Japanese
Gacharic Spin
Skream! マガジン 2018年06月号掲載
2018.04.15 @TOKYO DOME CITY HALL
Writer 荒金 良介
同日14時開演のDOLL$BOXX公演はフロアも黒一色のTシャツを着た人たちで溢れていたけれど、Gacharic Spin公演になると、黄色、ピンク、水色、赤色とカラフルなTシャツを着た観客ばかり。しかし、それを上回るメンバーのド派手な衣装、そのヴィジュアルさえも軽く飛び越えた運動量の激しいパフォーマンスに魅せられた。
ライヴ自体はF チョッパー KOGA(Ba)、はな(Vo/Dr)、TOMO-ZO(Gt)、オレオレオナ(Vo/Key)、パフォーマー1号 まいに加え、曲によってサポート・パフォーマーのガチャダンJr.の3名が参加し、総勢8名で観客を焚きつけていく様に深い感動を覚えたほど。"全力エンターテイメント・ガールズ・バンド"の大看板に偽りなし。ライヴを観終えたあとは、一緒にフル・マラソンを駆け抜けたような爽快感を味わった。ニュー・アルバム『G-litter』リリース直後となった今回のファイナル公演は、その最新作のボーナス・トラック「うんうんうんちくん」をSEにメンバーが踊りながら登場。
「KAKUHEN」で火蓋を切ると、早くも場内に熱いムードが立ち込める。続く「爆弾娘(ボンバーガール)」に入ると、ステージ花道にKOGA、TOMO-ZOが繰り出し、またパフォーマーも4人体制で魂を投げ打つ渾身の振付を披露。そしてふと目線を移すと、とりわけ笑撃が走るハンバーガーの衣装を着たオレオレオナが鍵盤に足を上げ、痛快なソロを弾く攻めっぷりだ。続いて「Never say never」では6本のスモークが噴出し、まいが花道で全力を振り絞って曲を盛り上げる様にも胸が熱くなった。最新作収録の「ジェネレーションギャップ」においてはオレオレオナがリード・ヴォーカルを務め、全世代を串刺しにするパーティー空間を瞬時に作り上げる。それから「向かい風」、「夢喰いザメ」を経て、メンバー5人が横一列に並ぶと、「最後のピース」、「白がこの街と僕を染める」をアコースティック・セットで披露。はな、オレオレオナのヴォーカル/ハーモニーの美しさは絶品で、観客の心をグッと鷲掴みにしていた。
中盤に"(最新作)オリコンデイリー8位、ありがとうございます!"とKOGAが感謝の言葉を述べると、そこから「your place」、軽快なラップを導入した「愛Scream」、TOMO-ZOのキュートな歌声が炸裂したポップ・ナンバー「ドレミファンタジック」を投下。その後、はなのドラム・ソロではカウベルつきのヘルメットを被り、観ても聴いても楽しいエンタメ性を発揮する。
後半はアッパーな「赤裸ライアー」、真夏の高揚感に満ちた「ハンティングサマー」、オレオレオナがリード・ヴォーカルを務める「ズバリ発情期!」も異様な盛り上がりを記録。さらにTOMO-ZOがリード・ヴォーカルを取った「年齢不詳の魔女になりたい」ではマジカル・ポップな光を放ち、会場の隅々まで至福のオーラを届けていた。そのあとは「Redline」、「シャキシャキして!!」、ラスト曲「ダンガンビート」ですべての観客をお祭り騒ぎの熱狂に誘い、本編終了。アンコールでは"1曲だけまだやってない曲がある"とKOGAが言い、「Peacefully」を初披露。曲名どおりにピースフルなヴァイブスで会場を包み込むと、最終曲「ゴー!ライバー」をプレイし、全22曲2時間半に渡るライヴを無事完走。お昼に開催されたDOLL$BOXX公演を踏まえると、今日の達成感は格別だったに違いない。総勢8人がステージに並ぶと、全員が清々しい笑顔を浮かべる一方で、感極まって涙ぐんでいるメンバーもいた。バンドにとっても、ファンにとっても、忘れられない1日になったことは言うまでもない。
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