Japanese
ドミコ
Skream! マガジン 2020年12月号掲載
2020.11.14 @渋谷TSUTAYA O-EAST
Writer 稲垣 遥 Photo by 小杉歩
ドミコは今、強度もきめ細やかさも極めたサウンドを手に入れようとしている。そんな姿を見せつけたツアー・ファイナルだった。本来は5月より行われる予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響で延期に延期を重ね、10月より開催された、ミニ・アルバム『VOO DOO?』のツアー。各会場キャパシティの制限のため1日2公演での開催となった。ここではソールド・アウトとなった最終日、渋谷TSUTAYA O-EAST公演夜の部の模様をレポートする。
 リバーブの効いた「地動説」のイントロのギターを紡ぐさかしたひかる(Vo/Gt)を、横から捉えた映像が黒い紗幕に映し出され、幻想的なムードでそのままワンコーラス歌い上げると、この夜がまさに"幕を開け"た。ステージ上のメンバーの姿が露わになると、自然と拍手が上がる。ドミコのワンマン史上最大キャパのこのO-EAST。広めのステージの中央には、絨毯を敷いたドラム・セットと長谷川啓太(Dr)、アンプ数台とギターを持ったさかした。一見広々と、がらんとしたように見えるかもしれないが、私たちはそれで充分なこと、それだけが最高なことを知っている。
曲のラストで長谷川が力強いドラムを響かせると、"ドミコですよろしく"とさかしたがひと言発し、「問題発生です」へ。椅子席の距離を保ちつつも、観客が横に揺れる。この瞬発的に反応し合うステージとフロアに、有観客ライヴのグルーヴを感じ嬉しくなったが、すぐにそんな感情はいい意味でぶっ飛んだ。ドミコの音楽を身体全体で浴びる今をただ楽しんでいたくなったのだ。ふたりは時に目を合わせ息の合ったキメや転調を次々展開し、さかしたのヴォーカルものびのびと響いている。2部公演の2公演目(しかもMCはほぼないため、各公演約90分演奏しっぱなし)だが、疲れなどは微塵も感じられず、むしろ最初から温まりきっている様子。
リバーブの効いた「地動説」のイントロのギターを紡ぐさかしたひかる(Vo/Gt)を、横から捉えた映像が黒い紗幕に映し出され、幻想的なムードでそのままワンコーラス歌い上げると、この夜がまさに"幕を開け"た。ステージ上のメンバーの姿が露わになると、自然と拍手が上がる。ドミコのワンマン史上最大キャパのこのO-EAST。広めのステージの中央には、絨毯を敷いたドラム・セットと長谷川啓太(Dr)、アンプ数台とギターを持ったさかした。一見広々と、がらんとしたように見えるかもしれないが、私たちはそれで充分なこと、それだけが最高なことを知っている。
曲のラストで長谷川が力強いドラムを響かせると、"ドミコですよろしく"とさかしたがひと言発し、「問題発生です」へ。椅子席の距離を保ちつつも、観客が横に揺れる。この瞬発的に反応し合うステージとフロアに、有観客ライヴのグルーヴを感じ嬉しくなったが、すぐにそんな感情はいい意味でぶっ飛んだ。ドミコの音楽を身体全体で浴びる今をただ楽しんでいたくなったのだ。ふたりは時に目を合わせ息の合ったキメや転調を次々展開し、さかしたのヴォーカルものびのびと響いている。2部公演の2公演目(しかもMCはほぼないため、各公演約90分演奏しっぱなし)だが、疲れなどは微塵も感じられず、むしろ最初から温まりきっている様子。
さらにギアを入れ、長谷川がフロア・タムをスピーディに叩く迫力の入りからは、アグレッシヴなロックンロール・ナンバー「びりびりしびれる」、「噛むほど苦い」と『VOO DOO?』収録曲4曲を立て続けに披露した。その場で音をループさせ曲を築き上げていくドミコのライヴのひとつの名物的な部分も、シンプルなギターとドラムと歌で魅せるパートも、どちらもキレッキレじゃないか。
 中盤に披露したのは、ハードでノイジーながら、耳に入ってきやすいポップなメロディが、彼らのライヴではむしろヴィヴィッドに感じられる「My Body is Dead」。そして、TELEVISION「Marquee Moon」のギター・リフをゆるく取り入れつつ、エフェクトでドミコらしさを漂わせた「さなぎのそと」。彼ららしく音源とはまた違ったこの日のライヴならではのアレンジを織り交ぜながら、様々な音風景を見せてくれる。
中盤に披露したのは、ハードでノイジーながら、耳に入ってきやすいポップなメロディが、彼らのライヴではむしろヴィヴィッドに感じられる「My Body is Dead」。そして、TELEVISION「Marquee Moon」のギター・リフをゆるく取り入れつつ、エフェクトでドミコらしさを漂わせた「さなぎのそと」。彼ららしく音源とはまた違ったこの日のライヴならではのアレンジを織り交ぜながら、様々な音風景を見せてくれる。
この日は、巨大なスクリーンがある会場ならではのプロジェクターを使った映像演出が加わっていることで、楽曲の世界観をよりいっそう際立たせていた。その場のふたりの演奏シーンにリアルタイムでエフェクトをかけたVJも興味深かったが、特に印象に残ったのは「ロースト・ビーチ・ベイベー」だ。さざ波が立つ浜辺を歩くイソガニ、カラフルなかき氷、神輿を担いだお祭り、スイカ割りを楽しむ人たち、夜空に一斉に打ち上がる花火......と夏の風景を切り取った写真や映像が次々と映し出される中でのこの曲の演奏は、今年2020年、すべてを開放して満喫することができなかった、忘れかけていた夏を取り戻すようで、胸が熱くなってしまった。
そして、終盤もうひとつのハイライトは「深海旅行にて」。曲中の、冴え切ったギターと爆発音の如くはじけるドラムの真っ向勝負的なジャム・セッションには、貫録のようなものも感じてしまった。その気迫溢れるプレイに釘づけになったオーディエンスからはこの日一番の大きな拍手と共に手も上がり、抑えきれず漏れたような歓声も聞こえた気がした。ラストは1月の下北沢GARDEN公演で新曲として演奏された「おばけ」、「化けよ」が、その当時の強烈に酔うようなインパクトを携えつつ、アルバム収録時以上のダイナミクスさをもって鳴らされ、続いて、キラーチューン「ペーパーロールスター」で盛り上げ本編終了。
ふたりが一度捌けたあと、スクリーンには"2021.02.09 LIQUIDROOM coming soon?"という文字が映し出され、期待のこもった拍手が沸いた。アンコールに応えふたりが登場すると、"アンコール2曲の予定だったんですけど、スタッフが聴きたい曲があるってことで3曲やります"(さかした)ということで、急遽追加された「アーノルド・フランク&ブラウニー」をヘヴィ且つブルージーに鳴らす。次いでさかしたが絶唱で締めくくった「くじらの巣」、そして「こんなのおかしくない?」で、日頃我々が抱えてきた釈然としない想いを痛快に浄化し、カタルシスたっぷりにライヴは終演を迎える。満足感を湛えた拍手に包まれながら、やり切った、といった清々しい面持ちで、ふたりは振り返ることなくステージを去っていった。
[Setlist]
1. 地動説
2. 問題発生です
3. びりびりしびれる
4. 噛むほど苦い
5. まどろまない
6. My Body is Dead
7. さなぎのそと
8. 怪獣たちは
9. ロースト・ビーチ・ベイベー10. WHAT'S UP SUMMER
11. 深海旅行にて
12. おばけ
13. 化けよ
14. ペーパーロールスター
En1. アーノルド・フランク&ブラウニー
En2. くじらの巣
En3. こんなのおかしくない?
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