Japanese
UPCOMING GEN Z BANDS
2024年03月号掲載
Writer : 中尾 佳奈
デジタル・ネイティヴ世代が台頭する、群雄割拠の若手バンド・シーンが熱い
今の時代、レコード・ショップに行かなくてもスマホひとつあれば数十年前の音楽だって聴けるし、お金を払ってレッスンに行かなくてもYouTubeが教えてくれる。そこには地域格差も所得格差もほぼない。そんな恵まれた環境が当たり前に揃っていたデジタル・ネイティヴ世代が台頭する今の音楽シーンは、ネットの普及とともに底上げされた音楽経験値の賜物と言えるだろう。群雄割拠の若手バンド・シーンにおいても、次から次へとスターが生まれている。そんななか、若手注目株が続々と自身初の全国流通盤をリリース。本稿では次世代を担っていくであろう4組と、その初全国リリース作品を紹介する。
TORO - どのくらい (Official Music Video)
1組目は、2月に初の全国流通盤として1stアルバム『TORO』をリリースしたTORO。"ロックの復権"を掲げ2023年4月に結成されたオルタナティヴ・ロック・バンドだ。昨年、インディー・ロック・シーンで活躍するBearwear、downt、Jam Fuzz Kidを招き自主企画ライヴ[TORO pre. 1st Album "TORO" Release Show]を開催。またMAH(SiM/Vo)が"最近気になっているバンド"として紹介するなど注目を集めている。サウンドとしてはUKロックやグランジに分類されるが、ソングライターはWinter Wakesの元ギタリストで、HIKAGEのサポートも務めるなどラウド・シーンで名を馳せてきた梅田シュウヤ(Vo)。そんな彼が挑むクラシックなロック・サウンドは、無駄を削ぎ落としたかっこ良さと実験的な新しさが共存し、唯一無二のオルタナ感を醸している。アルバム全体に漂うのは、退廃的で鬱屈とした空気感や纏わりつく孤独感。社会への反発心や自身への苛立ちが生むエネルギーが、その轟音に乗せてヒリヒリと迫ってくる。"どのくらいの人身の丈にあったことしてる"という皮肉めいたワードがフックとなる「どのくらい」では、信じたい自分の可能性と現在地点とのギャップに歯がゆさが滲み、生まれ年を冠した「1999」はポップでありながら、ほぼ日本語詞で綴られた自虐的な言葉が印象的だ。気だるい雰囲気の中に香る古き良きロックンロールの恍惚。訴えたいステートメントと熱量を秘め、そのスタンスにまで本質的な"ロック"を追求し"ロックの復権"を目指す彼らの活躍に、いちロック・ファンとして期待したい。
センチメンタルリリー「国道25号線」 Music Video
続いては2022年10月始動、ギター・ポップ・ロックを鳴らす京都発の4人組バンド、センチメンタルリリー。昨年3月に公開されたドラマ仕立てのMV「国道25号線」の再生回数は2.5万回を超え、関西最大の10代才能発掘プロジェクト"十代白書2023"では準グランプリを獲得、さらにはオーディションを経て"ツタロックDIG LIVE Vol.11-OSAKA-"のオープニング・アクトを勝ち取るなど勢いに乗る彼らが、満を持して初の全国流通盤となる1stシングル『パラレルストーリー』をリリースした。平均年齢20.5歳のフレッシュな魅力に溢れた本作には、四つ打ちに乗せたキャッチーなメロディやライヴ映えしそうなクラップ、掛け声が弾ける表題曲「パラレルストーリー」、緩やかな横ノリのリズムが生むほのぼのとした空気感がふたりの幸せな今を物語る「おとぎ話」、爽やかなサウンドながら胸をキュッと締めつけるメロディ・ラインが甘酸っぱい「リコレクション」の3曲を収録。大切な人と過ごす何気ない日々や甘い思い出、そんな忘れたくない宝物たちを閉じ込めたピュアな歌詞は、山本大翔(Vo/Gt)の透明感のある歌声に乗せてキラキラと輝いて見える。その眩しいくらいにまっすぐな輝きで、青春真っ只中の若者たちはもちろん、青春時代を懐かしむ世代のもとにも、忘れかけていたあの頃のときめきを届けてほしい。
でかくてまるい。「36号線」Official Music Video
3組目は、容姿にとらわれることなく"好きなことを全力で誰でもやっていいんだの象徴"として"逆ビジュアル系"を謳う、札幌発青春ロック・バンド"でかくてまるい。"。2019年に高校の軽音楽部にて結成、幾度かのメンバー・チェンジを経て現在はケンゴ(Vo/Gt)、カンタ(Ba/Cho)、リント(Dr)による3ピース・バンドとして活動している。彼らといえば、昨年度の"マイナビ 閃光ライオット2023 produced by SCHOOL OF LOCK!"での熱演とグランプリ受賞が鮮烈な印象として残っている人も多いだろう。スタイリッシュなフロントマンは数多くいるが、文字通り"でかくてまるい"というとびっきりの個性を持ったヴォーカル ケンゴのまっすぐな歌と熱いメッセージは、彼が汗をかき声を枯らしながら放つからこそ響く何かがある。どんな容姿も個性として最強の武器になり得ることを証明したグランプリ受賞だったのではないだろうか。そんな彼らが、結成5年目にして初の全国流通盤となるシングル『国道/メロディー』をリリースした。収められたのは、グッド・メロディが胸を打つ疾走感溢れるナンバー「国道」と心温まるミドル・チューン「メロディー」の珠玉の2曲。「国道」のサビのシンガロングに、「メロディー」のラストを彩る"ららら"のコーラスと、ライヴでのオーディエンスの大合唱が目に浮かぶ。"02世代"の泥臭くも清々しい若いエネルギーに満ちた青春パンク・ロックは、ぜひライヴハウスで体感したい。
おとなりにぎんが計画『300えん』Official Music Video (HOME VIDEO)
最後は、初のミニ・アルバム『やさしい地図を描くんでしょ』を3月27日にリリースする名古屋発4ピース・バンド、おとなりにぎんが計画。始動からわずか1年ながらライヴを行えばソールド・アウト、さらには"出れんの!? サマソニ!? 2023"を勝ち抜き"SUMMER SONIC 2023"への出演を果たすなど、この1年ですでに着々と結果を残している。バンド初の音源となった「300えん」(2023年リリースの1st EP『たとえばにっきをかくとか』収録)は、コンビニのハムサンドが値上がりしたというなんとも素朴な歌なのだが、そんな"Twitterでつぶやいてもイイネも何にもこないような話"が気軽にできる、つぶやきを共有できる相手との些細な幸せが浮かぶ。SNSに蔓延する着飾った日常、"イイネ"の数で点数化されるSNS社会から解放された、身の回りにある幸せに気づかせてくれる優しい音楽がきっと今の世の中には必要だろう。このたびリリースされる1stミニ・アルバムにも、「300えん(2024ver)」を筆頭に、そんな愛おしい日常に寄り添った楽曲が並ぶ。ギターの柔らかな音色、ピアノの美しい旋律が包み込む「ピアスを外して」、シンセサイザーが駆け抜けるイントロから疾走感たっぷりのハツラツとしたナンバー「仕事が終わったら」など、聴くと心が軽やかになるようなバンド・サウンドも特徴的。弾き語りからバンド・バージョンに生まれ変わり、ドリーミーな空気感を纏う壮大なアレンジに仕上がった「ごはんできたよ(合奏)」といった過去曲の再録も収録された、まさに名刺代わりとなる1枚は必聴だ。
どれも気合の入った初全国流通盤4作。ぜひ手に取って、勢いづく若手バンド・シーンのエネルギーを感じてほしい。
RELEASE INFORMATION
TORO
1st ALBUM
『TORO』
PIL-9/¥2,500(税込)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
NOW ON SALE
[TORO TORO TORO RECORDS]
1. どのくらい
2. Without Me
3. 天国
4. EUPHORIA
5. 1999
6. 本音
7. SELF ESTEEM
8. THE SICKO
9. 見続けている
10. どのくらい(Studio Session)
11. EUPHORIA (Studio Session)
12. 本音(Studio Session)
配信はこちら
センチメンタルリリー
1st SINGLE
『パラレルストーリー』
NOW ON SALE
PIL-11/¥1,100(税込)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
[Ceti records]
1. パラレルストーリー
2. おとぎ話
3. リコレクション
配信はこちら
でかくてまるい。
NEW SINGLE
『国道/メロディー』
PIL-10/¥1,100(税込)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
NOW ON SALE
[さいはてレコーズ]
1. 国道
2. メロディー
配信はこちら
おとなりにぎんが計画
1st MINI ALBUM
『やさしい地図を描くんでしょ』
PIL-12/¥1,650(税込)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
2024.3.27 ON SALE
[おとなりレコード]
1. ピアスを外して
2. 仕事が終わったら
3. ごはんできたよ(合奏)
4. おーきなあたし
5. 金魚の餌(2024ver)
6. 300えん(2024ver)
配信はこちら
- 1
LIVE INFO
- 2025.10.18
-
TOKYOてふてふ
伊東歌詞太郎
挫・人間
シド
OKAMOTO'S
YONA YONA WEEKENDERS
ENTH × SPARK!!SOUND!!SHOW!!
アイナ・ジ・エンド
moon drop
RADWIMPS
キュウソネコカミ
ぜんぶ君のせいだ。
bokula.
the cabs
SWANKY DOGS
amazarashi
INORAN
WtB
osage
"LIVE AZUMA 2025"
カミナリグモ
Cody・Lee(李)
阿部真央
Newspeak
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
Keishi Tanaka × 村松 拓
"ASAGIRI JAM'25"
ズーカラデル
I Don't Like Mondays.
Victoria(MÅNESKIN) ※振替公演
ロザリーナ
the paddles
神聖かまってちゃん
LACCO TOWER
星野源
- 2025.10.19
-
DYGL
リュックと添い寝ごはん
OKAMOTO'S
Age Factory
bokula.
ぜんぶ君のせいだ。
moon drop
コレサワ
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
SIX LOUNGE
リリカル / みじんこらっく / とにもかくにも / ティプシーズ / 台所きっちん
SUPER BEAVER
Laura day romance
WtB
Omoinotake
"LIVE AZUMA 2025"
Cody・Lee(李)
ビレッジマンズストア
SPRISE
伊東歌詞太郎
浪漫革命
LUCKY TAPES
ハンブレッダーズ / KANA-BOON / キュウソネコカミ / マカロニえんぴつ ほか
ネクライトーキー×ポップしなないで
Keishi Tanaka × 村松 拓
ナナヲアカリ
"ASAGIRI JAM'25"
高岩 遼
Sou
森 翼
SCANDAL
パピプペポは難しい
osage
星野源
PIGGS
- 2025.10.20
-
打首獄門同好会
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
TOKYOてふてふ
TenTwenty
- 2025.10.21
-
The fin.
神聖かまってちゃん
ASIAN KUNG-FU GENERATION × ASH
- 2025.10.22
-
ザ・シスターズハイ
打首獄門同好会
キュウソネコカミ
ハク。× YONLAPA
ザ・ダービーズ
MONOEYES
挫・人間
VOI SQUARE CAT
kiki vivi lily
- 2025.10.23
-
DYGL
RADWIMPS
キュウソネコカミ
終活クラブ×ザ・シスターズハイ
MONOEYES
挫・人間
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
RAY
古墳シスターズ
トンボコープ
go!go!vanillas
- 2025.10.24
-
LUCKY TAPES
ExWHYZ
RADWIMPS
amazarashi
YOASOBI
YONA YONA WEEKENDERS
TenTwenty
THE BACK HORN
DYGL
アイナ・ジ・エンド
すなお
ポルカドットスティングレイ
OKAMOTO'S
藤巻亮太
キタニタツヤ
FIVE NEW OLD / 浪漫革命 / MONONOKE(O.A.)
WHISPER OUT LOUD
Cody・Lee(李)
BIGMAMA
僕には通じない
NOMELON NOLEMON
PEDRO
アーバンギャルド
- 2025.10.25
-
フラワーカンパニーズ
秋山黄色
センチミリメンタル
東京スカパラダイスオーケストラ
コレサワ
超☆社会的サンダル
eastern youth
打首獄門同好会 / ガガガSP / 片平里菜 / AMEFURASSHI ほか
chilldspot
TOKYOてふてふ
brainchild's
フレデリック
LACCO TOWER
YOASOBI
森 翼
Appare!
Rei
Age Factory
DeNeel
osage
優里
Lucky Kilimanjaro
KANA-BOON
ASH DA HERO
the paddles
シド
cinema staff
SUPER BEAVER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
bokula.
橋本 薫(Helsinki Lambda Club)
toe
ザ・ダービーズ
山内総一郎
INORAN
藤巻亮太
Omoinotake
OASIS
- 2025.10.26
-
フラワーカンパニーズ
DOES
センチミリメンタル
THE BACK HORN
Lucky Kilimanjaro
東京スカパラダイスオーケストラ
崎山蒼志
PIGGS
KANA-BOON
eastern youth
渡會将士
森 翼
超能力戦士ドリアン
優里
bokula.
モーモールルギャバン×ザ・シスターズハイ
オレンジスパイニクラブ
Appare!
ポルカドットスティングレイ
Age Factory
古墳シスターズ
Cody・Lee(李)
DeNeel
Mrs. GREEN APPLE
osage
阿部真央
moon drop
jizue
DYGL
INORAN
OASIS
ACIDMAN
9mm Parabellum Bullet
I Don't Like Mondays.
- 2025.10.27
-
YOASOBI
錯乱前戦
Damiano David(MÅNESKIN)
- 2025.10.28
-
終活クラブ
SIX LOUNGE
アイナ・ジ・エンド
YOASOBI
吉澤嘉代子
藤巻亮太
超能力戦士ドリアン
サニーデイ・サービス × NOT WONK
リュックと添い寝ごはん
- 2025.10.29
-
吉澤嘉代子
Damiano David(MÅNESKIN)
amazarashi
キュウソネコカミ
moon drop
怒髪天
- 2025.10.30
-
超☆社会的サンダル
LONGMAN
YOASOBI
凛として時雨
夜の本気ダンス
キュウソネコカミ
SIX LOUNGE
打首獄門同好会
Nikoん × Apes
挫・人間
- 2025.10.31
-
すなお
ExWHYZ
吉澤嘉代子
東京スカパラダイスオーケストラ
LONGMAN
YOASOBI
ガガガSP
フリージアン
FINLANDS
Newspeak
夜の本気ダンス
go!go!vanillas
超能力戦士ドリアン
岸田教団&THE明星ロケッツ
ポップしなないで
RAY
アイナ・ジ・エンド
- 2025.11.01
-
東京スカパラダイスオーケストラ
怒髪天
PIGGS
超☆社会的サンダル
ポルカドットスティングレイ
MONOEYES
シド
LACCO TOWER
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
LiSA
Omoinotake
"ボロフェスタ2025"
ドミコ
TOKYOてふてふ
Dannie May
SIX LOUNGE
hockrockb
go!go!vanillas
osage
RADWIMPS
The Biscats
brainchild's
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
chilldspot
moon drop
KANA-BOON
AFTER SQUALL
松永天馬(アーバンギャルド)
NANIMONO
愛美
CYNHN
DeNeel
kobore
the cabs
離婚伝説
[Alexandros] / WANIMA / UNISON SQUARE GARDEN / くるり ほか
- 2025.11.02
-
osage
OKAMOTO'S
PIGGS
HEP BURN
秋山黄色
吉澤嘉代子
MONOEYES
セックスマシーン!!
ビレッジマンズストア
離婚伝説
Mrs. GREEN APPLE
ズーカラデル
"ボロフェスタ2025"
KING BROTHERS
wacci
Laura day romance
PIXIES
Devil ANTHEM.
TOKYOてふてふ
RADWIMPS
Dannie May
ぜんぶ君のせいだ。
INORAN
キタニタツヤ
moon drop
KANA-BOON
AIRFLIP
ハンブレッダーズ×秀吉×囲碁将棋
羊文学 / sumika / クリープハイプ / マルシィ ほか
私立恵比寿中学
The Biscats
WtB
:[Alexandros] / 10-FEET / go!go!vanillas / マカロニえんぴつ ほか
bokula.
RELEASE INFO
- 2025.10.19
- 2025.10.22
- 2025.10.24
- 2025.10.25
- 2025.10.26
- 2025.10.29
- 2025.10.30
- 2025.10.31
- 2025.11.05
- 2025.11.07
- 2025.11.09
- 2025.11.10
- 2025.11.11
- 2025.11.12
- 2025.11.14
- 2025.11.18
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
暴動クラブ
Skream! 2025年10月号