Japanese
GOING UNDER GROUND
Skream! マガジン 2011年06月号掲載
2011.05.04 @日比谷野外大音楽堂
Writer 道明 利友
苦楽を長らく共にしたメンバー伊藤洋一の卒業公演となった、涙のライヴから2年――。その間に経た様々な想いを、2年ぶりに立った野音の舞台からファンへ彼らは伝えた。
松本「ありがとう日比谷! このアルバムが出て、日比谷野音でツアー・ファイナルやって、俺、あと10年は確実にバンドやるって決めましたから。今日のこの野音のライヴ、あと10年たったときに、今日来てくれた人達が“俺、あの10年前の復活したゴーイングの野音に行ったんだ!”って自慢できるようなライヴにするんで、よろしくね!」
各メンバーのソロ活動と並行して、GOING UNDER GROUNDとしてのさらなる道を模索してきた現在までの道。ついに完成した彼らのニュー・アルバム『稲川くん』は、「正直俺はバンド辞める気があった」と松本が言うほどの葛藤を経て完成した、“所信表明”と言ってもいい言葉をメンバー自身にあらためて高らかに宣言するほどの会心作だ。そこからの新曲はもちろん、“10th Anniversary Tour”の冠にふさわしく、バンド結成からの10年間を凝縮して網羅するかのような楽曲たちが今回のツアーでは輝きを放った。
新曲群から印象的だったシーンからピックアップするなら、まずは、「色々な浮き沈みがあった2年間の、一番の“沈み”の時期に作った曲」と松本が曲紹介した「詩人にラブソングを」。「ねぇMaria、生きることはきれいごとじゃすませないな――」。きれいごとだけじゃこの世の中を生きられないっていうことは、誰もがみんな分かっている。分かっているからこそ、人生の悲喜を音楽で描く彼らの音色と言葉に、僕らは心を動かされる。サポート・キーボードHARCOを加えた5人の声が、勇壮なハーモニーとなって空へ吸い込まれたのは「名もなき夢」。ギター、ベース、ドラム、キーボード、全ての音が一体になって奏でるリズムとともに、メロディも力強く響く。あきらめない、あきらめない、悲しくはない、悲しくはない、あきらめないで行け――。この2年の苦闘と、その先に見た希望を歌っているような場面、めちゃくちゃ胸に染みた!
松本「この日を待ってたんだぜ! 悔しかった2年間を越えて、悲しかった2年間を越えて、一緒に歌ってくれ日比谷!」
胸いっぱいの想いを託した叫びに続いたのは、「ダイアリー」だ。リード・ヴォーカルを託されたファンがすぐさま応えて大合唱した1曲をはじめ、「ボーイズライフ」や本編を締めくくった「ハートビート」、etc……。これまでのライヴでもファンとの絆を作り続けてきたナンバーは、もちろんこの日も大きな大きな一体感を生んだ。初めて会ったかた! 何度も会ったかた! これがGOING UNDER GROUNDのライヴですよ! もっともっと歌いましょう!メンバーが歌うコーラスとドラムロールをバックに、松本はさらに叫ぶ。まさしく“ハートビート”の名のもとに、心躍らせる音楽が、そして、笑顔があふれるGOING UNDER GROUNDのライヴ――。その真骨頂を、この日のライヴを観た全ての人は間違いなく感じたはずだ。
と、全編に名場面続出だったライヴのハイライトは、最後まで続く――。アンコールでステージに招き入れたゲストはなんと、伊藤洋一! 2年前にお互いの道を選んだ友との再会の1曲は、記念すべきメジャー・デビュー・シングル「グラフティー」。伊藤はタンバリンを手に活き活きとステージを駆け、それを笑顔で見守るメンバーの演奏も、当時のライヴと変わらない瑞々しい雰囲気に満ち溢れていた。この先の10年後も、もっと先にも、この日と同じ素晴らしき“ハートビート”を何度でも感じさせてもらいたい。これからも頼んだぞ、GOING UNDER GROUND!
[ 2011.05.12 UP DATE] ライター:伊藤 洋輔によるレポートはこちら
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