Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

MENU

INTERVIEW

Japanese

僕には通じない

2025年05月号掲載

僕には通じない

Member:夜桜 りむ 蓮水 ゆう 賀茂 さゆ 来玲町 しあり 陽凪 みお

Interviewer:宮﨑 大樹

ボカロ×ロックの"VOCAROCK"を掲げる"僕には通じない"。疾走感溢れるロック・サウンドに乗せて、不安や葛藤等内に秘めた想いを歌う、共感性の高さが支持される5人組ガールズ・ユニットだ。Skream!初登場の彼女たちにグループのこと、2タイプでリリースしたフル・アルバム『僕には通じない Full Album AType -The Ultimate Blue-』、『僕には通じない Full Album BType -Advancing Yellow-』、そして渋谷WOMBLIVEで開催を控える4周年記念ライヴ"僕には通じない 4th Anniversary BANDSET ONEMAN ~ 蒼火連天~"について話を訊いた。


そこに存在証明を残せるのがありがたい


-Skream!初登場ですので、まずはグループについて紹介をお願いします。

ゆう:僕には通じないは、2021年の6月に結成されたグループで、ボカロ×ロックの"VOCAROCK"をテーマに、普段言えない内に秘めている気持ちを曲に乗せて歌うというコンセプトでライヴをしています。

-皆さんは自分たちの音楽のどんなところが好きですか?

さゆ:うちは途中から加入したメンバーで、曲を聴いてめっちゃ好きになって応募したんですけど、自分事のように刺さってくる歌詞が魅力かなと思います。特に「無いものねだり」という曲が好きです。"後悔なんて抱いてないよ/だってまだ何もしてないよ"というところが好きですね。なんかもう、泣きます(笑)。みんなに聴いてほしいです。たぶん全人類に刺さると思います(笑)。

みお:歌詞もいいけど、耳に残るキャッチーな曲が多くて、そこもすごく好きです。

ゆう:"VOCAROCK"なので、速いし言葉数も多いんですけど、ぜひ歌詞を見ながら聴いていただきたいです。どの曲でもボカロ感を感じられるんじゃないかなと思います。

しあり:ボカロとロックを掛け合わせているので、ロックが好きな方には"めっちゃいいじゃん"と言っていただけるし、ボカロが好きな方にも"俺が数年前に聴いていたボカロだ"って言っていただけるし、どっちの層にも好んでもらえるような曲が多いんじゃないかなと思います。

りむ:盛り上がれる曲も多いんですけど、聴かせる系とか魅せる系の曲も同じくらい多いんです。ライヴ中はメンバーのパフォーマンスにも注目してほしいなと思っています。

-作詞作曲の名義にある"u.Hayataka"は、グループのプロデューサーの1人なんですか?

ゆう:楽曲プロデューサーとプロデューサーが別にいるんですけど、作詞作曲はその楽曲プロデューサーがやっています。その正体は謎に包まれているという設定です。

-そんな皆さんは、4月23日にフル・アルバム『僕には通じない Full Album AType -The Ultimate Blue-』、『僕には通じない Full Album BType -Advancing Yellow-』のリリースを迎えます(※取材は4月中旬)。

しあり:サブスクが主流のこの時代に、あえてCDアルバムを出すということに意味があるのかなと思っていて。CDだと自分の手に持って、プレイヤーに入れて、歌詞カードを見ながら聴くという、いろんな動作をして感じられるものがあるじゃないですか。そういうものを通して自分たちの声とか想いを届けられるというところがエモいというか、そこに存在証明を残せるのがありがたいなとしみじみ感じています。

さゆ:"存在証明"っていい言葉。

-グループとしての推し楽曲は、やはり初楽曲であり代表曲でもある「エンカウント RE:BOOT ver.」と、最新楽曲の「Lodestar」ですか?

ゆう:そうですね。ファン投票みたいなものをしたことがあるんですけど、やっぱり「エンカウント」が一番人気でした。

さゆ:僕通(僕には通じない)の代表曲だね。

-自分たちのことを知ってもらうためには、まず「エンカウント」を聴いてもらいたい。

ゆう:そうですね。

しあり:ライヴで人気なのは「ノイズキャンセル」です。

ゆう:うん。「ノイズキャンセル」や「排他エンヴィー」が、ライヴ現場では人気ですね。

さゆ:この2曲は振付も覚えやすいし、みんなで声を出せるところが多いんですよ。なので、ライヴで盛り上がること間違いなしですね。大好き。

ゆう:一番新しい「Lodestar」という曲はバラードに近いんですけど、こちらは歌詞が刺さりやすかったり、新しいピアノ・ロックみたいな感じがあったりして、私たちもとにかく気に入っています。賀茂ちゃんも振付してくれていますし。



さゆ:お気にです。

みお:毎回聴いて泣いてるもん。昨日も号泣して今日は目が腫れています(笑)。情緒不安定になるぐらいのいい曲です。

ゆう:僕通の曲って、もちろん僕等の歌ではあるんですけど、どこか他人事のようにすごいなと思っちゃうんです。サブスクとかで聴いていると"すごいな"って思っちゃうのが3年半ぐらい続いています。

-ちなみに、メンバーそれぞれの推し曲は?

みお:「排他エンヴィー」がイチオシ曲です。フロアと私たちとの一体感がすごくて、そこが大好き。

ゆう:りむちゃんは?

りむ:私はそのときによってブームがあるんですけど、今は「ホログラム」かな。あと「Enhancer」も好き。おしゃれな感じの曲で、聴いていて耳が気持ち良くなります。

さゆ:りむちゃんはアルバムに入っているソロ曲でも「Enhancer」を歌っているよね。

りむ:そうそう。生誕でもソロで歌わせてもらって、今回のアルバムも"ソロver."を収録したということで、激推しです。

ゆう:私もブームがあるタイプなんですよね。ここ最近は「code:L.S.I.P.」という曲を踊るにハマっています。賀茂ちゃんが入ってきてくれて、2人(しあり&みお)が入ってきてくれて――というなかで、メンバー全体のダンス・スキルが上がってきた実感が自分の中であるんですけど、この曲は僕通の中でも難易度の高い曲なんですよ。

さゆ:行けるかなと思って難しくしちゃったんですよね。

みお:私、泣きながら覚えた。

しあり:泣いてたね(笑)。

ゆう:だけど練習やライヴを重ねていくなかで、ちょっとは踊れるようになってきたかなと思えているので、そういう面でもブームが来ていますね。しあちゃん(しあり)の推し曲は?

しあり:私は「青白の世界に重ねて」。この曲は1周年を記念したときのバラードで1年間支えてくれたファンの方に向けたものなんです。"貰うばっかで/なにも返せないのがもどかしいけど"という歌詞が一番好きですね。推し活はお金も時間もかかる行為だから、それをどうやって返していけるのかなと考えたときに、最高のパフォーマンス、歌とダンスを見せて楽しい時間を提供することで、自分はアイドルとして返していけるのかなと思うきっかけになりました。自分が心から思っている言葉を歌に乗せて届けられるところがすごく好きです。自分がセットリストを組むときは、ロックな感じの対バンでも入れちゃうくらいの推し曲です(笑)。

-皆さん推し曲が分かれていますね。いい曲が多いからこそ分かれるのかなと。

さゆ:その通り! 全部聴いてほしいです。アルバムが2枚に分かれているので、2枚共全部聴いてほしい。

-アルバムのレコーディングはどうでしたか?

ゆう:今回のアルバムを発売するために、全員で全曲録り直したんです。

りむ:大変だったね。

-自分たちで聴いてみて歌の変化を感じられたんじゃないですか?

さゆ:全っ然違います! 私が加入したのは1年半ぐらい前で、初めて録った曲が「エンカウント」なんです。当時のレコーディングの音源を自分で持っているんですけど、それがロボットみたいで(笑)、今回はロボットから人間になれました(笑)。2人(りむ&ゆう)はもっと前からの音源があったでしょ?

りむ:曲によるけど「エンカウント」とかは4年くらい経った。でも、私の歌はあんまり変わってないかも。

さゆ:なんでやねん(笑)。

ゆう:りむは声量が5倍くらいになったよ。

さゆ:私はりむちゃんのエモい表現が好きなんです。聴いていて切なくなる。2人(しあり&みお)は僕通で初めてレコーディングしたんだよね?

しあり&みお:初めて。

みお:緊張していたので楽曲プロデューサーに"肩の力を抜いて、深呼吸して"と言われたんですけど、正直ちょっと硬いかも。ライヴのほうが柔らかいかもしれないけど、それはそれで違う良さがあると思って聴いてほしいです。

しあり:このグループのオーディションを受けたときの面接で、"うちはレコーディングに力を入れているから、絶対に上手くなるよ"って言われていたんです。歌を歌うことはすごく好きなので、これからも自分の表現として特に頑張っていきたいなと思って歌いました。

-これだけの曲数を全てレコーディングし直したところからも、レコーディングに力を入れていることが分かりますね。ちなみにソロ曲はどういうふうに選んだんですか?

ゆう:プロデューサーが選択してくれました。

さゆ:全員全曲フルで歌って録り終わった段階で、プロデューサーが"この子はこれにしよう"って選んでくれたんです。なので、このソロ・バージョンはプロデューサーのイチ押しということですね。