Japanese
KALMA
Skream! マガジン 2021年12月号掲載
2021.11.02 @LIQUIDROOM ebisu
Writer 秦 理絵 Photo by 中山優瞳
弱くても迷ってもいい。同じ時代を生きる人たちが明日を生きる希望になれたら。10月にリリースされたKALMAの最新アルバム『ミレニアム・ヒーロー』は、そんなひとつの覚悟をもって完成させた作品だった。そのアルバムを引っ提げた全国ツアーだ。タイトルは"KALMA ワンマンツアー 2021 秋~冬 「ミノ焼いて!レバー焼いて!ニンニクも焼いちゃって!アミ替えたら!無になって!火を見つめて!今しかない!ロックバンド!生まれてきてくれてありがとう!」"。10月22日の大阪 なんばHatchを皮切りに、全国5ヶ所をまわるツアーのセミ・ファイナルとなった恵比寿LIQUIDROOM公演は、メジャー・デビューから1年、2000年生まれのロック・バンドとして理想を全力で突き詰めていく、あまりにも等身大のライヴだった。
ライヴは『ミレニアム・ヒーロー』の1曲目に収録されたタイトル・トラック「Millennium Hero」、「夏の奇跡」の曲順どおりに幕を開けた。金田竜也が叩き出す軽快で力強いビート。斉藤陸斗が弾く棘のあるベース・ライン。全力で感情をぶつける畑山悠月のハスキーでまっすぐなヴォーカル。"前に進む"以外の不要なものを、極限まで削ぎ落したような3ピースのバンド・サウンドが、フロアを一気に最高潮へと押し上げていく。パンク・ロック「逃げるなよ、少年!」のあと、"流行りのバンドのような臭いラヴ・ソングとかオシャレな歌は書けないし、歌えないし、やるつもりない"と切り出した畑山。"僕ら3人が届けたい歌をやっているバンドです。欲張りでわがままなバンドだけど、一番になりたい、そんな歌を"と届けたのは「バンド」。ロック・バンドのロマンを直球で歌い上げるその想いに応えるように、フロアからは一斉に拳が上がった。
リキッドルーム(LIQUIDROOM ebisu)2デイズの2日目ということで、"同じ曲をやっても、今日にしかない瞬間があるから。昨日よりいい日にしたいと思っています"と意気込みを伝えてから届けたのは「素晴らしい毎日」。序盤の熱さを少しクール・ダウンするような穏やかな空間を作り上げると、メンバー全員の輪唱のようなコーラスが絡み合ったバラード曲「親友」、初期の代表曲「年上の、お前」、そして、人懐こいメロディに"好き"の気持ちが溢れた「恋人」へ。このタームは、人対人の歌だ。身近な人との様々の関係性のなかで育っていく想いが、あけすけで飾らない、ストレートな言葉で紡がれていく。
"焦らず落ち着いていきましょう"金田がのんびりとリズムを刻むなか、畑山の呼び掛けで始まった「スローでイコー」は、タイトルとは裏腹に、ぐんぐんスピードが加速して、最終的には"走っていこう"に切り替わっていくのが面白かった。ポップさと鋭さを併せ持つ「ふたりの海」から、美しいアルペジオで突入した「これでいいんだ」へ。アップ・ナンバーが続く。「くだらん夢」では、畑山が、斉藤のマイク・スタンドで歌ったかと思えば、斉藤は、金田のいるドラム・セットのほうに向きを変え、全身を躍動させて演奏をしていた。「1分間の君が好き」では、肩に掛けたギターを背中にまわした畑山が、両手で力強くマイクを掴んで絶唱。ステージをめまぐるしく動きまわりながら繰り広げられる熱いパフォーマンスは、まるでブレーキがバカになったようなテンションだ。
本編最後のMCでは、"このツアーをまわってきて、かなりバンドが成長したなと思っています。......成長とか、あんまり言いたくないんですけど、みんなの前では。でも本当に強くなったなと思います"と、切り出した畑山。"まだここで満足してるわけではないですから。もっとたくさんの人の前で歌いたい。より大きいところで歌いたいなと思います。たぶん心配ない気がしてます、今は。今ぐらいは安心したいし、いい気分でいたいです。これからもよろしくお願いします"と、この瞬間の達成感を噛みしめるように言うと、"また明日からの難しい毎日を生きていくための希望の歌を歌いたいなと思います。この歌で今だけはみんなのヒーローになれたら"と、「希望の唄」に繋いだ。さらに、"いつまでもこの3人で音楽をやれたらと思います!"と叫び、ステージが強い光に包まれるなか、「blue!!」で青い衝動を叩きつけると、ラストは爆発的なショート・チューン「モーソー」で終演。"いい歌"で終わらせてみせるのも悪くはないが、汗を流し、声をからし、ライヴハウスで燃え尽きてこそロック・バンドの正義とでもいうような、一切余力を残さないフィナーレだった。
アンコールは、フロアにお客さんを座らせて、アコースティック・コーナーから始まった。"体育館の全校集会みたい(笑)"と、斉藤が笑って言ったが、リキッドルームのフロアにお客さんが座っている光景はちょっと新鮮だった。"出会いと別れの歌をやります"そう言って、畑山がアコギ、斉藤はエレキ・ベース、金田はシェイカーとタンバリンという編成で届けたのは「さよならのメロディ」。続けて、ツアーならではのご当地ネタを替え歌で織り交ぜた「わがまま」でアットホームな空間を作り上げた。最後は再びバンド・セットに戻って、"ずっと忘れたくない気持ちを歌います"と「TEEN」、前のめりなカウントで突入した「デイズ」から「少年から」へと間髪入れずに畳み掛けた。アンコールの最後まで、おまけ感は1ミリもなく、愚直なまでに全力であり続ける姿がKALMAらしかった。
KALMAのライヴは明日が見えるのがいい。「素晴らしい毎日」でも、「希望の唄」でも、「デイズ」でも歌っていたが、過去があって、今があって、明日がくる。そういう連続性の中で、必死に命を燃やす歌にぐっとくる瞬間が何度もあった。だから、KALMAのロックを聴くと、ほんの少しだけ自分が強くなれる気がする。そういうロック・バンドを"ヒーロー"と呼ばず、なんと呼ぼうか。
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