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DISC REVIEW

Japanese

2025年06月号掲載

空に薫るは夏の影

渋谷WWWで開催する初ワンマン・ライヴは即日ソールド・アウト。"貴方の孤独に寄り添う音楽を"をコンセプトに掲げ、活動の勢いを加速させる3人組バンド Bocchiがキャリア初のフル・アルバムをリリースした。オープニング「影送り」の疾走感溢れるメロディで駆け出し、ポエトリー・リーディングを交えた「忘却、」、「追憶。」等、抑揚の効いたまさやの歌声や爽やかで繊細な旋律がドラマチックに彩り、"これがきっと僕ら最期の夏"と綴った「透命人間」でエンディングを迎える本作。まるで1本の映画を観たような満足感と、消えてしまいそうな、淡く脆い初夏の記憶を思い出すような懐かしさが感じられる、これからの夏めく日にそばにいてほしい一枚となった。(中島 希実)