Japanese
mihoro*
Skream! マガジン 2021年03月号掲載
2021.02.02 @StreamPass
Writer 吉羽 さおり Photo by 中山優瞳
昨年10月に初の全国流通盤となるミニ・アルバム『Re:』をリリースした、シンガー・ソングライター mihoro*が、2月2日にリリース記念ワンマン・ライヴ"破釜沈船"を行った。有観客でのライヴから、緊急事態宣言の発令を受けてオンライン開催にはなったが、バンド・セットでのワンマンは久しぶりだ。『Re:』でもプレイした伊吹文裕(Dr)、雲丹亀卓人(Ba)、ギターにモリシー(Awesome City Club)という手練れのバンド・メンバーを率いて、1曲目「ナチュラルハイ」からグッとアクセルを踏み込んでいくライヴになった。
ミニ・アルバム『Re:』を幕開ける曲でもある「ナチュラルハイ」は、スロウなビートによる白昼夢的な曲だが、エレキ・ギターをピックで弾きながらポツリポツリとつぶやくmihoro*のヴォーカルと、混沌とした胸の内を映したような、ノイジーなバンド・サウンドとのコントラストで引き込む。ライヴではこのバンドでのアンサンブルが音源よりも重厚感を増していて、またmihoro*のヴォーカルもより陰影に富んで、ヒリっとした情感を漂わせる気だるい色っぽさがあっていい。感情をバーストさせるアウトロの長めのアンサンブルも重なって、のっけから求心力のあるステージだ。そしてヘヴィなギターの咆哮の余韻の中、ドラムのカウントで疾走感のある「ルサンチマン」へと続く。ゆっくりとひとつひとつの言葉を置いていく「ナチュラルハイ」から一転して、超早口でまくし立てる曲でmihoro*の表情もくるくると変わっていく。始まりの際にどことなく漂っていた緊張感を勢いで跳ね飛ばす感じで、mihoro*もバンドも実に楽しそうに躍動している。mihoro*は"「破釜沈船」よろしくお願いします!"と声を上げると、次に「ロックバンドと貴方」とグルーヴィな「電車に乗って」を続け、アコギをかき鳴らし「遊んでたの、知ってるよ。」を歌い出す。ゆっくりと焦らすようなギターのカッティングは、彼からの連絡を待つ長い夜の時間を映したようで、切ない。2018年、高校2年生のときにMVを作ってYouTubeに公開した「遊んでたの、知ってるよ。」は、今なお、たくさんの人からコメントが寄せられている。自身の経験と重ねたり、もどかしい恋愛の渦中にいたりする同世代のリスナーたちが、心の内をこぼしていくようなコメントも多く、リアリティがあって素直なmihoro*のソングライティングや歌の魅力が伝わる1曲。この曲が持つ、不安で、悶々とした夜ならではの歪なタイム感が、より自由気ままに表現されていくのは、ライヴの醍醐味だ。
中盤は、mihoro*の弾き語りによるブロック。"改めまして、岡山から来ましたmihoro*です"と自己紹介し、有観客から配信ライヴになってしまったことを告げるも、"画面を通してになりますが、画面を通してでも伝わるものがあると思います。最後までよろしくお願いします"と言って、伸びやかに「さよなら最愛の人」を歌い出す。少し舌足らずなヴォーカルがセンチメンタルだ。そして「ねぇ、」、「くだらない」をフレンドリーに、語り掛けるように歌う。mihoro*によると「ねぇ、」をライヴで披露するのは2~3年ぶりだそうだが、知ってくれている人も多いと語る。"「ねぇ、」を歌ってくださいと言ってくださる方も多くて。緊張したぁ"と笑顔を覗かせた。また、次に演奏した「品川」は、以前はよく歌っていたが、最近はなかなかライヴもなく歌っていなかったと紹介し、"作ったときから大事にしている曲"だと言って丁寧に歌い上げる。
再びバンド・セットでの後半は"盛り上がっていきます、よ?"と声を上げて「知らないワタシ」からスタート。軽やかなカントリー調のサウンドで、バンドが放つ陽性の空気や、4人の笑顔を、画面の向こうへと押し出していくようなパワーが心地よい。そこから続く「証」は新曲で、昨年の緊急事態宣言時にインスタライブをしながら作った曲だ。そのときは弾き語りだったが、これがバンド編成での演奏でエネルギッシュなギター・ロックになった(「証」は、ライヴ翌日の2月3日に配信リリースされた)。ミニ・アルバム『Re:』ではmihoro*がこれまでに書き綴った曲や、ライヴで披露してきた曲などもリアレンジされ収録されていたが、「証」をはじめ、この後半はこれからのmihoro*を見せてくれるような曲が揃っている。ファンク調のビートに乗せてメンバー紹介を兼ねた「愛して欲しいの」から、新曲「会いたいなんて言わせないで」をアグレッシヴなバンド・サウンドで披露し、そのバンド感を加速させて「コドモノママデ」へと続く。"弾き語りで初めて人前で歌ったのが2015年の中学3年生のとき。ライヴハウスで歌ったのが高校1年生で、そこから高校時代、高校を卒業してからたくさんのライヴをしてきました"とmihoro*はMCをする。そして、"ライヴではたくさんの人に出会って、そのたくさんの人にここまで支えられてきました。そのみなさんに恩返しができるかな"と続け、今春ビクターエンタテインメントからメジャー・デビューすることを発表した。"これは、本当は直接会って言いたかった!"と悔しさを滲ませつつも、"デビューをしても、今まで通り曲を作って歌うということは変わらないんですけど。今日のライヴもですが、たくさんの人が関わって協力してもらっているんだなということを実感しました。この先ずっと、みなさんに愛してもらえるようにしていきますので、これからもmihoro*をよろしくお願いします"と続ける。またライヴハウスで、フェイス・トゥ・フェイスで会えるように思いを込めて、ラストに「いつか、」を演奏したmihoro*。今回の"破釜沈船"には、決死の覚悟で出陣するという意味があるが、シンガー・ソングライターとしてより大きな舞台へと乗り出していく今を爽やかに、エネルギッシュに、またチャーミングな表情で見せたステージになった。
[Setlist]
1. ナチュラルハイ
2. ルサンチマン
3. ロックバンドと貴方
4. 電車に乗って
5. 遊んでたの、知ってるよ。
6. さよなら最愛の人
7. ねぇ、
8. くだらない9. 品川
10. 知らないワタシ
11. 証
12. 愛して欲しいの
13. 会いたいなんて言わせないで
14. コドモノママデ
15. いつか、
LIVE STREAMING INFORMATION
"mihoro* mini Album『Re:』リリース記念ワンマン「破釜沈船」"
アーカイヴ(見逃し配信)期間:2021年2月3日(水)19:00~2月14日(日)23:59
チケット販売期間:~2月14日(日)20:59
詳細はこちら
- 1
LIVE INFO
- 2025.06.25
-
オレンジスパイニクラブ
ザ・シスターズハイ
SHE'S
星野源
TenTwenty
Czecho No Republic
PEDRO×詩羽
People In The Box
斉藤和義
岡崎体育
- 2025.06.26
-
Creepy Nuts
ザ・シスターズハイ
ヤングスキニー
怒髪天
ドミコ
TENDOUJI
the dadadadys
斉藤和義
WANIMA
岡崎体育
にしな
プルスタンス / Navy HERETIC / cherie / ライティライト
- 2025.06.27
-
四星球
Creepy Nuts
GOOD ON THE REEL
Subway Daydream
東京スカパラダイスオーケストラ
ビッケブランカ
the shes gone
The Slumbers
GLIM SPANKY
オレンジスパイニクラブ
女王蜂
ポルカドットスティングレイ
ドミコ
フリージアン
サイダーガール
TENDOUJI
Nothing's Carved In Stone
荒谷翔大
yama × 群馬交響楽団
chilldspot
WHISPER OUT LOUD / Good Grief / CrowsAlive / UNMASK aLIVE
Amber's × シズクノメ
空白ごっこ
WANIMA
岡崎体育
"LIVEHOLIC 10th Anniversary series~ナニカシラ presents sunriseeee!!!!〜"
- 2025.06.28
-
眉村ちあき
女王蜂
鶴
LOCAL CONNECT
竹内アンナ
GRAPEVINE
怒髪天
[Alexandros]
Lucky Kilimanjaro
Organic Call
浅井健一
"CRAFTLAND"
チリヌルヲワカ
the shes gone
CYNHN × タイトル未定 × fishbowl
OKAMOTO'S / w.o.d. / MONO NO AWARE / Laura day romance ほか
いゔどっと
いきものがかり
ASP
コレサワ
ドレスコーズ
神はサイコロを振らない
Laughing Hick
荒谷翔大
福永浩平(雨のパレード)
FINLANDS
the dadadadys
私立恵比寿中学
スカート
ゴキゲン帝国
礼賛
ORCALAND
"World DJ Festival Japan 2025"
ネクライトーキー
FIVE NEW OLD
斉藤和義
sumika
"TAKASAKI CITY ROCK FES.2025"
忘れらんねえよ / BLUE ENCOUNT / ヒトリエ / 打首獄門同好会 ほか
Halo at 四畳半
TGMX(FRONTIER BACKYARD etc.)
岡崎体育
Novelbright
- 2025.06.29
-
眉村ちあき
アルコサイト
ヤングスキニー
ブランデー戦記
鶴
竹内アンナ
GRAPEVINE
[Alexandros]
HEP BURN
GLIM SPANKY
怒髪天
FINLANDS
Lucky Kilimanjaro
ネクライトーキー
東京スカパラダイスオーケストラ
浅井健一
Chimothy→
SVEN(fox capture plan)
いゔどっと
大原櫻子
荒谷翔大
reGretGirl
ドレスコーズ
VOI SQUARE CAT
終活クラブ
サイダーガール
ポルカドットスティングレイ
いきものがかり
ASP
コレサワ
清 竜人25
私立恵比寿中学
"World DJ Festival Japan 2025"
おいしくるメロンパン
斉藤和義
sumika
"TAKASAKI CITY ROCK FES.2025"
yutori
岡崎体育
Nothing's Carved In Stone
Novelbright
- 2025.06.30
-
Dear Chambers
清 竜人TOWN
浜崎容子(アーバンギャルド)
Hump Back
岡崎体育
- 2025.07.01
-
ビレッジマンズストア
Mirror,Mirror
岡崎体育
- 2025.07.02
-
ヤングスキニー
キュウソネコカミ
SHE'S
Saucy Dog
Hump Back
Laura day romance × Billyrrom
Jean-Ken Johnny(MAN WITH A MISSION)/ 寺中友将(KEYTALK)/ 谷口 鮪(KANA-BOON)/ アユニ・D(PEDRO)
ドミコ
岡崎体育
- 2025.07.03
-
ヤングスキニー
キュウソネコカミ
斉藤和義
go!go!vanillas
蒼山幸子
kobore × プッシュプルポット × Brown Basket
PK shampoo
TenTwenty
Saucy Dog
ビレッジマンズストア
クジラ夜の街
KALMA
the dadadadys
神聖かまってちゃん
サカナクション
フィロソフィーのダンス×清 竜人25
岡崎体育
- 2025.07.04
-
Nothing's Carved In Stone
MAN WITH A MISSION
斉藤和義
ExWHYZ
GRAPEVINE
SAKANAMON
LOCAL CONNECT
the shes gone
ビレッジマンズストア
蒼山幸子
kobore × プッシュプルポット × Brown Basket
女王蜂
ザ・シスターズハイ
DOLL PARTS
カナタタケヒロ(LEGO BIG MORL)
GANG PARADE
佐々木亮介(a flood of circle)
大原櫻子
緑黄色社会
ポルカドットスティングレイ
リーガルリリー
浅井健一
サカナクション
Mom
- 2025.07.05
-
Nothing's Carved In Stone
SAKANAMON
鶴
THE ORAL CIGARETTES / ヤングスキニー / 水曜日のカンパネラ ほか
reGretGirl
GLIM SPANKY
チリヌルヲワカ
キュウソネコカミ
ART-SCHOOL
コレサワ
[Alexandros]
フラワーカンパニーズ
shallm
go!go!vanillas
アーバンギャルド
ExWHYZ
FINLANDS
"見放題大阪2025"
GRAPEVINE
片平里菜
HY
SCOOBIE DO
the shes gone
怒髪天
荒谷翔大
the dadadadys
envy
サイダーガール
緑黄色社会
め組
Helsinki Lambda Club
androp
WtB
ASP
Conton Candy
The Slumbers
有村竜太朗
- 2025.07.06
-
PEDRO
Creepy Nuts
UVERworld
鶴
ビッケブランカ
sumika / Novelbright / Omoinotake ほか
荒谷翔大
reGretGirl
[Alexandros]
竹内アンナ
go!go!vanillas
ネクライトーキー
FIVE NEW OLD
DYGL × Newspeak × ANORAK!
片平里菜
PK shampoo
GLIM SPANKY
"見放題名古屋2025"
女王蜂
SCOOBIE DO
怒髪天
チリヌルヲワカ
ART-SCHOOL
Bimi
jizue
クレナズム
halca
HY
SIX LOUNGE
ドレスコーズ
LEGO BIG MORL
有村竜太朗
フラワーカンパニーズ
- 2025.07.07
-
ビレッジマンズストア
NakamuraEmi
浅井健一
- 2025.07.08
-
TENDOUJI
Hump Back
go!go!vanillas
ビレッジマンズストア
the dadadadys
kobore × プッシュプルポット × Brown Basket
銀杏BOYZ
- 2025.07.09
-
SHE'S
いきものがかり
Maki
山内総一郎(フジファブリック)
RELEASE INFO
- 2025.06.25
- 2025.06.27
- 2025.06.28
- 2025.07.02
- 2025.07.03
- 2025.07.04
- 2025.07.05
- 2025.07.06
- 2025.07.07
- 2025.07.08
- 2025.07.09
- 2025.07.11
- 2025.07.13
- 2025.07.15
- 2025.07.16
- 2025.07.20
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
音ノ乃のの
Skream! 2025年06月号