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INTERVIEW

Japanese

Void_Chords

2020年07月号掲載

Void_Chords

Member:高橋 諒

Interviewer:宮﨑 大樹

-「my ID」は、どんなテーマで曲を制作していったのでしょうか?

上記のイメージに乗せて、進次郎(早田進次郎/主人公)の内面の葛藤と開放について言及しようと。"定められた、確実に痛みを伴う過酷な運命"を引き受け、観念的なものから自らの肉体へと引き入れ、解放するという作業です。

-今回、Unlimited toneのRyoheiさんとONE Ⅲ NOTESのFoggy-Dさんをゲスト・ヴォーカルとして招いています。おふたりに声を掛けたのはどういう理由からだったのでしょうか?

まず男性タッグで挑戦したいという話から、ラップ・パートとヘヴィなサウンドという要素がイメージとしてあり、ONE Ⅲ NOTESで素晴らしいパフォーマンスをしてくれたFoggyにお願いしようと先に決まっていました。Ryoheiさんは昔から良くしていただきつつ、歌も大好きだったのですが間接的にしか一緒に音楽を作ったことはなく、いつかタイミングが合えばと思っていました。その後楽曲のイメージを膨らませるなかで、Ryoheiさんの声が混ざれば絶妙にキャッチーなところにバランスしそうだなと思ったタイミングがあり、満を持してお誘いしました。

-実際に"ULTRAMAN"のエンディング映像と共に流れている「my ID」を聴いたときの手応えや印象はいかがでしたか? ビルの合間を飛んでいる映像と曲のイントロの浮遊感のマッチ、そして"ウルトラマン"のOP映像をオマージュしつつ躍動感のあるシルエットの映像と、ダークでクールな曲の融合がとにかくカッコ良かったです。

熱いんだけどどこかクールでスマートな仕上がりにマッチできたのではないかと思います。映像も音楽的なフックにも合わせていただいたりするのがわかり、素晴らしいと思いました。シンプルに令和に蘇った影絵演出のカッコ良さに泣けました。

-冒頭から1分30秒ほどの時間、つまりアニメのエンディング映像として使用される時間に、曲調がどんどん変化していて、目も耳も離せずに引き込まれる感じがしました。そこはやはりアニメの主題歌ならではの曲制作なのでしょうか?

Void_Chordsの音楽はほぼほぼフリーフォームですが、"アニソン"というカテゴリを一番意識しているのが展開構造上のその部分かもしれません。映像と相互作用する要素がやはり大事だと思います。例外はありますが......。

-この曲はすでに先行配信もされていますが、反響はいかがですか?

Void_Chords作品としては、前作とまたかなり違うヘヴィめなジャンル感ですし、男性タッグとして初作で新鮮な思いでしたが、好評いただいているようで嬉しく思います。

-スクランブル交差点を俯瞰したような本作のジャケット写真も印象的でした。"ULTRAMAN"のアニメ上でもスクランブル交差点でのシーンも見受けられますよね。アートワークの部分のテーマやイメージについて聞かせてください。

まさにおっしゃる通りアニメ上で街全体含めタッチも好きで強く印象に残っていました。都市の美しさ、冷たさ、正確さのような物質的なものに、そこを渡る人たちの温度のある肉体的なものが重なって連想させるようなイメージである交差点は個人的に好きです。音楽のイメージも自然にリンクします。

-カップリングの「Outer Circulation」については、タイアップなどのお題はなく、より自由に制作していったのでしょうか?

そうですね。詞のテーマに関しては遠からずリンクしています。

-「my ID」のカップリングという点で、どんな曲を収録したいと考えて制作しましたか?

A面が要素の多い壁のような音像の曲だったので、よりフリーフォームに、音が少なく、楽しめる曲をと考えていました。パート数は少ないですが、結局音が多いですね(笑)。

-「Outer Circulation」を制作するにあたってのテーマやイメージがあれば聞かせてください。

「my ID」にも遠からずで、ファンク感をもう少し押し出した、RyoheiさんとFoggy-Dの声で、自由に演奏してアガれる曲をと。今作はいつもお世話になっているドラムスの波多江 健さんとCalmera/POLYPLUSなどで大活躍のサックスフォン、辻本美博さんにご参加いただき、怒濤のプレイをいただきました。男臭いけどスタイリッシュな1曲になったと思います。

-最後にVoid_Chordsとしてや、高橋さんとして、今後の活動の展望など聞かせていただければと思います。

Void_Chordsとして挑戦させていただいていることや作家として経験したことを相互作用させて、より緻密で自由な音楽体験をテーマに楽曲制作やライヴを作っていければと思っています。そしてやっぱりアルバムとライヴを......!