Japanese
ドミコ
Skream! マガジン 2021年03月号掲載
2021.02.09 @LIQUIDROOM ebisu
Reported by 稲垣 遥 Photo by 小杉歩
ドミコがLIQUIDROOM ebisuで"VOO DOO TOUR?"の追加公演を行った。ドミコと言えば、同ツアーのファイナルとなった渋谷TSUTAYA O-EAST公演をパッケージした映像作品について、"編集が終わり、満足度のかなり高い作品になったため"と急遽発売するのを中止し、同時により多くの人に観てもらいたいとYouTubeでフル・セット無料公開するという前代未聞の発表の仕方をしたのも記憶に新しい。そんなふうに予定調和を柔軟に裏切り、私たちを驚きと共に唸らせ、楽しませてくれる彼らのアティテュードは、この日のライヴでも存分に表出されたのだった。
開場BGMとして流れていたKING GIZZARD & THE LIZARD WIZARD(これまた規格外で知られるバンド)の曲が止み、長谷川啓太(Dr)と、少し遅れてさかしたひかる(Vo/Gt)が登場。さかしたがキリキリキリ......と硬質なギターを響かせ、ピンクと緑の照明で怪しく照らされるなか、耳にこびりつくギター・リフと緩急のあるビートが癖になる人気曲「まどろまない」からライヴは始まった。立て続けに「ペーパーロールスター」、「噛むほど苦い」とハードで聴き手を高揚させるロック・ナンバーをいきなり畳み掛け、さかしたもがなったり、咆哮したりするような歌い方が目立つ。先述した同じツアーのファイナルではリバーブを効かせ、VJによる演出も用いてファンタジックにスタートしたのが印象的だったため、それとはまったく違う、より肉体的でアグレッシヴなインパクトを与える幕開けだ。
"センキュー!"マイクを通さずにさかしたが発すると、長谷川がハイハットを歯切れ良くチキチキと鳴らし始め、気怠くグルーヴィ、且つ分厚いギター・サウンドが重なっていく。新鮮なアレンジで始まったのは「マカロニグラタン」だった。キーも下げていただろうか。とにかく新曲か!? と一瞬思うほどの音源からの表情の変化に胸が高鳴った。こういうことを何も言わずにしてしまうあたりが、ドミコのライヴが毎回フレッシュな理由でもあり、それが観客を楽しませようとかよりも、おそらく彼ら自身が楽しみたいだけなんだろうなと思わせるのがまたいい。
そこから「アーノルド・フランク&ブラウニー」では、破裂音のような長谷川のドラムと終盤のさかしたによるギターのフィードバックも心地よく、ヘヴィで退廃的なムードに引きずり込んでいく。かと思えば、音源以上にぽわんとした丸いエフェクトが掛かったリフで趣を変えた「問題発生です」、そして、後半から歪みまくりの派手なセッションを挟むと、また対照的にカッティング・ギターが軽やかな「ロースト・ビーチ・ベイベー」へ。目まぐるしい曲展開だが、シームレスに次の曲の世界へ誘い込む巧みな繋ぎ方も、磁力のように目耳を惹きつける。そして、次は何がくるんだ? と観るのがなんとも楽しいのだ。また、MCはないものの、「くじらの巣」で"もっと変化を手にしたり/こわして必死に生きないと嫌だ 意味がない"と歌いながら、ギターから手を離してさり気なく胸を叩いたさかしたが最高にクールだった。
そうするうちに、瞬く間にライヴは終盤戦に突入していて、湿度の高いブルージーなギターをバックに歌い始めた「深海旅行にて」では、さかしたがおもむろに長谷川のほうへと向かい合い、ドラム・セットに近づいていく。突如始まったジャム・セッションだが、この日はギターとドラムの対決というよりは、ボリュームをぐんと下げてみて、そこからうねりや爆発力を生み出すなど、その場で、ふたりで何が出るか実験しているような感じだ。大きな拍手が贈られるなか、"あと3曲やって帰ります"とさかしたが言い、「おばけ」、「化けよ」、ラストに「びりびりしびれる」を連続で投下。ドミコ・サウンドとしか形容しがたいユニークな音の雪崩に、もはや酩酊感のようなものを与えられ、本編が終了した。
アンコールに応え、まず長谷川が登場。ドラム・スローンに腰を掛けて軽くオーディエンスへ向けて会釈すると、"アンコールありがとうございます。何曲かやるんで楽しんでってください"とひと言挨拶する。やや間をおいてさかしたも現れ、マイクに向かうと"アンコールありがとうございます。何曲かやるんで楽しんでってください"と長谷川とまったく同じ台詞を発し笑った。
白のバックライトに照らされ、神聖なムードも湛えて届けられた「地動説」。その水の中へ深く沈むようなアウトロから、ジェットコースターの如き急勾配で、ポップに「united pancake」へ突入! ドミコの曲の中でも最上級にキャッチーなギター・リフがはじけると、瞬発的に会場が揺れ、手も上がるなどフロアもわかりやすく盛り上がりを見せた。そのまま長谷川のパワフルなフロア・タムの連打を合図に、ラスト・ナンバー「こんなのおかしくない?」になだれ込む。観ている側も一緒に歌いたくなるところをぐっと堪えながら控えめに音に身を任せる今、リアルタイムに"こんなのおかしくない?"の言葉は突き刺さり、より一段階LIQUIDROOMの温度が上がった感覚が確かにあった。
映像演出なし、より生音で勝負したような迫力の1時間40分。これにて"VOO DOO TOUR?"は終了した。相変わらず絶えることのない音楽への探究心を、追加公演にして、また自身の曲と向き合い新しい実験的精神を感じさせたドミコのステージには、わくわくしっぱなしだった。また彼らの音が響く場所で再会することが、終わった瞬間からすでに楽しみになってしまうステージングに、ありったけの拍手を送った。
[Setlist]
1. まどろまない
2. ペーパーロールスター
3. 噛むほど苦い
4. マカロニグラタン
5. My Body is Dead
6. アーノルド・フランク&ブラウニー
7. さなぎのそと
8. 問題発生です
9. ロースト・ビーチ・ベイベー10. くじらの巣
11. WHAT'S UP SUMMER
12. 深海旅行にて
13. おばけ
14. 化けよ
15. びりびりしびれる
En1. 地動説
En2. united pancake
En3. こんなのおかしくない?
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桃色ドロシー
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