Japanese
ササキコウジ
2023年12月号掲載
懐古的な親しみやすさと、斬新な実験性を持ち合わせた神奈川県横浜市出身のシンガー・ソングライター ササキコウジ。これまで発表した楽曲はすべて配信限定だったが、SNSでその独特の世界観に反応した音楽ファンの書き込みがじわじわと増え続け、このたびCD販売店から直接のオファーがかかり、自身初のCDとして2ndアルバム『心奥の森で』が全国リリースとなった。"自分の心の奥深くにある小さな森"を表現したという本作について訊くべく、メール・インタビューを実施した。
-Skream!初登場になります。自己紹介をお願いします。
Skream!をご覧のみなさま、初めまして。ササキコウジと申します。29歳、男です。ギターを弾いて歌っています。よろしくお願いいたします。
-音楽性について教えてください。
自分の音楽性についてちゃんと言葉にするのは難しいけど、懐古的でありながらも新しいものを作りたいという思いはあります。これまで影響を受けてきた音楽を自分の感覚で咀嚼して新しいものを作りたいというとても単純な気持ちです。なのでジャンルや音楽性はリスナーの人たちが勝手に決めてもらって構いません。
-どのような音楽に影響を受けていますか?
僕は年代で分けて聴いたりしないので結構バラバラですが、好きな音楽はTHE BEATLES、 THE VELVET UNDERGROUND、Joni Mitchell、Nick Drake、THE STROKES、TALKING HEADS、Judee Sill、Bill Evans、Thelonious Monk、スピッツ、andymori、BUMP OF CHICKEN、ゆらゆら帝国、ふくろうず、カネコアヤノ。挙げるとキリがないですがこんな感じです。
-2ndアルバム『心奥の森で』のフィジカル・リリースおめでとうございます。今の心境はいかがですか?
安心に近い感じですかね。1stの『素晴らしい日々』(2022年リリースのアルバム)、そして今回の2nd『心奥の森で』と配信でリリースを重ねてきましたが、なぜだかあまり実感がなくて、今回CDという形になって自分の手元にプレスとして上がってきたとき初めて"あぁ、俺アルバムを出したんだな"と。あまり言葉にはしなかったけど、10年間これを目標に頑張っていたんじゃないかなと思います。僕が10代の頃はまだApple MusicやSpotifyなどのサブスクもなくて、今みたいにSNSで自由に発信することもできなかったので、何をどうしたら自分の音楽を人に聴いてもらえるのかわからない時代でした。ライヴでしか人に聴いてもらえないのが苦痛でした。今は誰でも簡単にSNSやクラウド上に曲をアップできるし、良くも悪くも便利なツールが増えてきて実際に自分もそれらのツールを使って音源をアップしたこともあったけどそれでも結局満たされないというか。やっぱりちゃんとCDという形で、誰かに見初められて小さなレーベルでもいいからそこから発信するというのが性に合っていたんだと思います。今の時代CDプレーヤーがあるご家庭のほうが珍しいかも知れないけど、ぜひお手に取って聴いてもらえると嬉しいです。
-『心奥の森で』のテーマやコンセプトを教えてください。
誰しもが理想と現実の狭間でなんとなく納得したり喜んだり悲しんだり夢に迷ったりして、そんな自分を肯定してあげたいし、ありのままでいれない自分が美しいんだから、そのままでいいよって言いたくて。テーマやコンセプトっていうか、僕の曲はエッセイに近くて、自分の過ごしている環境とか今触れたもの、聞いたものを自分の感覚で咀嚼して還元してる感じですかね。あと個人的に音楽を始めて最初の10年間はまったく曲が書けず、3年前くらいからポロポロと書けるようになってきてだんだんと曲数が増えてきたので、この曲たちを今、新鮮な感覚のままリリースできたらと思ってました。タイトルが少しスピリチュアルなのでものすごくコンセプト・アルバムっぽいんですけど、至って普通のアルバムです。
-『心奥の森で』の制作にあたって作曲で意識した点や、苦労したポイントはありますか?
今回はわりと歌詞先行だったので、その言葉が欲してるメロディ、歌っていて言っていて一番気分がいいところを手探りで探しながら待つ、そんな感じでした。あとはその頃ジャズをよく聴いてたのでエッセンスとして加えたいなと思っていました。「Kiss」、「Image!」とかはメジャー・セブンスやナインスを多用しているし、メロディの途中で転調させたりいろいろ実験的にやってみながら、それもこの言葉には合わないなと思ったらボツにしちゃったりして。ボツにしちゃった曲も他の歌詞に合わせたら意外と良かったりして、いろいろやればやるほど身体が覚えていく感覚がありましたね。僕は完全に感覚派です。理論的なことは一切わからないので。今回に関しては苦労という苦労はなかったですかね。
-収録曲で思い入れのある楽曲や気に入っている曲はありますか? 理由も含め教えてください。
「Kiss」はアルバム制作に入って最初に書いた曲なのでよく覚えています。特に変わったことをしたいとかは思っていなかったし、曲作りの方法を変えたわけでもなかったんだけど、デモができあがった瞬間は"これは変な歌だな"と思って。すぐにレーベル・オーナーの原(朋信)さんに聴いてもらったら"この曲意外とセンセーショナルでキラーチューンになるかも"と言ってくれて意外でした。その言葉が自信になって、そのあとのアルバム制作に励んだのを覚えています。当たり前だけど自分の自信作が他人にとってはそうでもなかったり、またその逆も然りなのだなと。「Kiss」は各種サブスクでいろんなプレイリストに入れてくださって、初めて僕の音楽を聴くきっかけになった方も多いかと思います。それがこの曲で良かったと思ってます。
-「Kiss」にはMVもあります。こちらの見どころを教えてください。
これもレーベル・オーナー 原さんの提案だったと思います。ずっと顔だけを映すのが面白いかもって言ってきて。SNSのショート動画をポンポンスワイプしながら観ているときに、何か歌を歌ってる知らない人の顔がアップで映し出されたらほんの少し目に留まるんじゃないかと。見どころはあまり自分の顔って言いたくないんですけど、僕以外の人間が映っていないので僕の顔ということにしときます。あとは曲の終盤、エンディングにかけていろんなカットを織り交ぜた編集も素敵なので、ぜひ観てみてください。山神(之音)先生炸裂です(レーベルのデザインやイラスト担当。ドラムも叩ける)。
-MVの撮影で印象深かったことはありますか?
夏の暑い日で風がやけに強くて熱風が吹いていて最悪の撮影日和だなと思いながらやってましたね。撮影場所は綾瀬で街をブラブラしながら、この草がたくさん生えてるところ絵になりそうだから背景にして撮ってみようとか、めっちゃ行き当たりばったりでした。結果的にはあの「Kiss」のMVは普通の歩道で撮りました。後ろに公園の木や草木が生い茂ってるだけで実際に森の中に行って撮影したわけではありません。原さんが上手く撮ってくれました。いろんなロケーションを探しているうちにみんな暑さでヘロヘロになって、途中、喫茶店に寄ろうと店内に入ったら満席で断念し、ケンタッキー(フライドチキン)に行ったら人もまばらだったので、そこで少し涼んだりご飯を食べたりしたのをなぜだか昨日のことのように覚えています。撮影の云々よりも休憩時間に話したこととか、みんなの表情とかそういったことのほうが思い出せるのはなんででしょうね。
-リリースやライヴなど、これから予定されている活動はありますか?
自分たちで企画したライヴをやれたらいいなと思っています。僕を観に来てくれたお客さんとアットホームな空間で一緒にライヴを作りたいです。ずっと人前に立つのは億劫だったんだけど少しずつたぎってきたので近々やりたいですね。あとは海外の小さなフェスとかに出てみたいな。楽しそう。旅行も兼ねて。これはあまり現実的ではないけど。誘われないと無理ですし。企画ライヴは実現させたいなと思っています。楽曲リリースに関しては、すでに3rdに向けて始動しています。どうなるかまだまったくわからない段階ですがいつかみなさまになんらかの形で届けられるように、これからも曲は作り続けたいと思っています。
-今後の展望や目標とする場所はありますか?
映画の主題歌とかやってみたいです。理由はシンプルに映画が好きなので。大きなスクリーンでかかるような映画もいいですが、ミニ・シアターで、そこでしか観れないような映画の主題歌。自分がやることは今もそしてこれからも変わらないと思います。目の前のことを一生懸命やってその時々の小さな目標をクリアしていくこと。それは制作だったりライヴだったりプロモーションだったり。それを繰り返さないと遠くへは行けないと思ってます。また今回Skream!さんに取材していただいたように(ありがとうございます)まずは知ってもらうことがとても大切だと思うので、プロモーションにはさらに力を入れてやっていきたいなと思っています。
-最後にSkream!読者にメッセージをお願いします。
ここまで観てくださった読者のみなさま本当にありがとうございます。インタビューそのものが初めてだったので緊張しましたが僕が僕と向き合えるとても貴重な時間になりました。そして今これを見てくださってるあなたといつかどこかでお会いできる日を楽しみに僕も頑張ります。
RELEASE INFORMATION
ササキコウジ
2nd ALBUM
『心奥の森で』
CAFE-0085/¥2,750(税込)
[Cafe au Label]
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