Japanese
見田村千晴
Interviewer:三木 あゆみ
シンガー・ソングライター 見田村千晴が、1年9ヶ月ぶりのパッケージ作品となるミニ・アルバム『Marking』を完成させた。ストレートな言葉と歌声で、これまでも"今"の自分を作品に閉じ込めてきた彼女。今作は、コロナ禍の目まぐるしく変化していく環境の中で改めて向き合った自分自身のこと、揺れ動く感情、その時々に感じたことなどを、これからも覚えておくための備忘録として記した作品となる。また、今回は彼女が制作から編集まで手掛けた超充実のパンプレット"完全解読本"が付属する限定盤も発売。見田村千晴の思想や人柄も窺い知ることができる今作について、本人に話を訊いた。
-このたび、1年9ヶ月ぶりのパッケージ作品となるミニ・アルバム『Marking』がリリースされます。作品が完成しての今のお気持ちを教えていただけますか?
作品が完成して、すごく嬉しいです。私は曲を作ることへの苦手意識がずっとあるので、自分にとって曲を作ることって毎回すごくハードルが高いんですけど、こうやって作品が完成して、よく頑張ったなっていうか(笑)。嬉しいですね。
-まずはホッとした気持ちがあるというか。
はい。そうですね。
-今作はコロナ禍の中で感じたことを、備忘録としての意味も含めて"記す"ことを選んだそうですが、ご自身の中で記すべきだなという想いが最初からあったのでしょうか?
記すべきというか、自分がすごく忘れっぽいので、覚えておきたいなという気持ちが強かったんじゃないかなって思います。例えば、すごく嬉しいことがあって、この気持ちは一生忘れないだろうなと思っても、ちょっと嫌なことがあるとすぐに忘れて、今一番自分が不幸だとか、そういうふうに考えちゃったりするんです。たぶん一生に、もう二度と経験できないであろうコロナ禍に直面している今の状況も、忘れるだろうなと思っていて。でも、一日一日変わっていく気持ちとか、忘れたくないなって思うので、記すことを選びました。
-今作は個人的にも、ハッとさせられる部分や共感できる部分がすごく多い作品でした。昨年末に先行配信された、1曲目の「Judgement」は、自分の中にあった正義感のようなものが、もしかしたら視野が狭い考えなんじゃないかと気づいて......ということが書かれているのかなと思うのですが、改めてこの曲に込めた想いを教えていただけますでしょうか。
私はもともとハッキリしてるのが好きなので、やっぱり白か黒かになんでも分けたくなっちゃうし、これはこうって決めたくなってしまうんです。それを長所だと思っていたんですけど、実は全然そんなことなくて。視野が狭い部分とか、考えることをやめてしまったりとか、許す度量がなかったりとか、そういう自分に気づくことが最近多かったんです。その大きなひとつのきっかけになったのは、たぶん映画の影響で。コロナ禍になって、2020年4月から、友達のシンガー・ソングライターの宇宙まおちゃんとPodcast("女ふたり、映画のばなし")をやっていて、お互いに映画が好きなので、映画についてひたすら喋っているんですけど。毎週課題の映画を1本決めて、それについて話すので、よりいっぱい映画を観るようになったし、ただ観るだけじゃなくて、それについてしっかり話すっていうのを繰り返していくなかで、自分の世界がすごく広がったなって。それも自分の中では大きな変化だったんじゃないかなって思います。
-"突き刺さったブーメラン/ちゃんと痛くて嬉しい"の一節も印象的で、そういうご自身の世界が広がったことに対しての喜びみたいなものもあったのでしょうか?
そうですね。これは私がよく言っていることなんですけど、自分のことって自分が一番わからないというか。どう頑張っても客観的に見れないし。だから、見失わないように、客観的には見れないけど、見たいという気持ちはいつも持っていたいなと考えているんです。自分のことを観察することは大事だなと思いますね。
-同じく先行配信された「記す」はミニ・アルバムの作品名とも繋がるように、今作の鍵となる曲なのかなと思いました。今作の中ではあとのほうにできた曲ということなのですが、2020年の当時を振り返りながら書いていったのでしょうか?
はい。これは2021年になってから作った曲で。2020年の3月から8月くらいの間は、本当に日々いろんなことが変わっていった時期だったと思うんですけど。私もライヴが全部なくなって、やっていることの意味ってなんだろうって思うこともあったし、そうやって焦るときもあれば、慣れてきてステイホームいいなみたいに思うときもあったし。そういう揺れ動く感情を覚えておきたいなという気持ちで、曲にしたいなと思っていました。
-全編ポエトリー・リーディングの曲は初めてということでしたが、やってみていかがでしたか?
いやー、難しかったですね。前のアルバム(2019年リリースの『歪だって抱きしめて』)で不可思議/wonderboyさんの「銀河鉄道の夜」をカバーさせていただいたんですけど、そのときのポエトリー・リーディングのレコーディングは、ライヴで何年もやっている曲だったので――といっても難しかったんですけど、まだ言い慣れているところがあったんです。でも今回は本当にギリギリまで歌詞を書いていたので、リズムも決まらないし、どうやってハメていったらいいのかなっていうのは、レコーディングしながらやっていく感じで。正解もないし、ヴォーカルのジャッジを自分でしているので、誰かにそこを委ねることもできず......本当に大変でした(笑)。
-(笑)ポエトリー・リーディングだからこそ、言葉のひとつひとつが胸に刺さってくる感じがあります。"東京都の感染者はまた今日も減らない"という歌詞は、今誰もが理解できる言葉ではありますが、その中には様々な感情が含まれているんだろうなと思いました。
感染者はきっとこの先減っていくだろうし、前向きな希望を歌うんだったら、歌詞の中でも減っていったほうがいいと思うんですけど、あえてそうしなかったのは理由があって。それは感染者が減ろうが減るまいが、この曲の本質的なところはコロナのことではなく、自分自身の在り方や自分自身とどう戦うかっていうところにあると思うので、自分以外の状況がどうであろうと、そこは関係ないっちゃ関係ないというか。なので、あえて"減らない"という歌詞のままでいったんですよね。
-あと、"自分にしかできないこと、なんて/最初から無いんだって/分かってからが勝負だ"という言葉には共感もあって。こういうことを思うようになったのはどうしてだったんですか?
小さい頃から、いろんなことを器用にちょっとずつはできるけど、抜きん出てはできないっていうのがあって。勉強もそうだし、クラシックをやっていたので、ピアノとかヴァイオリンも平均よりはできるけど、一番じゃないし専門家になれるほどでもない。歌も、歌うことは好きだけど、もっとうまい人はいるし、曲を作ることも苦手だし......とか(笑)。器用だねって言ってもらえることは多いんですけど、自分の中ではどれも中途半端だっていう意識がすごくあって、今やっていることが天職かと言われたら自信がないので、何を頼りにやっていけばいいのか、自分を納得させるためにはどうすればいいのか、みたいなことはずっと思っていることなんです。
-こんなに素敵な曲が書けるのに......。
ありがとうございます。それ言われ待ちみたいなのも嫌なんですけど(笑)。
-(笑)でも、気持ちはすごくわかるというか。きっと多くの人が考えていることだと思いますし、こうして音楽にしてもらえると、心が軽くなるところはあるんじゃないかなと感じます。
そうだといいなって思います。天才はいっぱいいるけど、天才じゃない人のほうが多いから、そういう人たちに対して、同じ目線で歌うことができる。そういうことなら自分にもできるんじゃないかと思って、頑張っていますね。
-また、2曲目に入っている「タダモノ」は、someno kyotoのクラウドファンディングのコンピ・アルバムのために書き下ろしたのが最初なんですよね。
そうですね。コロナ禍になって最初に作った曲です。ライヴも何ヶ月もしなくて、曲も書いてないし、人前にも立ってないし、本当に何もしてない日々の中で、自分のことを"ただの人"っていうか、何者でもないなと思ったんですよね。いつもそういうことは考えているはずなんですけど、よりそう感じた期間でした。
-今作の"完全解読本"内のライナーノーツによると、コンピに収録した音源とミニ・アルバムに収録した音源では、歌詞が変わっているとのことで。心境の変化があったんじゃないかということも書かれていましたが、どんな変化があったのでしょうか。
最初に作ったほうはわりと無気力っぽい感じがあって。日々何もしないで、寝て、ご飯食べて、動画を観て......っていう生活で、社会がこうだし出るなって言うし、自分の明日をそこに委ねて、ただ生きてるというか。で、それもしょうがないなって思っているところがあったんですよね。そこから、ちょっとずつライヴをするようになったりしていくなかで、なんかちょっと最初の歌詞のままだと嫌だなって思って。わずかな抵抗ですけど、"漂う記憶に揺られたい"というところを"記憶に吞まれるだけじゃ嫌だ"に変えたんです。
LIVE INFO
- 2025.07.09
-
SHE'S
いきものがかり
Maki
山内総一郎(フジファブリック)
- 2025.07.10
-
TENDOUJI
Saucy Dog
礼賛
いきものがかり
浅井健一
ヤングスキニー
キュウソネコカミ
BBHF
the dadadadys
Hello Hello
GRAPEVINE
ザ・シスターズハイ
Organic Call
downy
四星球
- 2025.07.11
-
TenTwenty
女王蜂
TENDOUJI
なきごと
the shes gone
フレンズ
Saucy Dog
Laughing Hick
浅井健一
WtB
yutori
ビレッジマンズストア
古墳シスターズ
東京スカパラダイスオーケストラ
ヤングスキニー
キュウソネコカミ
のうじょうりえ
賽
ヤバイTシャツ屋さん × Perfume
wacci
KALMA
LITE / DO MAKE SAY THINK / HOTEL NEW TOKYO
GLIM SPANKY
Mirror,Mirror
reGretGirl
四星球
Rei
- 2025.07.12
-
大原櫻子
星野源
藤沢アユミ
FIVE NEW OLD
ASP
コレサワ
あれくん
ART-SCHOOL
SAKANAMON
女王蜂
LOCAL CONNECT
BLUE ENCOUNT
竹内アンナ
いゔどっと
PK shampoo
荒谷翔大
ACIDMAN
ズーカラデル
夜の本気ダンス × BRADIO × 8otto
チリヌルヲワカ
Homecomings
ブランデー戦記
[Alexandros]
鶴
SVEN(fox capture plan)
YUTORI-SEDAI
ビレッジマンズストア
GRAPEVINE
Nothing's Carved In Stone
ADAM at
WtB
Eve
有村竜太朗
Dannie May
Bimi
MAPA
安藤裕子
蒼山幸子
古墳シスターズ
斉藤和義
原因は自分にある。
怒髪天
渡會将士
マオ(シド)
- 2025.07.13
-
星野源
あれくん
SVEN(fox capture plan)
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
TenTwenty
板歯目
SAKANAMON
LOCAL CONNECT
FIVE NEW OLD
ASP
YOASOBI
BLUE ENCOUNT
コレサワ
鶴
"HELLO INDIE 2025"
なきごと
ズーカラデル
UNCHAIN
ART-SCHOOL
有村竜太朗
アルコサイト
[Alexandros]
寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game)
チリヌルヲワカ
GRAPEVINE
Nothing's Carved In Stone
Homecomings
ADAM at
ブランデー戦記
Eve
神はサイコロを振らない
荒谷翔大
すてばち
カミナリグモ
FUNNY THINK
ぜんぶ君のせいだ。
VOI SQUARE CAT
安藤裕子
古墳シスターズ
東京スカパラダイスオーケストラ
reGretGirl
斉藤和義
原因は自分にある。
トラケミスト
- 2025.07.14
-
Mirror,Mirror
- 2025.07.15
-
有村竜太朗
板歯目
BLUE ENCOUNT
桃色ドロシー
[Alexandros]
Mirror,Mirror
TENDOUJI × 浪漫革命
SCOOBIE DO
キミノオルフェ
羊文学
Saucy Dog
Ivy to Fraudulent Game
- 2025.07.16
-
有村竜太朗
YOASOBI
BLUE ENCOUNT
桃色ドロシー
GLIM SPANKY
BIGMAMA × Dannie May
坂本慎太郎
Base Ball Bear × PEDRO
SHE'S × ヨイズ
TenTwenty
Saucy Dog
- 2025.07.18
-
斉藤和義
YOASOBI
フレンズ
[Alexandros]
SVEN(fox capture plan)
板歯目
東京スカパラダイスオーケストラ
ExWHYZ
GLIM SPANKY
the paddles
キュウソネコカミ
NEK! × komsume
KiSS KiSS
Organic Call
ぜんぶ君のせいだ。
SAKANAMON
ヤングスキニー
ACIDMAN
Laughing Hick
TENDOUJI
cinema staff × eastern youth
- 2025.07.19
-
豆柴の大群
浅井健一
フレンズ
"NUMBER SHOT2025"
コレサワ
YOASOBI
PIGGS
鶴
東京スカパラダイスオーケストラ
"KESEN ROCK FESTIVAL'25"
ASP
Novelbright
"JOIN ALIVE 2025"
shallm
Eve
"OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2025"
キノコホテル
UNCHAIN
竹内アンナ
め組
"焼來肉ロックフェス2025"
SPECIAL OTHERS
ExWHYZ
LOCAL CONNECT
寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game)
ぜんぶ君のせいだ。
いきものがかり
新しい学校のリーダーズ
"DAIENKAI 2025"
チリヌルヲワカ
片平里菜
PENGUIN RESEARCH
荒谷翔大
Nothing's Carved In Stone
マオ(シド)
- 2025.07.20
-
神はサイコロを振らない
"NUMBER SHOT2025"
斉藤和義
[Alexandros]
ビッケブランカ
"KESEN ROCK FESTIVAL'25"
ASP
"JOIN ALIVE 2025"
さめざめ
キノコホテル
HY
Eve
"OSAKA GIGANTIC MUSIC FESTIVAL 2025"
崎山蒼志 / NakamuraEmi / ズーカラデル / TENDRE ほか
GRAPEVINE
"焼來肉ロックフェス2025"
清 竜人25
PK shampoo
"DAIENKAI 2025"
LOCAL CONNECT
ROF-MAO
いきものがかり
GARNiDELiA
ブランデー戦記
- 2025.07.21
-
"NUMBER SHOT2025"
斉藤和義
PK shampoo
LOCAL CONNECT
東京スカパラダイスオーケストラ
ASP
鶴
TENDOUJI
jizue
め組
HY
PIGGS
小山田壮平 / 奇妙礼太郎 / 安部勇磨(Band set) ほか
ぜんぶ君のせいだ。
アーバンギャルド
LACCO TOWER
GOOD ON THE REEL
いゔどっと
ビレッジマンズストア
GRAPEVINE
Homecomings
SpecialThanks / レイラ / GOOD4NOTHING / THE FOREVER YOUNG ほか
アカシック
PENGUIN RESEARCH
- 2025.07.22
-
Hump Back
the telephones
- 2025.07.23
-
東京スカパラダイスオーケストラ
板歯目
フラワーカンパニーズ×アイボリーズ
9mm Parabellum Bullet
女王蜂
- 2025.07.24
-
水平線
板歯目
bokula.
ビレッジマンズストア
竹内アンナ
the paddles
RELEASE INFO
- 2025.07.09
- 2025.07.10
- 2025.07.11
- 2025.07.13
- 2025.07.15
- 2025.07.16
- 2025.07.18
- 2025.07.19
- 2025.07.20
- 2025.07.23
- 2025.07.25
- 2025.07.29
- 2025.07.30
- 2025.07.31
- 2025.08.01
- 2025.08.06
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
音ノ乃のの
Skream! 2025年06月号