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INTERVIEW

Overseas

STESO SONGS

2010年07月号掲載

STESO SONGS

Interviewer:遠藤 孝行


-今作はピアノの音色と広がりのあるアレンジがとても繊細に絡み合っていると思います。サウンド面で意識した部分や苦労した所を上げるとすればどこですか?

これもさっき言った事の繰り返しになってしまうんだけど、あえて曲に対して何もせず、出来るだけ出来た当初の感触に近いままである事が重要だったの。だから新しい楽器やハーモニーなどを入れようとするのは、とっても大変だったわ。原曲を壊してしまうのではないか、とナーバスにもなったし、恐かったわ。

-アルバム・タイトルである『Now It's Dark』はDavid Lynch の映画「Blue Velved」から取られたそうですが、個人的にはポップと感じる今作に「Blue Velved」の世界感は少し違和感を感じたりもします。この名前はどのような理由で付けられたのですか?

「Blue Velvet」からたくさんインスピレーションをもらっていて、特にムードや台詞回しに影響を受けたの。私の歌詞の中でも幾つか引用しているわ。「Blinding Light Of Love」にはLaura Dernが演じるSandyの台詞が引用されているの「Now It's Dark」の歌詞は狂人Dennis Hopper演じるFrank Bootheが彼の持つ闇が顔を出す度に使う言葉“ほら真っ暗だ。大丈夫。” からきているの。初めてフレーズを聴いた時から、頭から離れないのよね。

-あなたの歌声はキュートで楽曲に溶け込むようでとても素晴らしいと思いました。歌う上で気を付けている事、または理想とするヴォーカリストはいますか?

ありがとう!気にしている事と言えば、歌うときに何も考えないって事くらいかな。歌う事は話す事のようなものだから。同じ声だし。好きなシンガーはたくさんいるけど、誰かのように歌いたいって思った事はないわね。理想は自分過ぎる位、自分らしく歌うことかしらね。

-では、昨今活躍する女性アーティストは数々いますが、もっとも共感できる女性アーティストがいれば教えて下さい。

PJ Harvey、Stevie Nicks、Lykke Li、Patti Smith、Joni Mitchellが好きよ。特に関係はないんだけどね。

-音楽を作り始めたそのきっかけとなった出来事を教えて下さい。

9歳から曲を書き始めて、何かを表現するのに、曲を作るっていう行為が打ってつけだったの。多分、話すのが好きじゃない娘だったからじゃないかな。今でも同じ感じよ。話すのは嫌いなんだけど、言いたい事はある。だから、曲を書く、みたいな。

-数々ある楽器の中からピアノで音楽を表現するというスタイルを選んだ理由を教えて下さい。

ピアノが唯一自分を表現する為に弾ける楽器だから。唯一得意な楽器なのよね。ピアノって全く違うムードを作り出す事が出来るから、それが好きなの。鍵盤を叩き付ける様に弾く事も出来るし、優しくプレイする事も出来る。ダークなキーで演奏すればダークなサウンドになる、とか。