したりしながらバンドと観客を繋ぐ日原大吾(Ba)、佐藤が書く歌詞が好きだとインタビュー(※2022年1月号掲載)で言っていた通り、歌詞を口ずさみながら叩くことも多く、そのビートでバンドのテンションを引き上げる鈴木優真(Dr)と、4人それぞれに個性がある。そんな4人が互いに作用し合うことで生まれるanewhiteサウンド。佐藤の声質は繊細だが、バンドのサウンドに押しつぶされることなく、むしろ浮き上がってくる感じで、綿のようにやわらかい中身が膜か何かでコーティングされているイメージが浮かぶ。ゆえに歌詞も耳に入ってきやすく、歌詞表現を大事にしているバンドだからなおさら、ライヴでも言葉が聴き取れるヴォーカルは大きな長所になっている。曲によっては間奏でも言葉を詰め込み、聴き手に最後まで伝えようとする姿勢も印象的だった。
18曲を演奏したこの日は、anewhite史上最も長いセトリだったそう。バンドのことを歌った「2000's」や「for tune」が序盤で早くも登場したのは意外性があったが、バンドの物語を見せる以上に来た人に伝えたいメッセージがあったのだろうと、これ以降の展開に想いを巡らせつつ、「チョコレート・ハートレイト」のハード・ロックを思わせる分厚い音像に、自分たちなりのロックを模索中だという彼らのトライアルを垣間見た。久々にやる曲と語られた「curtain call」から鍵盤で曲間を繋げ「切言」に入るなど、ライヴならではのアレンジも盛り込みながら、『2000's』収録曲を中心に演奏しつつ、それだけでなく未発表の新曲も披露。その新曲「へんのはなし」を披露する際、"後半戦の1曲目は何をやると思います? 新曲をやります!"と楽しげに、そして誇らしげに話す佐藤の姿も微笑ましかった。
新曲初披露をきっかけに、クライマックスに向けて勢いづいていく。佐藤がハンドマイクに持ち替え、ある種ラッパー的に振る舞う「オールドスクール」に、同じく言葉で畳み掛ける「嫌いな花」を重ねることによって、鮮明になるギア・チェンジの瞬間。冒頭のギター・カッティングの時点で"あ、この曲だ"とわかる「カヤ」の強さ。そして2曲目の新曲「サナギ」がここで登場した。曲中佐藤が"このときはバンドでやるとは思ってなかった。でもまだまだいける! ついてきてくれますか?"と叫んだのは中2のときに作ったという「metro」で、その疾走感のまま突入したのは「群像劇にはいらない」。ジャーンと最後の音を鳴らしたと思いきや、その後何回か鳴らし、なかなか終わろうとしないところからもメンバーの高揚感は伝わってきた。
そんな展開によってバンドと観客が一緒に内から熱くなる。おそらくanewhiteの4人は、ライヴのセットリストを考えるのが――もっと言うと、今の自分たちが持つ手札をどのように切り、来てくれた人の想像をどのように超えていこうかと考えるのが好きな人たちなのだろう。MCは短くとどめ(毎週ラジオ番組を配信するほどおしゃべりが好きなバンドなのに)、曲を次々と演奏していく構成はストイックだが、メンバー自身に気張った感じはなく、きっと本人たちからすると"やりたい曲を全部やったらこうなった"くらいの感覚だ。コンテストなどで評価され、この日のチケットも即日ソールド・アウトさせるなど、勢いに乗っているが、本格的に活動し始めたのは2019年春とまだ始まったばかりのバンドだ。バンドで鳴らす楽しみや喜びを全身で実感し、ずっとワクワクしているようなその様子が眩しい。
本編ラストのMCにて、今日来た人も来ない選択をした人も間違いじゃないと思っていると語った佐藤。"正解だと断言することはできないけど、その選択をできるだけ正解に近づけたい。そういうライヴがしたいと思って今日来ました"。そう続けた佐藤の言葉は、本音から離れたことは言いたくないという真面目な性格や、バンドとしての覚悟を感じさせるものだった(そういった彼の人柄は各曲の歌詞からも読み取れる)。そうして演奏されたのは、もう一度穏やかな日々を取り戻せるようにという願いが込められたバラード「怪獣と光線銃」。ランプが灯るなか、佐藤の歌に河田の鍵盤が寄り添い、日原、鈴木の感情のこもったプレイがやがて合流する。アルバムでは「怪獣と光線銃」の次に収録されている「#928171」をエピローグとして河田がひとり奏でるなか、メンバーが捌けていくラスト・シーンまでバンドのこだわりが感じられた。アンコールでは河田のギターの音が出なくなるトラブルにより、演奏を仕切り直すひと幕もあったが、これも生ならではの醍醐味、ご愛敬ということで。"またライヴハウスでお会いしましょう!"(佐藤)という約束とともにライヴは幕を閉じたのだった。

[Setlist]
SE. (874)
1. ソフト
2. out of the blue
3. バケトナ
4. 2000's
5. for tune
6. チョコレート・ハートレイト
7. curtain call
8. 切言
9. へんのはなし10. オールドスクール
11. 嫌いな花
12. カヤ
13. サナギ
14. metro
15. 群像劇にはいらない
16. 怪獣と光線銃
En1. つんとくる
En2. ソワレの街で
- 1
LIVE INFO
- 2025.11.06
-
RADWIMPS
古墳シスターズ
ねぐせ。
超能力戦士ドリアン
吉澤嘉代子
TENDOUJI
東京スカパラダイスオーケストラ
THE SPELLBOUND
LEGO BIG MORL
LONGMAN
キュウソネコカミ
フィロソフィーのダンス
夜の本気ダンス
GLIM SPANKY / 神はサイコロを振らない / レトロリロン
礼賛
ブランデー戦記
- 2025.11.07
-
YONA YONA WEEKENDERS
コレサワ
Rei
SIX LOUNGE
古墳シスターズ
あたらよ
Chimothy→
NANIMONO
超能力戦士ドリアン
崎山蒼志
ザ・シスターズハイ
MONOEYES
インナージャーニー
PompadollS
LEGO BIG MORL
androp
reGretGirl
終活クラブ
フレデリック
DOES
brainchild's
LUCKY TAPES
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
- 2025.11.08
-
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
ねぐせ。
FINLANDS
フラワーカンパニーズ
NANIMONO
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
離婚伝説
PIGGS
終活クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
moon drop
キュウソネコカミ
eastern youth
wacci
Cody・Lee(李)
フレデリック
osage
怒髪天
優里
ASH DA HERO
irienchy × no more
パスピエ
MONO NO AWARE / ウルフルズ / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
向井秀徳 / the band apart / ラブリーサマーちゃん / サニーデイ・サービス / 石野卓球 ほか
ザ・シスターズハイ
藤巻亮太 / SHE'S / SOIL&"PIMP"SESSIONS / 寺中友将(KEYTALK) / CENT ほか
ビレッジマンズストア
- 2025.11.09
-
コレサワ
VII DAYS REASON
Mrs. GREEN APPLE
Laura day romance
ねぐせ。
NANIMONO
SUPER BEAVER
フラワーカンパニーズ
あたらよ
ズーカラデル
osage
FINLANDS
SCOOBIE DO
MONOEYES
SPRISE
Devil ANTHEM.
崎山蒼志
打首獄門同好会
キタニタツヤ
リュックと添い寝ごはん
LUCY
水平線
KANA-BOON
ラックライフ
暴動クラブ
東京スカパラダイスオーケストラ
chilldspot
インナージャーニー
ドミコ
森 翼
PompadollS
Appare!
キュウソネコカミ
eastern youth
Cody・Lee(李)
BLUE ENCOUNT
優里
岸田教団&THE明星ロケッツ
Rhythmic Toy World / BIGMAMA / LACCO TOWER / kobore ほか
ASIAN KUNG-FU GENERATION / SHISHAMO / 水曜日のカンパネラ / TENDRE ほか
シド
四星球 / ガガガSP / ハンブレッダーズ / ORANGE RANGE / ゴールデンボンバー ほか
Dannie May
a flood of circle
センチミリメンタル
怒髪天
- 2025.11.10
-
SUPER BEAVER
鶴
リュックと添い寝ごはん
The Gentle Flower. / kalmia / Halujio ほか
荒谷翔大
Helsinki Lambda Club
超能力戦士ドリアン
- 2025.11.11
-
PEDRO
Lucky Kilimanjaro / the paddles / Chilli Beans.
Age Factory×ジ・エンプティ
BIGMAMA
Laughing Hick
SAKANAMON
僕には通じない
Ado
- 2025.11.13
-
MONOEYES
ザ・クロマニヨンズ
PEDRO
東京スカパラダイスオーケストラ
あいみょん
YOASOBI
syrup16g × ZION
超☆社会的サンダル
さとうもか
Tempalay
キタニタツヤ
Rei
片平里菜
ドミコ
NEE
amazarashi
PENGUIN RESEARCH
Hump Back
- 2025.11.14
-
コレサワ
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
ポルカドットスティングレイ
SCANDAL×ハク。
CVLTE
Rei
フレデリック
WurtS
超☆社会的サンダル
NANIMONO
go!go!vanillas
FINLANDS
EASTOKLAB
フリージアン
ゴホウビ
緑黄色社会
- 2025.11.15
-
MOS
チリヌルヲワカ
SCOOBIE DO
ザ・クロマニヨンズ
the paddles
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
LiSA
東京スカパラダイスオーケストラ
離婚伝説
Cody・Lee(李)
SCANDAL / 水曜日のカンパネラ / YONA YONA WEEKENDERS / Jeremy Quartus(Nulbarich) / SIRUP ほか
YOASOBI
PIGGS
eastern youth
wacci
TOKYOてふてふ
超能力戦士ドリアン
ExWHYZ
CNBLUE
SPRISE
UVERworld
meiyo
Mrs. GREEN APPLE
フレデリック
ズーカラデル
ビレッジマンズストア
WurtS
すなお
NEE
暴動クラブ
崎山蒼志
フラワーカンパニーズ
リーガルリリー
THE BACK HORN
YJC LAB.
くるり
Nothing's Carved In Stone
"氣志團万博2025"
9mm Parabellum Bullet
INORAN
moon drop
PENGUIN RESEARCH
- 2025.11.16
-
SUPER BEAVER
LUCY
SCOOBIE DO
ザ・クロマニヨンズ
chilldspot
LiSA
秋野 温(鶴)
セックスマシーン!!
MOS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
Lucky Kilimanjaro
離婚伝説
YOASOBI
浪漫革命
BLUE ENCOUNT
Dios
超能力戦士ドリアン
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
ポルカドットスティングレイ
osage
CNBLUE
UVERworld
フラワーカンパニーズ
清 竜人25
NANIMONO
brainchild's
Cody・Lee(李)
Mrs. GREEN APPLE
Bye-Bye-Handの方程式
ザ・シスターズハイ×猫背のネイビーセゾン
eastern youth
Laura day romance
FOUR GET ME A NOTS × FILTER × THE LOCAL PINTS
ガガガSP / 打首獄門同好会 / bokula. / 日食なつこ ほか
Base Ball Bear
ぼっちぼろまる
ネクライトーキー / KANA-BOON / フレデリック / 夜の本気ダンス ほか
androp
"氣志團万博2025"
People In The Box
9mm Parabellum Bullet
wacci
- 2025.11.17
-
toe / LITE / ADABANA
SEKAI NO OWARI
- 2025.11.18
-
LITE
Rei
SCOOBIE DO
打首獄門同好会
SIGRID
さとうもか
Tempalay
THE ORAL CIGARETTES
Hump Back
SEKAI NO OWARI
森 翼
東京スカパラダイスオーケストラ
RELEASE INFO
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.08
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.17
- 2025.11.18
- 2025.11.19
- 2025.11.21
- 2025.11.22
- 2025.11.26
- 2025.12.03
- 2025.12.05
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号




















