Overseas
THE RAPTURE
2011年09月号掲載
Member:Gabriel Andruzzi(Key, Sax, Ba, Per&Vo)
Interviewer:島根 希実
5年の時を経て、THE RAPTUREが帰って来た!ポストパンク・リバイバルのレーベルである古巣DFA RECORDSからのリリース。今作『In The Grace Of Your Love』でTHE RAPTUREはまたしても、ダンス・パンクの向こう側、その果てには何があるのかを見せてくれる。前作『Pieces Of The People We Love』では、愛故の恍惚と快感、感情の嵐ともいうべき至極のダンス・ミュージックが。そして本作では、そんな激しい嵐も、5年という空白の期間も、全て内包する雄大な世界が待受けている。
-前作からの5年間、バンドとしてはどのような活動をなさっていたのでしょうか。
忙しくしていたよ。5年前『Pieces Of The People We Love』をリリースして、それから1年半程ツアーを行ったよ。そのあと僕を中心にバンドでブルックリンのグリーン・ポイントに小さなプロジェクト・スタジオを建てたんだ。ユニバーサル・ミュージックとの契約ではなかったから、僕たち自身で責任や判断を握れることにとても興奮していたんだ。"自分のことを自分でやる"ということは、僕たちのルーツでもあるしね。僕たちがそれぞれバンドとしての状態から離れつつあることに気付くにつれ、前に進む為に落ち着くということはとても重要なことだったと思ったよ。
-今作のための曲作りはいつから開始していたのでしょうか?
2008年6月に、K7のミックスCDのための制作と同時に制作していたんだ。けれど、その時にLukeがバンドを辞めてしまったんだよ。これはとても急で変な出来事だったんだけれど、そのおかげで僕たちがいかに同じ考えを持っていなかったかがよく分かったんだ。それから数ヶ月間僕とMattieとVitoはそのまま制作を続けていたんだ。そして2008年10月に、結局Lukeはバンドに戻って来たんだよ。また僕たちは3度目にしてアルバムを書き始めたんだけれど、Mattieの不満がだんだん募り始めていた。10曲程を5ヶ月で書き上げレコーディングを終えて、彼は2009年の4月に脱退してしまったんだ。LukeとVitoと僕はまたすぐに制作を開始したよ。僕たちの個人的な関係はすごく良くなり始めて、アイデアや創造力が満ちあふれてきたんだ。その夏はずっとアルバムを書き続けていたよ。そしてその秋にPhilippeを見つけて、12月にブルックリンで1週間程一緒に仕事をしてから、2010年の2月にパリに行って3週間レコーディングをしたよ。僕はそのあと、プロダクションを終えミキシングを始めるためもう3週間そこにPhilippeと残ったんだ。その春に制作とマスタリングを終えたんだけど、僕たちにはその時点でレーベルがなかったんだ。だから探し始めて、2010年の秋に僕たちの昔からの友人であるDFAにすることに決めたよ。契約のことを決めるのにとても時間がかかったんだ。そしてやっと僕たちのアルバムが完成したのさ!
-怒涛の5年間だったんですね。今回のリリースで、感慨深いものはありますか?
5年間は長過ぎたと思うよ。でも同時に、他に選択がなかったとも思っているんだ。このアルバムのために、僕個人はノンストップで頑張っていた。でもどれだけ僕が頑張ったって、もっと辛抱強くならなきゃいけない時もあるんだ。変化や時間はそれぞれのペースで進んで行くから、それをコントロールしようとしたって無駄なんだ。
-先程DFA RECORDSの話が出ましたが、どういった経緯で戻ることになったのですか?
THE RAPTUREは、DFAの歴史の中でも早い時点でJames MurphyとTim Goldsworthyと仲良くなったんだ。その時DFAはまだレコードを何も出していなかったんだけれど、パーティをよく開いていてね。彼らとはすごく共生的な関係だったから、そのうち『House Of Jealous Lovers』と『Echoes』のレコーディングとリリースをするという結果になったんだ。彼らと共に僕たちTHE RAPTUREはDFAの土台を築くために上手くやったと思う。多かれ少なかれすこし離れていた時期が長年続いたけれど、DFAに戻ってとても良い気分だよ。
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