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INTERVIEW

Overseas

ASOBI SEKSU

2011年02月号掲載

ASOBI SEKSU

Member:Yuki Chikudate(Vo&Key)

Interviewer:沖 さやこ


-2009年には『Hush』をリリース、全世界ツアーを敢行。2010年はアコースティック・ツアーを行い、このアルバムの制作。この2年間はASOBI SEKSUにとって重要な2年間だったのではないでしょうか。

そうね……2010年は私たちにとって“変化の年”だった。これはどの変化についても言えることだけど、2010年は私たちにとってとても挑戦的で難しい一年だったわ。それらはとても素晴らしくてエキサイティングでもあり、それと同時にプライベートでも仕事でも、様々なものを亡くしたりもしたわ。これらの経験を、私たちの今の楽曲やライヴ・パフォーマンスに反映させることができて嬉しく思っているの。

-2年間での成長がぎゅっと詰まったアルバムになっていると思います。浮遊感と力強さの両方を持つYukiさんの歌声はスケールを増していますし、今回は特にメロディが際立っているようにも思います。ツイン・ヴォーカルもとても耳に心地良いです。

私たちは、バンドとして、メロディを常に重要視しているの。曲において一番大事なのは、ヴォーカルのメロディだと考えているからね。年月が経つごとに、メロディ面では成長できてきていると思うし、メロディ作りに自信がでてきた。『Fluorescence』はありのままの私たちを表現することを心がけたの。

-Yukiさんは完全にアメリカで育っていらっしゃるんですよね?日本人でありながらもアメリカ人というか。どちらも持ってらっしゃるのは、良いこともある半面大変なこともありそうですね。

そうね、おっしゃる通りだわ。私はある時は日本人らしく振る舞っていると思えば、瞬時にアメリカンになることもできる。私の中にはその“スイッチ”があって、すぐに切り替えられるの。成長するにあたって、私は一体どっちなのか悩んだ時期もあったわ。でも私は日本人であることに誇りを持っているの。両親から“日本人であることを誇りに思いなさい”と教わってきたからね。そして私は様々な文化で成り立っているアメリカという国に住んでいる。特にニューヨークはそれが際立っているわ。これは本当に良かったと思ってるの。でも“私はアメリカで育った日本人だ。だから、私は日本人でもアメリカ人でもないんだ”と時々感じてしまうこともあるの。個々が考える“アイデンティティ”って様々で、とても複雑だから、自分自身や他人のことを深く理解することってそう簡単ではなくて、一生かかってするものなんじゃないかな。

-確かにそうですね。Yukiさんの書く歌詞は日本語と英語が入り混じっていて刺激的です。やっぱり日本人としては洋楽で日本語が聴けるって、レア感があって嬉しいですし。

日本人リスナーの数が増えてくれたらいいなぁといつも思っているわ。私は昔から日本語の打撃的なパーカッションのような響きと、弾むような音が大好きなの! 日本語はリズム感溢れる言語だと思うし、日本語ではクリエイティヴなフレーズができやすいの。冷静でいるとき、怒っているとき、心配ごとがあるとき、楽しいとき……いいフレーズが思い浮かんだときはいつでもそれらを書きとめているわ。