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LIVE REPORT

Japanese

the twenties / Left / LAZYgunsBRISKY

Skream! マガジン 2018年09月号掲載

2018.06.25 @下北沢LIVEHOLIC

Writer 蜂須賀 ちなみ

キャリアも音楽性も様々。全組4ピースのバンドであること以外はもはや共通点が何もないんじゃないかというほど、異種格闘技的なラインナップとなったこの日の3マン。

トップバッターは女性4ピース・バンド、LAZYgunsBRISKY。"イェイイェイイェーイ! LIVEHOLIC、3周年おめでとうございます! 新しい1ページをまた刻んでいく最高の夜にしましょう!"とLucy(Vo)が景気良く挨拶し、「Midnight Rider」からスタートする。ゴリゴリと効いた低音の響きとハードでダイナミックなリフ。そして、Lucyのパワフルなヴォーカルに口ずさみたくなるワードのあるキャッチーなサビで、女性ならではのかっこ良さを存分に引き出し、エネルギッシュなステージ・パフォーマンスを見せていく。Lucyの歌唱力が際立つバラード「The Sea」を情感たっぷりに演奏するひと幕もあったが、主にアッパーなダンス・ナンバーを多く披露し、火つけ役としての役割を果たした。MCでは、本日初共演となるLeftの予習をしてきて、中でも「Rainy Rainy」という曲が好きだったが、果たして今日やるのだろうか? という話をしており、彼女たち自身もこの異色の共演を楽しんでいるのだということが読みとれた。

2組目はLeft。手始めに4人でジャーンと音を鳴らすなか、末廣 碧(Vo/Gt)が叫んでいるものの、力が入りすぎてよく聞き取れない感じになっているのも、終盤に椎山聖也(Dr/Cho)が叫んでいた"今を懸命に生きるあなたに、生きた音を届けに来ました!"という言葉も熱くていい。彼らは、王道のギター・ロック・サウンドを主軸にしつつ、メロコア的な汗っぽい疾走感、上田悠策(Ba)による普遍性のあるソングライティングを兼ね備えたバンド。特にとことんまっすぐな声を持つ末廣と、透明なハイトーン・ヴォイスの権藤大和(Vo/Gt)によるツイン・ヴォーカルが抜群で、地下のライヴハウスを突き抜け、もっと広い世界に届きそうな可能性を秘めていた。そして例の「Rainy Rainy」も披露され、その曲を待ち望んでいたLAZYgunsBRISKY のLucyが、周りの観客に"この曲だよ!"とジェスチャーして教えていた。Leftは、この感情を上手に言葉になんてできない、だから僕たちは鳴らしているんだ、ということを全9曲で伝え切って、終了。

ラストに登場したのはthe twenties。ギターを思いっきり歪ませその音で場内を満たしたかと思えば、ダダッ! とドラムが刻み空気を引き締める。刺激的で凶悪なサウンドでガンガンと攻めていくばかりだ。タカイリョウ(Vo/Gt)のハイトーン・ヴォーカルは、どこか狂気的。楽曲は、そんな彼の半生を綴った生々しいものもあれば、サビの歌詞が"ド"しかないというなかなか前衛的なものも(「ドドドドド」)。"めちゃくちゃ静かな曲なのでゆっくり聴いてみてください"(タカイ)と紹介された新曲が静寂とはまったく無縁な感じだったのも、なんとも不敵でこのバンドらしい。レーザー光線も狂騒感をかき立てるなか、前方は激しいモッシュとなり、どこかのネジが外れてしまったかのように激しく踊りまくるオーディエンスの姿が印象的だった。誰にも媚びないスタイルを貫く彼らは、楽器を放り出してクールに立ち去る。フロアには、しばらくその残響がこだましていた。

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