Overseas
BROKEN SOCIAL SCENE
2010年05月号掲載
Writer 佐々木 健治
BROKEN SOCIAL SCENE(以下、BSS)としては、2006年に発表されたサード・アルバム『Broken Social Scene』以来となるアルバム『Forgiveness Rock Record』が到着した。
絶賛を浴びた『Broken Social Scene』発表後は、BROKEN SOCIAL SCENE Presentsとして、Kevin DrewとBrendan Canning が『Spirit If...』『Something for All of Us...』というソロ名義の作品をそれぞれリリース。その活動の中で、BSSとしての新たな作品の制作に取り組むモチベーションが湧いてきたという。
このアルバム制作は、2007年、2008年に主に活動をともにしてきた6人のメンバーが中心となって進められた。プロデューサーには、彼らの敬愛するJohn McEntire(TORTOISE)を迎えている。
そして完成された『Forgiveness Rock Record』というアルバムを一言で言えば、壮大な全方位型のロック・アルバムだ。自分達の音楽性の殻に閉じこもることなく、むしろ、殻自体を儲けることなく、あらゆる扉を開放し続けるBSS にしかできない作品と言える。
BSS 自体が、それぞれバンド活動を行っているメンバー同士のセッションの中から生まれた不定形なバンド形態(現在では、23人だという。バンドというよりも、ある種のコミュニティに近い。)であり、それぞれの音楽性の違いに対する寛容こそ、このバンドの肝だとも言える。
活動当初から貫かれる「誰でも気軽に参加できる開けた状態であること」というポリシーが、彼らの音楽性の開けた多幸感に繋がっている。1曲目「World Sick」のイントロで爪弾かれるギターの心地よさから、彼らの本領発揮とも言える分厚いバンド・サウンドが押し寄せてくる。この多幸感こそ、まさにBSS。
そして、ニューウェイヴな「Chase Scene」、躍動するリズムに心躍る「Texico Bitches」。80'sフレイヴァーを効かせたエレクトロに、ストリングスが載る「All To All」。「Art House Director」では、疾走感溢れるローファイ・ポップに勇ましいブラスがさらに勢いをつける。さらに、あまりに美しいドリーミー・バラード「Sweetest Kill」や「Me And My Hand」まで、そのヴァラエティの振れ幅の大きさと、どちらに向かおうが保たれる高い音楽性とポジティヴなヴァイブに圧倒される。
しかし、アルバムを通して聴けば、その振れ幅が何一つブレに繋がっていないところに、彼らの素晴らしさがあると分かるはずだ。もちろん、個々の持ち味と楽曲との相性を熟考したからこそだが、決してそれが散漫な結果になることなく、それぞれの魅力を押し広げながらも、しっかりとBSSの音楽性と美学を全員が共有しているからこそ、この祝祭の音楽に力強い生命力が宿っているのだろう。
考えてみれば、僕達がここ数年抱いていた閉塞感は、細分化していく世界との付き合い方を誰もが見つけかねていたことに起因していると思う。しかし、グローバル化が進み、地域や家族というコミュニティの存在意義が失われかけた時に、その崩壊を推し進めているように見えたものの向こうに、再びコミュニティが現れてきている。それは、決して昔はよかったなんて懐古主義の産物ではない、新しい関係性だ。そういう変化は、大概小さくとも素晴らしい人間関係が連鎖していく。トロントの音楽家のコミュニティであるBSSの音楽は、それをはっきりと僕達に示してくれる。始まりはいつだって、ちょっとしたきっかけだ。大金にものを言わせる権力の煽動じゃない。
今回のアルバム・ジャケットに施された、人、空、海、山そして都市をコラージュが採用されている。そして、そのアート・ワークにはガムテープが使ってある。しかも、あからさまにガムテープだと分かるように。そう、ガムテープみたいな日用品だって、有効なツールになりえる。
★BROKEN SOCIAL SCENEから広がるカナダ産オルタナティヴ・ロック☆★☆★☆
ZEUS 『Say Us』(2010)
BSSが在籍するレーベル“Arts&Crafts”期待の新人。複雑怪奇なポスト・ロックとTHE BEATLES直系のメロディが絡み合う新世代ポップ・ソング。
STARS 『In Our Bed Room After The War』(2007)
BSSにも参加している男女混合ヴォーカルの“Arts&Crafts”看板バンド。瑞々しいポップなメロディと美しいバンド・サウンドが魅力。
Feist 『The Reminder』(2007)
ここ日本でも、あのCMで一躍注目を集めたカナダの歌姫Feistも、BSSのメンバー。もちろん、今作にも参加しています。はい、ご一緒に「1,2,3,4」。
ARCADE FIRE 『Neon Bible』(2007)
カナダのオルタナティヴなロック・シーンにおいて、絶大な存在感を誇るARCADE FIRE。そのクラシカルでありながら、斬新な音楽性が世界中に衝撃を与えた傑作セカンド。
HOLY FUCK 『LP』(2007)
BSSのサポートを受けてデビューしたエレクトロニカ・バンドHOLY FUCK。エクスペリメントな音の洪水にぶっ飛ばされるセカンド・アルバム。
- 1
LIVE INFO
- 2025.05.14
-
yummy'g
VOI SQUARE CAT
ホリエアツシ(ストレイテナー)/ 橋口洋平(wacci)
大森靖子
WANIMA
緑黄色社会
Hello Hello
PEDRO
LiSA
清 竜人25
怒髪天
- 2025.05.15
-
a flood of circle
THE YELLOW MONKEY
SPARK!!SOUND!!SHOW!! / the dadadadys
女王蜂
No Buses
星野源
WANIMA
山内総一郎×斎藤宏介
CENT
オレンジスパイニクラブ
Homecomings × Cody・Lee(李)
mol-74
トゲナシトゲアリ × She is Legend
LiSA
- 2025.05.16
-
Hump Back
ORCALAND
ヒトリエ
Mr.ふぉるて
Creepy Nuts
fox capture plan
a flood of circle
ReN
四星球
ayutthaya
No Buses
The Ravens
People In The Box
flumpool
ヤングスキニー
星野源
[Alexandros]
VOI SQUARE CAT
Baggy My Life / Am Amp / Comme des familia
INF
never young beach
- 2025.05.17
-
フラワーカンパニーズ ※振替公演
THE BAWDIES
"CIRCLE '25"
女王蜂
sumika
渡會将士
アーバンギャルド
ネクライトーキー
ExWHYZ
斉藤和義
Bimi
Creepy Nuts
四星球
いきものがかり / Omoinotake / Saucy Dog / アイナ・ジ・エンド ほか
DIALOGUE+
GLIM SPANKY / 水曜日のカンパネラ / 岡崎体育 / Laura day romance ほか
コレサワ
flumpool
Official髭男dism
THE BACK HORN
People In The Box
GANG PARADE
WtB
BRADIO
"ACO CHiLL CAMP 2025"
indigo la End
[Alexandros]
ポップしなないで
小林私 / 色々な十字架 / 叶芽フウカ(O.A.)
INORAN
ずっと真夜中でいいのに。
村松 拓(Nothing's Carved In Stone/ABSTRACT MASH/とまとくらぶ)
インナージャーニー / 地元学生バンド ほか
- 2025.05.18
-
渡會将士
androp
"CIRCLE '25"
アーバンギャルド
sumika
ねぐせ。
ヒトリエ
THE BAWDIES
斉藤和義
ReN
a flood of circle
ASP
22/7
OKAMOTO'S / Lucky Kilimanjaro / サニーデイ・サービス ほか
ポップしなないで
WANIMA
"COMING KOBE25"
Official髭男dism
DIALOGUE+
The Ravens
Mr.ふぉるて
おいしくるメロンパン
ExWHYZ
コレサワ
BRADIO
"ACO CHiLL CAMP 2025"
私立恵比寿中学
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
SPECIAL OTHERS
INORAN
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
ずっと真夜中でいいのに。
- 2025.05.19
-
点染テンセイ少女。
- 2025.05.21
-
VOI SQUARE CAT
斉藤和義
Saucy Dog
打⾸獄門同好会 / くるり / ストレイテナー ほか
あいみょん
Hakubi
yummy'g
渡會将士
ADAM at
緑黄色社会
- 2025.05.22
-
ORCALAND
Saucy Dog
ReN
片平里菜
w.o.d. ※振替公演
あいみょん
ねぐせ。
オレンジスパイニクラブ
清 竜人25
DYGL
Maki
フリージアン
チリヌルヲワカ
Base Ball Bear
otsumami feat.mikan
ayutthaya
I Don't Like Mondays.
- 2025.05.23
-
ORCALAND
[Alexandros]
Mr.ふぉるて
indigo la End
a flood of circle
THE BAWDIES
DYGL
w.o.d. ※振替公演
ADAM at
Plastic Tree
浅井健一
ゴキゲン帝国
TOMOO
"GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary"
Hakubi
レイラ
LEGO BIG MORL
- 2025.05.24
-
ReN
Mr.ふぉるて
indigo la End
[Alexandros]
GANG PARADE
ヤングスキニー
緑黄色社会
ASP
サカナクション
おいしくるメロンパン
ヤバイTシャツ屋さん / UNISON SQUARE GARDEN / ストレイテナー ほか
コレサワ
THE BACK HORN
片平里菜
ポップしなないで
People In The Box
星野源
Novelbright
Baggy My Life × Comme des familia
mol-74
ネクライトーキー
LACCO TOWER
Plastic Tree
WANIMA
ADAM at
アルコサイト
"ながおか 米百俵フェス 2025"
sumika
浅井健一
SHE'S / SCANDAL / wacci ほか
VOI SQUARE CAT
終活クラブ
SUPER BEAVER
"Shimokitazawa SOUND CRUISING 2025"
DeNeel
the telephones
The Ravens
FUNKIST
HY
the shes gone
"GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary"
LEGO BIG MORL
ビレッジマンズストア
- 2025.05.25
-
バンドじゃないもん!MAXX NAKAYOSHI
ReN
コレサワ
flumpool
a flood of circle
ヤングスキニー
緑黄色社会
GANG PARADE
ASP
サカナクション
THE BAWDIES
10-FEET / The BONEZ / バックドロップシンデレラ ほか
ACIDMAN
片平里菜
星野源
Baggy My Life × Comme des familia
秋山黄色 / This is LAST / Chilli Beans. / reGretGirl ほか
ネクライトーキー
"ながおか 米百俵フェス 2025"
sumika
浅井健一
GLIM SPANKY / 阿部真央 / 和田 唱(TRICERATOPS)ほか
GOOD BYE APRIL × Nolzy × First Love is Never Returned
Mirror,Mirror
HY
the shes gone
"GREENROOM FESTIVAL 20th Anniversary"
Cody・Lee(李)
- 2025.05.26
-
清 竜人25
水中スピカ
Poppin'Party
RELEASE INFO
- 2025.05.14
- 2025.05.16
- 2025.05.19
- 2025.05.21
- 2025.05.23
- 2025.05.28
- 2025.05.30
- 2025.06.01
- 2025.06.04
- 2025.06.11
- 2025.06.13
- 2025.06.18
- 2025.06.20
- 2025.06.25
- 2025.06.28
- 2025.07.02
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
トゲナシトゲアリ
Skream! 2025年05月号