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INTERVIEW

Japanese

オルターリードコード

2017年07月号掲載

オルターリードコード

Member:大山 亜理沙(Vo/Syn) 宇佐美 秀人(Gt/Cho) 窪田 哲也(Ba/Cho) 神 嗣音(Support Dr)

Interviewer:岡本 貴之

-今はバンドとしてのサウンドのモードはどういう方向に向いているんですか。

宇佐美:アルバムができてから思うのは、本当にメロディだけは耳に残る感じで、あとはやりたい放題やっちゃっていいかなっていう感じですかね(笑)。ただ、暗黙のルールでヴォーカルとコーラスを立たせる、曲にそぐわないことは絶対やらないというのはあるので、そこさえあれば他は何でもいいんじゃないかとは思ってます。

-今作において、新たなチャレンジやバンドとしての新境地と言える部分があればいくつか教えてください。

宇佐美:僕がプロデューサー的なところがあったんですけど、例えば「PA・PA・RA・PA・PA」は、初期衝動的な激しくて明るいナンバーもできるっていうのを表現したかったし、「gloomy box」はギター・ロック的なニュアンスと、シンセの入れ方を昔のV系っぽく入れたんですよね。

-たしかにV系の影響はいろいろなところで感じました。「dummy system,fake core」(Track.4)とか。

宇佐美:この曲は、メタルと民族音楽と、中間は昔のV系を遊びで入れて。「サマーダンス」は布袋寅泰とPANTERAを混ぜました(笑)。あとはちょっと、B'zの「ultra soul」(2001年リリースの31stシングル表題曲)のオマージュっぽい部分もありますね。最後のギターのブレイクのところはギターを20本くらい入れてます。これはPANTERAの『Cowboys From Hell』(1990年リリースのアルバム)の、めちゃくちゃで最後にガラス音が入るっていう、派手なメタル・バンドがやりそうなことをアルバムでやってみたかったんです。「サマーダンス」は自分の激しいところの私欲が一番出ました(笑)。「GOOD-BYE LIFE STATION」(Track.5)は、イントロでシューゲイザーとかポスト・ロックっぽいことをしてみたいなと思って、リヴァーブとオート・ボリュームと空間系のエフェクトをバーッと入れ込んだ感じです。envyとかMONO、MOGWAI、SIGUR ROSとかの感じをギター1本で表現できないかなっていうことでまずはイントロを作って、そこから空間系のアレンジをメロディの中に入れるようになって。自分のきれいな部分が出た曲かなと思います。

-大山さんと窪田さんもアルバムでの聴きどころを挙げてもらえますか?

大山:タイトル曲の「gloomy box」はもちろん聴いてもらいたいんですけど、「dummy system,fake core」は、今までのオルターリードコードになかったタイプの曲なので、オススメしたいですね。

窪田:僕は単純にノれるチューンが好きなので、「センチメンタル・ララバイ(gloomy box ver.)」と「カムクリーン」(Track.9)ですね。縦ノリしやすい、夏フェスなんかで弾いてみたい曲だなって思います。

-この曲では歌メロの裏でベース・ラインが目立ってますよね。

窪田:そうですね、目立ちたがり屋っていうわけじゃないんですけど(笑)。それなりに目立ったらいいかなと。

-ギターはサーフ・ロックっぽいフレーズを弾いてますね。

宇佐美:メタルの要素と、おしゃれなコードの展開とサーフ・ロックと遊び心をぶち込んだみたいな、お笑い芸人のリズムネタ的な感じを入れてみました。

-サポートの嗣音さんはレコーディングでも叩いているんですか?

嗣音:実は今回のアルバムでは、3人のドラマーが叩いているんです。僕が叩いたのは、激しめな曲、速いテンポの曲です。オススメなのは、「dummy system,fake core」ですね。イントロ、Aメロ、Bメロと、だいたいBPM200くらいの16ビートをずっと連打していて、レコーディングが本当に大変だったので聴いてくれっていう感じです(笑)。


歌詞はその人なりの想像をしながら聴いてもらいたいんです


-歌詞を読んでいて思ったことなんですが、"私"とか"僕"っていう一人称が一切出てこないですよね。

大山:あぁ~、たしかに。私は結構、歌詞を抽象的に書いていて、聴いてもらう人にその人なりの想像をしてもらいたいという考えがあって。"これってこういう意味なのかな?"とか、"自分だったらこう解釈するな"っていうふうに、考えながら聴いてほしいと思っていて、あんまり直接的に書かないようにしているからそうなっているんだと思います。

宇佐美:僕は逆で、「またね、ありがとう。」(Track.10)とか、主観的なイメージを持ってもらって、そのうえでストーリーに入れるような感じで書いてはいますね。あとはとにかく口ずさめるわかりやすい言葉で書くようにしてます。だから、対照的ですよね。(大山の歌詞は)比喩表現が多いんですけど、僕は普通に日常で使われている言葉を歌詞に入れたいと思うので。

-改めて、このアルバムはみなさんにとってどんな作品になりましたか?

大山:いろんなジャンルの曲が入っていて、楽しめるアルバムになっていると思うのでぜひ聴いてください。ライヴではまた雰囲気も変わると思います。ツアーで全国を回るので、ぜひライヴを観に来てください。

窪田:激しい曲もあり、切ない曲もあり、10曲捨て曲なしだと思っていますので、いろんな人に聴いてもらいたいです。ぜひぜひ、聴いてください。

宇佐美:いろんな実験、新しい挑戦ができて、新鮮な気持ちで音楽と向き合えたなって思います。「またね、ありがとう。」は、曲ができてから先輩に不幸があったんです。それで歌詞を書いたんですけど、それぞれの曲にこういう思い出があって、こういう作詞をしていて、というのがあって。楽曲的にも納得いくまで詰められたし、歌詞も初めて書くようになって、トータルして人生の中で充実した時間でした。この作品は自分の中で一生納得した状態で残るだろうなって思えるものができたので、本当にたくさんの人に聴いてもらいたいですし、ちょっとでも耳を傾けてもらいたいです。

-オルターリードコードは音楽シーンの中でどんな存在になりたいですか?

宇佐美:"変わってるけどカッコいいよね"っていう、異色な存在でありたいですね。基本は札幌を拠点に、曲を作りまくって発信してツアーを回って、いろんな人に知ってもらえるように動いていこうかなと思っています。