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DISC REVIEW

Overseas

9 stories

Veni Vidi Vicious

『9 stories』

Release Date : 2011-04-13
Label : DAIZAWA RECORDS/UK.PROJECT

昨年1月の突然の活動休止から389日、静かに復活を遂げたVENI VIDI VICIOUS。復活後1作目となる本作は、過去2作と比べると、そのジャケットのごとく全体的に暗く煙ったい。だがこの煙は、ただただぼんやりと漂っているようでありながら、気付けばこの身にまとわりついて離れない。暴力や酒が飛び交う喧騒の真ん中で、それを斜に構えて見ているような、野暮ったい悲恋を描いたジム・ジャームッシュのような、ひどく寂しい映画の如く、どこか虚しくも愛おしさが募ってしまう世界のより深くまで誘われ、気付けばその深みにはまっている。“いつだって世界は嘘にまみれる”“願わない 信じない そうやって生きてきた”…言葉を拾おうとしたらきりがないほどに、切れ味鋭くも脆く不安定な刹那がいくつも詰まっている。(島根 希実)


Related DISC REVIEW

Good Days

Veni Vidi Viciousが息を吹き返した。そして覚静した。思えば、活動休止発表時、入江良介自身は解散の気持ちでいた。つまり、本当なら、VVVは1年半前に死んだも同然だった。そんな、事実上の死、そこを抜け出た先にあったものこそが、本作のタイトル・トラック「Good Days」。自分が死んだと仮定して妻と子供に書いたという、“僕が守る”ではなく愛する者の幸福をひたすらに願うこの曲は、彼が自らを殺すことで、初めて外界と繋がることが出来た曲でもある。そして、入江良介自身がTwitterでもって“届け!”と言い、拡散希望を、“繋がり”を求めたこの曲には、これまでのVVVでは持ち得なかったものがいくつも詰まっている。人生への、愛、希望。音楽への、愛、希望。ここには、命と希望、そしてバンドにとっての変化と発展がある。(島根 希実)


9 stories

昨年1月の突然の活動休止から389日、静かに復活を遂げたVENI VIDI VICIOUS。復活後1作目となる本作は、過去2作と比べると、そのジャケットのごとく全体的に暗く煙ったい。だがこの煙は、ただただぼんやりと漂っているようでありながら、気付けばこの身にまとわりついて離れない。暴力や酒が飛び交う喧騒の真ん中で、それを斜に構えて見ているような、野暮ったい悲恋を描いたジム・ジャームッシュのような、ひどく寂しい映画の如く、どこか虚しくも愛おしさが募ってしまう世界のより深くまで誘われ、気付けばその深みにはまっている。“いつだって世界は嘘にまみれる”“願わない 信じない そうやって生きてきた”…言葉を拾おうとしたらきりがないほどに、切れ味鋭くも脆く不安定な刹那がいくつも詰まっている。(島根 希実)