佐々木 健治|Skream! ライブレポート
Reported by 佐々木 健治
THE VASELINES : Official-Site myspace
90年代、NIRVANAを通じて世界にその存在を一気に知られることとなったスコットランドの至宝THE VASELINES。僕も、一時期は本当にとりつかれたように聴いていたバンドだ。
そんな伝説のバンドが、2009年のフェスに出るなんて、思ってもいなかったので、ラインナップに名前を見つけた時は、もう目が点というか、意味が分からなかったが、徐々に期待が高まっていた。
そして、迎えたライヴ当日。当時のまま(当時を知らないけど)というよりも、歳を重ねたおっさん、おばちゃん達が彼らが生み出した素晴らしい音楽と無邪気に戯れている。TOM TOM CLUBもそうだったが、THE VASELINESのライヴも、またそうした雰囲気に満ちていた。
Eugene KellyもFrances MuKeeも、肩透かしを食らうほどリラックスしているというか、何も着飾っている様子がない。お金を貰えなくても、この人達は怒らないんじゃないか?と思ってしまうほど。

序盤から「Son Of A Gun」「Molly’s Lips」「Jusus Wants Me For A Sunbeam」といった名曲の数々を披露していくが、そのテンションも演奏も声も、まさに僕が知っているTHE VASELINESそのもの。想像通りヘロヘロだけど、しっかりと安定した演奏だし、原曲にも忠実。何だかとても安心して楽しむことができた。
その中でも、「一端の男だと思ってるみたいだけど、あんたなんか私を満足させられないただのガキよ」とFrances MuKeeが歌う「You Think You're a Man」は出色の出来。キュートでパンキッシュなこのナンバーに、観客からはダイヴも起こる。
その後も、SONIC全体が、歌ったり、身体を揺らしたり、叫んだりしながら、彼らのライヴを思い思いに楽しんでいた。Eugene Kellyが「僕はBEYONCEが大好きなんだ。彼女と結婚したいね」とジョークを飛ばすMCも含め、会場全体がTHE VASELINESの着飾ることのない、暖かい空気に染まっていくようなライヴ。ラスト・ナンバー「Dum Dum」のパンキッシュさもやっぱりキュート。THE VASELINESは、どこまでもTHE VASELINESだった。
そして、ある種のフォークロアとすら言えるようなTHE VASELINESのメロディの豊穣さが、ライヴだとよりダイレクトに伝わってきたことも、とても嬉しかった。
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