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DISC REVIEW

Overseas

Settle

DISCLOSURE

『Settle』

Release Date : 2013-07-10
Label : ユニバーサル インターナショナル

noneイギリスは南ロンドン出身の兄弟エレクトロ・ダンス・デュオ、DISCLOSUREの1stアルバム。兄のGuyは21歳、弟のHowardは18歳とかなり若いユニットだが、実際、このふたりの作る音楽からは、若さゆえの瑞々しさとロマンティシズムが溢れている。90年代のクラブ・シーンからの影響を強く思わせる音作りながらも、昨今のR&Bに通じるしっとりとした甘さ、インディー・ロックとも通じる力強いポップネスも放出するこの音像は唯一無二。この無邪気さとキャッチーさは、イギリスにおけるtofubeatsのような存在と言えるかもしれない。ALUNAGEORGEやJessie Wareといった客演との相性のよさ、その華やかさも手伝って、本国のチャートでは初登場1位を獲得。9月に来日も決まっており、この夏をより熱くすること必至。

(天野 史彬)


ダンス・ミュージックとは即ち、絶え間のない変化の連環の中で、万物は微かな軋みと共にゆっくりと位相していく、という定理を分かり易く示す1つの行為である。それは"はじまり、やがて、おわる"というサイクルの中に生きる人間存在の縮図でもある。本来、Settle(定着)という言葉、概念は存在し得ない。このロンドン出身の兄弟デュオの作品はその理を見事に体現している。ステディなビートの中に入れ替わり立ち替わり現れる、昨年から今年にかけてポップ・ミュージックの地平を一変させたアーティストたち。門戸を多くの人々に開きながら、DISCLOSUREは1つの真理を教えてくれる。冒頭の牧師の説教にあるように"すべてはいつか変わってしまう"のだ。だから、僕らは今、踊る。

(小田部 仁)