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INTERVIEW

Overseas

DETROIT SOCIAL CLUB

2010年07月号掲載

DETROIT SOCIAL CLUB

Member:David Burn(Vo&Gt)

Interviewer:佐々木 健治


-現在の編成となってからの楽曲作りはどのように行っているのでしょう?今もDavid Burnが作曲は全て手がけているのですか?

そうだね、それは前から変わらない。歌詞と曲の構造、メロディや基本的なパーツは俺が書くし、サウンド全体のディレクションも俺が取る。他のメンバーは、個々のサウンドのアイデアだとか、自分のパートに関する意見を出してくれる、って感じだね。

-今回の制作が本格的なレコーディングとしては初めてだったと思いますが、バンド、そしてJim Abissとのレコーディングはいかがでしたか?

正直言って大変だった。今まで、スタジオで自分の曲をコントロールするのは自分ひとりだけ、っていう状況で長い間やってきたから、民主的に物事を決めていくことに慣れていなかったんだ。多分、Jimもそれは一緒だったんじゃないかな。彼は彼なりのやり方があるから、俺と一緒にやるとなって、やっぱり衝突は避けられなかった。とはいえ、出来上がったアルバムのサウンドは素晴らしいものになったから、その甲斐はあったね。

-『Existence』というタイトルには、強烈な意思表示があるように思います。このタイトルをつけた意味を教えて下さい。

最近、実存主義文学やイデオロギーにすごく興味が出てきたんだ。俺たちが感じている感情は全て説明可能であり、人間っていうのはそれぞれ大して違わないんだ、ってことを改めて実感し始めたところでさ。これは、俺の人生にとっては大きな転機になったよ。自分自身や、自分が今までやってきたことについても、迷いがなくなった。このアルバム・タイトルには、それがちょっとだけ表れているんだ。それに、このアルバムの曲のムードへと心の準備をするお膳立て、って感じのタイトルになってると思うよ。

-アルバム・タイトルもそうですが、歌詞や曲のタイトルにも哲学的な考えが出ているのではないかと思います。ただ、今の段階ではまだ歌詞が手元にないので、どのようなことを歌われているのかはっきりと分からないのが残念なのですが、基本的にどのようなことを歌にしていますか?

歌詞の内容は確かに結構ディープかもしれない。すべて一人称で書かれたものだし、俺自身が感じたり、経験したり、考えたことを歌詞にしたものだから、自分にとって偽りのないものばかりだよ。そういった思いが歌詞の端々に表れている。ジョン・キーツの読み過ぎかもね。次のアルバムはこれほどヘヴィーなものにはならないかもしれないけれど・・・まあ、それはまだ誰にも分からないな。

-「NORTHAN MAN」は、とても力強い曲だと思います。また、タイトルからもあなた方のアティチュードを表明する曲なのではないかと思いますが、この曲がどういう歌か教えて頂けますか?

誰もがこの曲を北部応援ソングだって思うみたいだね、俺が受け継いできた北部の伝統とワーキング・クラスとしてのルーツを高らかに掲げて見せている、っていう歌なんだって思われることが多いんだ。でも、はっきり言ってそんな曲じゃないんだ。がっかりさせて申し訳ないけれど、この曲は全然そういう意味じゃない。一人称で書かれてはいるけれど、俺自身が主人公でもないんだよ。この作品では、誰か第三者を取り上げて描く曲を書くのは避けようって意識していたんだ、一人称のほうが聴いたひとも感情移入しやすいし、パーソナルに響くと思うから。
この曲は俺の友人がモデルになっているんだ。彼はすごく大きな可能性を持っているのに、それを活かそうっていう意欲に欠けている。この曲は、俺たちみんなが持っている可能性についての歌なんだよ。本当に自分がほしいものは、一生懸命探せば必ず見つけられるはずなのに、人生はなかなかうまくいかなくって、ついつい言い訳をして諦めてしまう、っていうさ。北部的な部分は、その言い訳を意味するメタファーなんだ。同時に、俺自身もいつもレビューや記事で北部出身であることを書かれることに、不満を感じていたってのもあるんだ。ある評論家は『6 Music』座談会で、俺がジョーディ訛り(北部特有の訛り)で歌わないことを批判した。でも、“ジョーディ人”は、「ビッグ・ブラザー」みたいなくだらないテレビ番組に出てくる、サッカーとビールとパイのことで頭がいっぱいの素敵な人たちだ、なんてよく言うけれど、そんなのでたらめだよ(それに俺は実際ジョーディじゃない)。だから、この曲ではあえて、人生で何かを成し遂げるときに障害になることのメタファーとして出身地を使ったんだよ。とはいえ、悲観的な曲にはしたくなかったから、セカンド・ヴァースには希望を残したんだ。「けれど、そんな風にならなきゃいけないわけじゃない」ってね。
最初にストリングスのリフを書いたとき、ちょうど練習部屋に向かうところだったことを覚えてる。頭の中で、何度もそのリフを繰り返していたんだ。練習部屋について、まずシンセのストリングス・サウンドを使って弾いてみたら、これが酷くてさ。きっとバンドのメンバーは、俺がおかしくなったって思ったんじゃないかな、「俺にはヴィジョンがある!」なんて言ってたから。とはいえ幸運なことにそのストリングスを実現することができて、この曲は俺にとってアルバムで一番誇りに思える曲になったんだ。

-DETROIT SOCIAL CLUBは既に高い注目を集めていますが、あなた方が目指すのはどういうバンドでしょう。つまり、あなた方は例えばOASISのように世界一のバンドになるんだという野心家だと思いますか?

いや、それほどの野心はないと思う。俺もある程度年齢を重ねて、若い時にありがちな楽観的なものの見方はもうしないからね。俺は現実主義者なんだ。俺の野心といえばいつだって、アルバムを作ることと、できるだけ多くのひとにそのアルバムを愛してもらうことだけだよ。そのスタート地点にやっと立つことができて、いま本当にありがたく思うんだ。もちろん世界中のあらゆる人が俺たちの音楽を聴いてくれたらすばらしいとは思うよ、でもそれは無理な話だ。最初からハードルを高く上げ過ぎて、後からがっかりしたくはないからさ。出来る限り長く、音楽で食っていけるだけで俺は良いんだ、また職探しする時が来るまでね(笑)。

-今年はFUJI ROCK FESTIVALで来日も決まりました。ライヴを観れることを楽しみにしています。日本のファンにメッセージをお願いします。

ありがとう!日本に行って、違う文化を経験したり、新しい土地と空気を楽しんだり、フェスティヴァルでプレイするのを凄く楽しみにしているよ!