Japanese
ドミコ
Skream! マガジン 2020年03月号掲載
2020.01.25 @下北沢GARDEN
Writer 稲垣 遥 Photo by 小杉歩
"domico"の赤と青のネオン管がぼんやりと明かりを灯すなか、長谷川啓太(Dr)がドラムスローンにつく(長谷川のヘアスタイルが新しくなっていることに一瞬フロアがざわついた)。そのあと、さかしたひかる(Vo/Gt)が現れるとトラッドなギターを聴かせ、フォーキーな「怪獣たちは」でこの夜を始めた。
昨夏8月以来約半年ぶりの東京ワンマン。ソールド・アウトの下北沢GARDENにはドミコのグッズに身を包んだ若い女性もいれば、メンバーの親世代ほどの人もいて、様々な年代や風貌の観客が入り乱れていた。期待感はそれぞれに滲むものの、いい意味で統一感はなく、思い思いにドミコの音楽を楽しむ姿が印象的だった。
しっとりとスタートした「怪獣たちは」はラストでピッチを上げ、そこから「わからない」へ。さかしたがギターの音をその場で重ねてループ、そして、長谷川がそこに静動自在でグルーヴィなドラミングを合わせることで、ジャンル無用な音を構成していく、彼らのライヴの看板とも言える持ち味を存分に発揮。オーディエンスの注目も集まり、自然とフロアが揺れていく。
漏れるような歓声が上がった「こんなのおかしくない?」、ふたりが時折目を合わせながら歌う「My Body is Dead」、海に沈んでいくようなメロウなギターも響かせた「バニラクリームベリーサワー」など6曲立て続けに演奏し、さかしたは"センキュー"とひと言。彼らのライヴには"MC"はなかった。そもそも人前に立つことを目的とせず始まったバンドだったということ以上に、今のドミコは、ライヴでパフォーマンスするということを念頭に置いたうえで、言葉よりも自分たちの曲を聴いてくれればいいという気持ちが大きい気がした。
そして、その姿勢を理解するには充分すぎるほどの豊かなサウンドスケープを、彼らは描いてくれるのだ。
ギター・カッティングと浮遊するコーラスで常夏感を演出する「WHAT'S UP SUMMER」では後半、ディレイの効いたギターをバックに矢継ぎ早に詞をまくしたてるパートが、涼しさと焦燥感を見事に同居させる。太い低音のリフで引っ張っていく「プライマリケア」は、阿吽の呼吸でひとつひとつの展開を聴かせ、曲が進むごとに迫力を増していく。続く、横ノリの「裸の王様」ではさかしたもラフに揺れながらパフォーマンス。ふたりはどこまでもポーカーフェイスだが、この場で生まれる音を、ライヴという空間を満喫しているようなムードも滲む。ドミコの楽曲は1曲の中でテンポをぐっと落としたり、雰囲気をガラリと変えたり、緩急をつけて揺さぶるものも多く、その多彩な音楽を浴びるこちら側も楽しくて仕方がない。
また、その音を純粋に楽しもうというムードは、音源とはまったく違う幻想的なイントロで惹き込んだ「ロースト・ビーチ・ベイベー」や、こちらもガレージ調の音源に対して、カントリー・テイストで柔らかく演奏した「マイララバイ」でも感じられた。新たな手腕や技巧を見せつけるというよりは、ナチュラルに、今の気分のまま奏でるようなアレンジで、リスナーの気持ちを高めてくれる。
終盤はゴキゲンなリフから始まる「地球外生命体みたいなのに乗って」、カラフルな照明にもぴったりの「united pancake」と初期曲を連続で畳み掛け、フロアのテンションも高潮。本編ラストは、Apple MusicのCM曲にもなったナンバー「ペーパーロールスター」。長谷川は頭を振りながら勇壮且つシュアなリズムを刻み、さかしたもそれに応戦してドラム・セットに乗りこの日一番の轟音を響かせ、曲終わりにはギターを高く掲げた。オーディエンスも拳を上げ、ハイライトとなるシーンになった。
アンコールでは、先に登場した長谷川に対し、観客から髪型を褒める言葉が飛ぶと、長谷川は照れながら珍しく訥々と話し始めるが、その最中に登場したさかしたによりバッサリ強制終了させられる場面があり、笑ってしまった。ちなみに、ライヴ後Twitterに上がった投稿によると、長谷川のその今風にゆるくセットされた髪は、出番直前にさかしたの思いつきによりカットされたものとのこと。ふたりの関係性やノリを窺わせるいい後日談だ。
そして、さかしたはここでニュー・ミニ・アルバム『VOO DOO?』のリリースとツアーの開催を発表。"アルバムから一番気持ち悪い曲やります"と前置きし、新曲を披露した。その言葉通り同曲は禍々しいSEの導入部から、エレクトロな音が交ざり、一方でローもしっかり鳴るし、ドラムもシンプルな中に手数の多いフレーズが挟まれる、今までにないカラーの"気持ち悪い曲"で、かなりのインパクトによりフロアを圧倒。新作からの初披露でこの曲をチョイスしたことに笑ってしまうほどだった。しかし、そんな複雑な曲だったからこそ、ライヴでそれが構築されていく様を観られることにワクワクしたし、自分も含めたその場にいた誰もが目も耳も釘付けになったと思う。次回作への期待を確実に高めた痛快な1曲だった。
その後は、激しめのセッションを挟んで「まどろまない」、1stアルバムのオープニングにしてシンプルなロック・ナンバー「my baby」をかき鳴らし、ふたりはステージを去った。
この日発表されたように、次回作を引っ提げたツアーの東京公演の会場は、渋谷TSUTAYA O-EASTというバンド史上最大キャパのハコとなる。多くを語らず、自身の音楽だけを武器に、着実に会場を満員にして一歩一歩進んでいくドミコ。まだまだ新鮮な音を聴かせてくれそうな彼らの、今後の歩みも刮目していたい。
[Setlist]
1. 怪獣たちは
2. わからない
3. こんなのおかしくない?
4. My Body is Dead
5. バニラクリームベリーサワー
6. Pop,Step,Junk!
7. WHAT'S UP SUMMER
8. くじらの巣
9. プライマリケア
10. 裸の王様11. ロースト・ビーチ・ベイベー
12. 幽霊みたいに
13. マイララバイ
14. 深海旅行にて
15. 地球外生命体みたいなのに乗って
16. united pancake
17. ペーパーロールスター
En1. 新曲
En2. まどろまない
En3. my baby
- 1
LIVE INFO
- 2025.11.24
-
リーガルリリー
ポルカドットスティングレイ
WurtS
brainchild's
ねぐせ。
キタニタツヤ
u named (radica)
ザ・クロマニヨンズ
ぜんぶ君のせいだ。
go!go!vanillas
LiSA
Lucky Kilimanjaro
すなお
私立恵比寿中学
くるり
NANIMONO
ブランデー戦記
清 竜人
Conton Candy
凛として時雨
秋山黄色
The Biscats
9mm Parabellum Bullet
LACCO TOWER
No Buses
CNBLUE
miwa
山本彩
BIGMAMA
崎山蒼志
ExWHYZ
RADWIMPS
Ayumu Imazu
MEW
- 2025.11.25
-
打首獄門同好会
Another Diary
すなお
シベリアンハスキー
The Ravens
chilldspot
- 2025.11.26
-
Dios
桃色ドロシー
ザ・クロマニヨンズ
シベリアンハスキー
TENDRE
UVERworld
PEDRO
BLUE ENCOUNT
material club
Mirror,Mirror
Galileo Galilei
chilldspot
- 2025.11.27
-
打首獄門同好会
MONOEYES
Cody・Lee(李)
moon drop
桃色ドロシー
オレンジスパイニクラブ
OKAMOTO'S
ザ・クロマニヨンズ
TENDRE
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
PEDRO
Tempalay
あたらよ
- 2025.11.28
-
Galileo Galilei
優里
BLUE ENCOUNT
go!go!vanillas
怒髪天
DJ後藤まりこ × クリトリック・リス
VII DAYS REASON
Dios
崎山蒼志
凛として時雨
ズーカラデル
コレサワ
SHERBETS
Another Diary
cakebox(シノダ/ヒトリエ)
ポルカドットスティングレイ
おいしくるメロンパン
sajou no hana
NEK!
CENT
OKAMOTO'S
meiyo
RAY
reGretGirl
- 2025.11.29
-
ビレッジマンズストア
Appare!
YOASOBI
NEE
暴動クラブ
brainchild's
Cody・Lee(李)
キタニタツヤ
優里
くるり
TOKYOてふてふ
MONOEYES
キュウソネコカミ
moon drop
THE BACK HORN
androp
The Biscats
フレデリック
チリヌルヲワカ
怒髪天
eill
LOCAL CONNECT
wacci
LACCO TOWER
大橋ちっぽけ
BLUE ENCOUNT
ドラマチックアラスカ
アーバンギャルド
ねぐせ。
ExWHYZ
UVERworld
フラワーカンパニーズ
愛美
浪漫革命
東京スカパラダイスオーケストラ
BACK LIFT / 魔法少女になり隊 / LEEVELLES / パピプペポは難しい ほか
Bentham
MONO NO AWARE
NANIMONO
カミナリグモ
9mm Parabellum Bullet
PIGGS
- 2025.11.30
-
ビレッジマンズストア
YOASOBI
NEE
TOKYOてふてふ
凛として時雨
キタニタツヤ
崎山蒼志
くるり
キュウソネコカミ
moon drop
SHERBETS
THE BACK HORN
TENDRE
アーバンギャルド
the paddles
秋山黄色
TOMOO
LACCO TOWER
ドラマチックアラスカ
LUCY
ExWHYZ
Maki / SIX LOUNGE / w.o.d. / KUZIRA / TETORA
UVERworld
フラワーカンパニーズ
ポルカドットスティングレイ
NANIMONO
ズーカラデル
ぼっちぼろまる×ポップしなないで×ぜったくん
コレサワ / ヒグチアイ / のん / ひぐちけい
miwa
MONO NO AWARE
Conton Candy
JYOCHO
離婚伝説
- 2025.12.02
-
RADWIMPS
LONGMAN
Dios
RAY
マカロニえんぴつ × DISH//
私立恵比寿中学
GLIM SPANKY
SUPER BEAVER
IneedS
- 2025.12.04
-
TENDRE
LEGO BIG MORL
私立恵比寿中学
SHERBETS
Homecomings
アーバンギャルド
キュウソネコカミ
吉井和哉
Hakubi
- 2025.12.05
-
桃色ドロシー
私立恵比寿中学
moon drop
ポルカドットスティングレイ
ザ・クロマニヨンズ
NANIMONO
eill
Laughing Hick
崎山蒼志
さかいゆう / 望月敬史 / L'OSMOSE(O.A.)
flumpool
とまとくらぶ
Another Diary
岡崎体育
Rei
ズーカラデル
打首獄門同好会
- 2025.12.06
-
キュウソネコカミ
AIRFLIP
ザ・クロマニヨンズ
凛として時雨
OKAMOTO'S
BLUE ENCOUNT
indigo la End / a flood of circle / Galileo Galilei / go!go!vanillas ほか
Cody・Lee(李)
brainchild's
LEGO BIG MORL
NANIMONO
怒髪天
ねぐせ。
CVLTE
UVERworld
eastern youth
キタニタツヤ
優里
Kroi / Jeremy Quartus(Nulbarich) / BREIMEN / luv
flumpool
チリヌルヲワカ
Aooo
Mirror,Mirror
心愛 -KOKONA-
THEラブ人間 / ビレッジマンズストア / 忘れらんねえよ / KALMA ほか
フラワーカンパニーズ
Ryu Matsuyama
MyGO!!!!!
- 2025.12.07
-
ぜんぶ君のせいだ。
崎山蒼志
キュウソネコカミ
MOSHIMO
moon drop
ポルカドットスティングレイ
凛として時雨
BLUE ENCOUNT
AIRFLIP
OKAMOTO'S
sumika / マカロニえんぴつ / Kroi / ズーカラデル ほか
NANIMONO
怒髪天
Devil ANTHEM.
ACIDMAN
eastern youth
小林私
UVERworld
優里
秋野 温(鶴)
LACCO TOWER
OAU
the telephones
BIGMAMA
フラワーカンパニーズ
9mm Parabellum Bullet
PENGUIN RESEARCH
トゲナシトゲアリ × RAISE A SUILEN
RELEASE INFO
- 2025.11.26
- 2025.11.27
- 2025.11.29
- 2025.12.01
- 2025.12.03
- 2025.12.05
- 2025.12.10
- 2025.12.12
- 2025.12.17
- 2025.12.20
- 2025.12.21
- 2025.12.24
- 2026.01.01
- 2026.01.07
- 2026.01.09
- 2026.01.14
FREE MAGAZINE

-
Cover Artists
ザ・クロマニヨンズ
Skream! 2025年11月号
















