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DISC REVIEW

Japanese

2013年10月号掲載

アラビアの禁断の多数決

禁断の多数決

『アラビアの禁断の多数決』

Release Date : 2013-11-20
Label : SPACE SHOWER MUSIC

YouTubeにアップしたPVが話題を呼び、その謎が多い存在感も相まって注目を集める禁断の多数決の2ndアルバム。現時点で筆者の手元に届いているのは全14曲中7曲のみなので詳しく書き切ることはできないが、今聴ける楽曲――ストリングスとホーンをフィーチャーした壮大なOPトラック「魔法に呼ばれて」、ロマンティックでキャッチーなダンス・ポップ「トゥナイト、トゥナイト」、精錬としたシティ・ポップ風の「リング・ア・ベル」、トライバルな太鼓の上を幽玄なギターと尺八(?)のような音色が響く「踊れ踊れ」、様々な音楽要素が重なり合ったアイリッシュ風ダンス「アイヌランド」......などなど、ジャンルや地域性を飛び越え、かつ前作以上にポップ・ミュージックとしての強度を持った楽曲が並んでいる。傑作の予感しかない。(天野 史彬)


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エンタテインメント

音楽がエンタテインメントになれない時代だ。しかし、音楽がなんとなくの欲求を満たすチープな娯楽になるのは嫌だ。音楽は虚しいセックスじゃない。というわけで僕は禁断の多数決に1票。この新作のTrack.1「ちゅうとはんぱはやめて」で彼らは、ラッパーの泉まくらをフィーチャーし、これまでになく明確なメッセージを発している。"好きにも嫌いにも聞こえん言葉と/得体の知れん星の数で出来上がるレビュー""丁寧に練った愛の歌ハモって/禁断の多数決が好きなんて言えんで"。何故、禁断の多数決は数多の情報でその身を隠し、数多の情報をその音楽の中に詰め込むのか?――それは彼らがエンタテインメントだからである。エンタテインメントとは、かくも複雑に入り組んだエゴイスティックな駆け引きなのである。(天野 史彬)


アラビアの禁断の多数決

YouTubeにアップしたPVが話題を呼び、その謎が多い存在感も相まって注目を集める禁断の多数決の2ndアルバム。現時点で筆者の手元に届いているのは全14曲中7曲のみなので詳しく書き切ることはできないが、今聴ける楽曲――ストリングスとホーンをフィーチャーした壮大なOPトラック「魔法に呼ばれて」、ロマンティックでキャッチーなダンス・ポップ「トゥナイト、トゥナイト」、精錬としたシティ・ポップ風の「リング・ア・ベル」、トライバルな太鼓の上を幽玄なギターと尺八(?)のような音色が響く「踊れ踊れ」、様々な音楽要素が重なり合ったアイリッシュ風ダンス「アイヌランド」......などなど、ジャンルや地域性を飛び越え、かつ前作以上にポップ・ミュージックとしての強度を持った楽曲が並んでいる。傑作の予感しかない。(天野 史彬)


はじめにアイがあった

自作のミュージック・ビデオが一部の間では話題になっていたが、まだまだロック・シーンの中では無名の存在である“禁断の多数決”。楽曲もチル・アウトありエレクトロありポップスありヴォーカルも4人いたりとトピックだけをとると、かなりとっちらかっているように思えるが、その全てが実験的ではなく非常に高いクオリティを持っている。YouTubeでも話題になっていた変態的エレクトロ・ポップの「アナザーワールド」やアルバム用に装いを変えた今のこのバンドの代表曲と言える「透明感」の中毒性の高いリフレインするヴォーカル・ワークなど、1曲1曲を切り取っていくとキリがないのだが、まずは聴いていただきたい。その未知数のふり幅に、恐らく十人十色の感想を得れるだろう。(伊藤 啓太)