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INTERVIEW

Japanese

"AVENGERZ!!"座談会

2022年06月号掲載

"AVENGERZ!!"座談会

ムラマサ☆、midnightPumpkin、少年カミカゼ、ketchup mania、HOI FESTA、CHERRYBLOSSOM――2000年代後半のシーンを彩った女性ヴォーカル・バンドが再集結。各バンドからの選抜メンバーがAVENGERZ!!名義で各バンドのヒット曲やライヴ・アンセムを披露するライヴ・イベント"BACK TO THE TUNE PARTY"を、5月、7月、9月に大阪、東京、名古屋の3ヶ所で開催する。それを記念して、ヴォーカリスト6人の座談会を実施。イベントに託した思いや00年代後半の女性ヴォーカル・バンド・シーンの思い出を語りあってもらった。

少年カミカゼ:和教(Vo/GUNIXのK-BOM(Vo/Prog)) SaCo(Vo/ホシミッツ)
ムラマサ☆:ユミ(Vo/エイリアンズのYUMI)
midnightPumpkin:MAYA(Vo) wakana(Vo/ペパーミント)
HOI FESTA:あち(Vo)
インタビュアー:山口 智男

-ひょっとしたら、はじめましてという読者もいるかもしれないので、まずおひとりずつ自己紹介と近況報告からお願いします。

和教:少年カミカゼの和教です。今はGUNIXというバンドをやってます。

SaCo:少年カミカゼのヴォーカル、SaCoです。今はホシミッツというバンドのヴォーカルをしています。

ユミ:ムラマサ☆のユミです。今はエイリアンズというバンドをやってます。

あち:HOI FESTAのヴォーカル、あちです。今は、バンドはしてなくて、主に主婦みたいな感じです(笑)。

MAYA:midnightPumpkinのMAYAです。最近は、ストレスなく暮らすことを目的に生きてます(笑)。

wakana:midnightPumpkinのヴォーカルのwakanaです。今は一応、ペパーミントという名前でソロで音楽活動しているんですけど、子供が生まれたばかりなので、最近は主婦です(笑)。

-ありがとうございます。さて、5月の大阪 アメリカ村 BEYOND公演と7月の東京 下北沢SHELTER公演は、あっという間にソールド・アウトしてしまったそうですね。

ユミ:嬉しいですよ。それぞれのバンドが活動を止めてからかなり年数も経っているので、お客さん、ほんまに来てくれるのかなって正直思ってました。

和教:最初は、もっと小さいところでやったほうがいいんじゃないかと言ってたくらいなんですよ。そしたら一瞬で売り切れたので、もっと大きなところでやればよかったと後悔してます(笑)。

MAYA:大きいところでってなると、プレッシャーもかかるから、これくらいのハコがちょうど良かったと思います(笑)。

和教:追加公演の名古屋CLUB QUATTROは、大阪と東京よりも大きいですけど、wakanaの力を借りて、ソールド・アウトにしたいと思ってます(笑)。

SaCo:頼んだよ、wakana!

wakana:やめて、やめて。ほんと、"いいの!?"って思ったもの(笑)。

-wakanaさんは名古屋公演のみの参加で、そこではmidnightPumpkin本来のツイン・ヴォーカルが復活するわけですね。

SaCo:和っぺ(和教)の誘い方がうまいんですよ(笑)。私は和っぺから誘われたんですけど、"ユミちゃんも誘ってて"って言うから、ユミちゃんが出るんやったら出ようと思いましたもん。

和教:でも、あちはSaCoちゃんからだったよね?

あち:そう、SaCoから去年のクリスマスに電話を貰ったんですよ。話を聞いて、即答しました。すぐにHOI FESTAのミナミ(Ba)に連絡したら、その場でOKって言ってくれて、ふたりで"クリスマス・プレゼントだね"って言ってました。

和教:わー、いい話。

あち:SaCoタクロースだねって(笑)。

MAYA:私はLINEで和やん(和教)から連絡が来たんですけど、"やることになったらやる?"って軽いノリだったから、"実現したら面白そうだね"って返信したら、とんとん拍子で決まっていって、早っ! って思いました。

-今回、出演する6バンドは当時、仲が良かったんですよね?

和教:ライバルでもありつつ、めちゃ仲良かったです。6バンドで揃って一緒にってことはなかったので、それも新鮮で、ほんとに面白いイベントになると思ってます。

ユミ:今回また、こうやってできるのはめっちゃ楽しみです。

あち:当時、ライヴに来てた中学生とか高校生とかだったお客さんもみんなパパ、ママになってると思うんですよ。もしかしたら、お孫さんがいる人もいるのかな(笑)。

和教:チケットを買ってくれた人の統計を取ったら、あちが言ってくれたように見事に30代で。

あち:パパ、ママになった子たちが子供を連れてこられるように夜だけじゃなくて、昼公演もやるんですよ(※名古屋公演は夜のみ)。

和教:ミッパン(midnightPumpkin)、CHERRYBLOSSOM、カミカゼ(少年カミカゼ)は復活ライヴをやってるけど、ムラマサ☆とHOI FESTAはやってないから、めちゃめちゃレアだと思います。

-ライバルでもありつつ、仲が良かったと和教さんはおっしゃいましたが、当時のお互いの印象は?

wakana:ムラマサ☆とはお互いにデビューする前にムラマサ☆の"m"とmidnightPumpkinの"m"で"m&m TOUR"って言って、一緒にツアーを回ったんですよ。そういう思い出もあるし、HOI FESTAはやっぱり、いい意味でアホなメンバーが多くて(笑)。あちのことじゃないよ。うちらもバカなことが大好きだったので、仲間って感じが強かったですね。カミカゼとはCD(『L.A.U.G.H.I.N'』)も出したので、それも特別な感じがありました。

和教: midnightPumpkinは女性メンバーが多いから、あのときは、こんなにレコーディングって楽しいんだと思いました(笑)。

SaCo:"なんか、いい匂いがする"って言ってたよね(笑)。

MAYA:カミカゼとコラボした「L.A.U.G.H.I.N'」のMVに、メンバー全員がわーってなるシーンがあるんですけど、和やんがガチで体当たりしてきたときは本気で殺してやろうと思いました(笑)。

-和教さん、憶えてます?

和教:いやぁ、楽しかったという記憶しかないです(笑)。

-他のみなさん、いかがですか?

SaCo:ムラマサ☆は別格でしたね。ユミちゃんは当時、そんなに気軽に......歳は近いんだけど、"ユミさん"みたいな。"ユミちゃん"とは当時は呼べへんかった。今は仲いいけど、すごい先輩な感じがしました。

ユミ:そんなこと全然思ってなかったから、今、すごい申しわけない(笑)。

-ユミさん、当時を振り返っていかがでしたか?

ユミ:ムラマサ☆の初めての遠征がミッパンの地元の名古屋で、ミッパンもいるライヴだったんですけど、ミッパンはワイワイしているバンドでしたね。人見知りが多かったムラマサ☆が、それでも仲良くしてもらった大阪以外の唯一の友達って感じだったんですよ。

MAYA:人見知りだったっけ(笑)? ユミちゃんたちから話し掛けてくれた記憶があるんだけど、違った?

ユミ:すごく頑張ってたんだと思う。大阪以外で友達作ろうって(笑)。

-女性だから共感できたとか、仲間意識が芽生えたとか、そういうところはありましたか?

SaCo:ムラマサ☆、ミッパンは男女混合だったから、(他のバンドに対して)他に女の子がいていいなぁと思ったことはあります。

MAYA:男性だけのバンドと対バンするときよりも安心感はありましたね。初めてカミカゼ、ムラマサ☆、HOI FESTAに会ったとき、初対面じゃないという感覚がありました。

-ツアーになると、女性は男性よりも大変なことが多いんじゃないかと思うのですが。

SaCo:あった? 私は全然なかったよ。

あち:大阪の線路の下にあるライヴハウスでカミカゼとやったことがあったんだけど。

SaCo:LIVE SQUARE 2nd LINEだ。

あち:そうそう。そこでSaCoが男のメンバーがいる中でばっと着替えたときは、あぁ、そうなるよねって思ったよ。どこかに行って着替える時間もないし、他のメンバーも待ってくれないし。

ユミ:ムラマサ☆とミッパンは女性の比率が高いからそれはなかったな。

あち:移動中の車の中も男とか女とか関係なく雑魚寝だし、女を捨てないといけないって感じだし。

SaCo:あー、それはそうだね。

あち:ステージに立っているときは女性ヴォーカルとして見られてたけど、それ以外、ツアー中は男の一員みたいな感じだったし、そうじゃなきゃ一緒にツアーできなかったし。土地勘のないところに行って、どこに行ったらぱっとお風呂に入れるかわからないと、男のメンバーはだいたい入らなくてもいいやってなるんですよ。そんなときは自分も我慢しなきゃいけないよねってことを、紅一点ヴォーカルの子と共感しあったことはあります。