Overseas
TUK SMITH & THE RESTLESS HEARTS
Writer : 山本 真由
ノスタルジックな魅力だけでなく、時代の空気を汲み取った――フレッシュで力強い音楽性と、クサい歌詞の絶妙なマリアージュ
70年代のグラマラスなロックを継承した"遅れて来たロック・スター"ことTuk Smith率いるTUK SMITH & THE RESTLESS HEARTSが、デビュー・アルバム『Ballad Of A Misspent Youth(邦題:しくじった青春のバラッド)』をリリース。
Tuk Smithは、幼少期からBLACK FLAG、THE EXPLOITED、DEAD BOYS、NEW YORK DOLLS、THE CLASHなどの音楽に親しむ生粋のパンク少年だった。そして、アウトサイダーなライフスタイルのなかで音楽が心の支えとなる青春時代を過ごした彼は、その後MOTT THE HOOPLEなどのUKグラム・ロックやパワー・ポップへと傾倒していく。
そんな彼は2009年よりロック・バンド BITERSのフロントマンとして約10年間活動、MÖTLEY CRÜEのNikki Sixx(Ba)など著名なアーティストからも支持を得るなど、順調にミュージシャンとしてのキャリアを積み上げる。2018年にBITERSが解散したことによって、Tuk Smithは自身の名を冠した新バンドを結成、それがこのTUK SMITH & THE RESTLESS HEARTSだ。
彼らは、結成して間もなくMÖTLEY CRÜEとDEF LEPPARDのツアー"The Stadium Tour"のオープニング・アクトに抜擢されるが、こちらはCOVID-19パンデミックの影響で実現せず。シングル4作品とEP 1作品をリリースするも、ライヴ活動ができない苦境が続き、レーベル契約も終了してしまう。そんな困難な状況を乗り越え、音楽を続けることを諦めなかった彼らは、2022年にAEROSMITHなどの楽曲を手掛けるソングライター/プロデューサーのMarti Frederiksenと、TukのマネージャーであるJohn Greenberg(80年代より数多くのアーティストを手掛けるベテラン・マネージャー)が共同で設立した新レーベル"MRG(Music Recording Group, LLC)"より、第1弾アーティストとしてデビュー・アルバムを制作することとなる。
そんな経緯でリリースされることとなった彼らのデビュー・アルバムである今作『Ballad Of A Misspent Youth』は、作品全体を通して、クラシックなロックンロールを尊重しつつ若々しくフレッシュな魅力も持ったBITERSから方向性としてはブレることなく、さらに洗練されたサウンドを実現させた印象。
まず、日本での1stシングルとなるTrack.2「Girls On The East Side Of Town(邦題:イースト・サイドの女たち)」は、日本語詞つきのミュージック・ビデオも公開されているので、ぜひチェックしてほしい。70年代のグラム・ロック的な雰囲気は残しつつ、余計なものを削ぎ落としたシンプル且つとにかくキャッチーなサウンドで、一聴しただけで口ずさめそうな"これぞまさにリード・シングル"という楽曲。歌詞もワイルドな内容ながら、特定の層を攻撃したり貶めたりするような表現はなく、気持ち良く楽しめるバランスの良さがあり、時代に合ったセンスを感じる。
そして、今作の表題曲であるTrack.1「Ballad Of A Misspent Youth(邦題:しくじった青春のバラッド)」は、ライヴで最高に盛り上がりそうなノリのいいハード・ロック・ナンバー。個人的には、UKロックから多大な影響を受けつつ、根っこにあるアメリカン・ロックの渋みやカラッとした聴きやすさが前面に出たTrack.6「Say Goodbye(邦題:おさらばしよう)」が、アトランタ出身のTukらのルーツが垣間見えて好印象。そのほかにも、歌唱力が映えるしっとりしたバラードや、軽やかなギター・サウンドがキャッチーなパワー・ポップ・テイストの楽曲などに、真面目に聴くと恥ずかしくなるようなコテコテのロックンロールな歌詞を乗せて。そんな我が道をゆくスタイルの楽曲の数々は、時代を超えたロックの楽しみ方を伝えてくれる。男臭いハード・ロックではなく、青春してる爽やかさがあって、聴く人を選ばない。懐古主義的ノスタルジックな魅力だけでなく、エネルギッシュなロックの魅力に気づいたMÅNESKIN以降の若いロック・リスナーにもリーチするフレッシュなサウンドは、ライヴハウスでもスタジアムでも輝きそうな柔軟性がある。
また、日本盤には3曲のボーナス・トラックが追加されており、THIN LIZZYのカバー曲「Dancing In The Moonlight (It's Caught Me In Its Spotlight)」も収録されている。様々なバンドがカバーしている70年代の名曲だが、Tukのハスキーな声質と、ブルージーな楽曲が相性抜群のTUK SMITH & THE RESTLESS HEARTSバージョンには、THIN LIZZYのファンも納得するはず。そしてなんと言っても日本盤のレトロ萌えポイントは、懐かしい昭和の雰囲気漂う邦題の数々。例えば、アルバム・タイトルの"Ballad Of A Misspent Youth"は、そのまま訳せば"時間を無駄にした若者のバラード"といった意味になるのだろうが、それを懐古的な目線で意訳し"しくじった青春"と表現しているのがエモい。こういう、盤で買う特別感が感じられる作品は、ぜひともCDを手に取って味わってほしい。
▼リリース情報
TUK SMITH & THE RESTLESS HEARTS
ニュー・アルバム
『Ballad Of A Misspent Youth(邦題:しくじった青春のバラッド)』
2023.12.13 ON SALE
SICX 195/¥2,500(税込)
amazon
TOWER RECORDS
HMV
[Sony Music Japan International]
※日本盤ボーナス・トラック3曲収録
※解説:増田勇一
※歌詞・対訳付
1. しくじった青春のバラッド / Ballad Of A Misspent Youth
2. イースト・サイドの女たち / Girls On The East Side Of Town
3. 臆病者はお呼びじゃない / Ain't For The Faint
4. 死んだら愛されるのさ / Everybody Loves You When You're Dead
5. 路上の影 / Shadow On The Street
6. おさらばしよう / Say Goodbye
7. 恋わずらいの街 / Lovesick City
8. 許すけど忘れないぜ / Forgive, But Won't Forget
9. つれない彼女 / Heartless*
10. ダンシング・イン・ザ・ムーンライト / Dancing In The Moonlight (It's Caught Me In Its Spotlight)* ※THIN LIZZYカバー
11. インディゴ / Indigo*
*日本盤ボーナス・トラック
- 1
LIVE INFO
- 2024.12.20
-
NOIMAGE
リュックと添い寝ごはん
Lucky Kilimanjaro
フリージアン
クジラ夜の街
Homecomings
ASP
キノコホテル
Absolute area
トゲナシトゲアリ
MILLENNIUM PARADE ※公演中止
- 2024.12.21
-
煮ル果実
ストレイテナー
back number
People In The Box
Helsinki Lambda Club
LiVS
シノダ(ヒトリエ)
フィロソフィーのダンス
あいみょん
Umisaya
Galileo Galilei
クジラ夜の街
クレナズム
浪漫革命
DENIMS
ベランダ
怒髪天
"MERRY ROCK PARADE 2024"
tacica
Homecomings
ずっと真夜中でいいのに。
SPECIAL OTHERS
LEGO BIG MORL
佐々木亮介(a flood of circle)
Absolute area
Hello Sleepwalkers
PEOPLE 1
新しい学校のリーダーズ
アーバンギャルド
mzsrz
MOROHA
- 2024.12.22
-
ExWHYZ
ストレイテナー
back number
Helsinki Lambda Club
tacica
シノダ(ヒトリエ)
上白石萌音
フィロソフィーのダンス
Lucky Kilimanjaro
大森靖子
あいみょん
WONK
Aooo
People In The Box
ザ50回転ズ
Homecomings
DOES
怒髪天
"MERRY ROCK PARADE 2024"
ずっと真夜中でいいのに。
majiko
ゴホウビ
miida × stico
さめざめ
小林柊矢
TK from 凛として時雨
adieu(上白石萌歌)
MyGO!!!!!
PEOPLE 1
新しい学校のリーダーズ
LEEVELLES × 名無し之太郎
- 2024.12.23
-
DOES
Cody・Lee(李)
LiVS
ドレスコーズ
Cody・Lee(李)
RAY×BELLRING少女ハート
坂本慎太郎
原因は自分にある。
東京初期衝動
- 2024.12.24
-
羊文学
川上洋平([Alexandros])
藤巻亮太
ポップしなないで
CIVILIAN
Plastic Tree
yama
- 2024.12.25
-
UNISON SQUARE GARDEN
原因は自分にある。
ExWHYZ
サンドリオン
川上洋平([Alexandros])
豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOL
シノダ(ヒトリエ)
ずっと真夜中でいいのに。
- 2024.12.26
-
BiS
いゔどっと
優里
Cwondo
LACCO TOWER
ネクライトーキー / kobore
UVERworld
Dannie May
- 2024.12.27
-
いゔどっと
"FM802 RADIO CRAZY 2024"
優里
TK(凛として時雨)
シノダ(ヒトリエ)
賽
Devil ANTHEM.
"TOKYO COUNT DOWN 2024"
ネクライトーキー / 3markets[ ]
ビッケブランカ
ExWHYZ
煮ル果実
神聖かまってちゃん
SANDAL TELEPHONE
ウソツキ
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.28
-
CENT
ザ・クロマニヨンズ × go!go!vanillas
the paddles
"FM802 RADIO CRAZY 2024"
TK(凛として時雨)
シノダ(ヒトリエ)
ADAM at
TENDOUJI
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
鯨木
Homecomings
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
モノブライト
BiS
THE YELLOW MONKEY
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI / PIGGS / Wang Dang Doodle / ゆっきゅん
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.29
-
"FM802 RADIO CRAZY 2024"
ADAM at
DIALOGUE+
Aooo
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.30
-
Dragon Ash × The BONEZ
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2024.12.31
-
Nornis / ROF-MAO / 葛葉 ほか
"第8回 ももいろ歌合戦 ~愛の大晦日~"
フラワーカンパニーズ
FINLANDS
"COUNTDOWN JAPAN 24/25"
大森靖子
9mm Parabellum Bullet×アルカラ
"LIVEHOLIC presents COUNT DOWN SPECIAL 2024→2025"
- 2025.01.03
-
JIMMY EAT WORLD
- 2025.01.04
-
私立恵比寿中学
RAY×BELLRING少女ハート
いゔどっと
sajou no hana
PRIMAL SCREAM / ST. VINCENT / JIMMY EAT WORLD ほか
- 2025.01.05
-
RAY×BELLRING少女ハート
PRIMAL SCREAM
Base Ball Bear
WEEZER / MANIC STREET PREACHERS / DIGITALISM ほか
PIGGS
- 2025.01.06
-
THE JESUS AND MARY CHAIN
RELEASE INFO
- 2024.12.20
- 2024.12.21
- 2024.12.25
- 2024.12.26
- 2024.12.27
- 2024.12.28
- 2025.01.01
- 2025.01.06
- 2025.01.08
- 2025.01.10
- 2025.01.12
- 2025.01.14
- 2025.01.15
- 2025.01.17
- 2025.01.20
- 2025.01.22
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ST. VINCENT
Skream! 2024年12月号