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INTERVIEW

Japanese

Tearless Bring To Light

2018年08月号掲載

Tearless Bring To Light

Member:くらげ(Vo) 藤本 郁弥(Gt)

Interviewer:高橋 美穂

北海道札幌在住の4人組バンド Tearless Bring To Lightが、1stミニ・アルバム『pieces』を完成させた。18歳の若き紅一点ヴォーカルであるくらげ(川村海月)は、2018年1月28日放送のテレビ朝日"今夜、誕生!音楽チャンプ"にて、"第3回歌唱チャンプ"になった経歴を持つ。鳴り物入りの大型新人の予感だが、『pieces』を聴いてみると、そういった評価にあぐらをかくことなく、まっすぐに好きな音楽を追求する彼らの純粋性が浮かび上がってくる。今後も楽しみだ。

-2017年初頭に結成されたとのことですが、何かきっかけはあったんでしょうか?

藤本:もともと僕が、自分のバンドを作りたいと思っていて。いつも使っているスタジオの、隣のスタジオで彼女(くらげ)が歌ってて、その音漏れを聴いて"この子誰?"ってスタジオの店長に聞いて、紹介してもらって。それで"一緒にバンドやらないか?"って誘ったんです。そこから他のメンバーも誘って。結成した当時のドラマーが抜けて、その後に今の西(佑太)さんが加入しました。

-知り合いでもなかったどころか、顔も知らない状態で、歌声だけで一緒にバンドをやりたいと思ったんですね!

藤本:そうですね。

-くらげさんの歌声の、どんなところに惹かれたんですか?

藤本:語感の良さと、レンジが上の方の声が、僕が大好きな声質だったので、この声で自分の曲を歌ってほしい! って思ったんです。

-藤本さんは、それまで女性ヴォーカルのバンドを組んだ経験はあったんですか?

藤本:いや、女性ヴォーカルでは組んだことがなかったですね。R&Bのバーとかで弾くことが多かったし、男性メンバーがメインでやってました。

-R&Bというジャンルも、Tearless Bring To Lightとは違いますよね。今の音楽性は、くらげさんの歌声からインスパイアされているところが大きいということなんでしょうか。

藤本:かなり大きいです。

-ちなみに、藤本さんのルーツは?

藤本:ルーツはハード・ロックなんです。

-あぁ、今作にも出てますね(笑)。

藤本:はい(笑)。ふたりとも、同じような音楽が好きなんです。初めて話したときも"え、そのバンド知ってるんだ!"みたいな感じでした。

-歌声だけに惹かれたのに、そういった接点があったんですね。くらげさんは、声を掛けられてびっくりしませんでしたか?

くらげ:私がもともと所属していたバンドのギターの人がすごく彼(藤本)に憧れてて、"すごい人なんだよ!"って聞かされていたので、まさかその人から声を掛けられるとは、と最初は思いました。

-それまで、くらげさんはどういう音楽活動をしていたんですか?

くらげ:中学生の後半くらいから、ひとりでピアノを弾きながら歌ったり、パソコンを使ってインストと声を合わせたりして。ちょうど"歌ってみた"動画が流行ってたので、そういうのをちょこちょこ作り始めたんです。それで高校に入ったときに、私の動画を観た友達から"学校祭のバンドを組んで"って言われて。それで、初めてバンドをやりました。その学校祭バンドのメンバーのひとりと、また違う高校生と、"外のライヴハウスでもできるバンドを組もう"って言われて、やり始めたぐらいに(藤本から)声を掛けられたんです。

-歌そのものは、小さいころから好きだったんですか?

くらげ:いや、昔は歌うのが嫌いでした。でも、YouTubeで洋楽――たぶんLADY GAGAとかだったと思うんですけど、当時流行ってた歌手のライヴ映像や、ピアノを弾きながら歌ってるのを観て、カッコいいなぁと思って真似してみたんです。ピアノは昔嫌々ながらやっていたので。そこから歌い始めました。

-では、テレビ朝日の番組"今夜、誕生!音楽チャンプ"に出演されたきっかけというのは?

くらげ:弾き語り動画をTwitterとかSNSにアップロードしていて、そのうちのひとつを見たテレ朝のプロデューサーさんから、"こういう番組があるんですけど、興味ありませんか?"って連絡をいただいて。そこから、何回か動画を送ったりして、審査をされて、そこに通って出演したんです。

-第3回歌唱チャンプになったわけですけど、出演したときから、その目標はあったんですか?

くらげ:とりあえず、やれるだけやってみようとは思っていました。他の出演者には、他のカラオケ系の番組に何回か出場経験がある方もいて、私も(テレビで)見たことがあって。楽屋に入るまで、他の出演者は教えてもらえなかったんですけど、名前を見て"ヤバい、負ける"って思いましたね。でも、やれるだけやろうと思ったら、チャンプになれたっていう。

-くらげさんがテレビに出演するという話は、バンドのメンバーも聞いたんですか?

藤本:そうですね。びっくりしましたけど、"頑張っておいで!"って。

-この番組をきっかけに、Tearless Bring To Lightを知った方もいるんじゃないですか?

藤本:結構いますね。

くらげ:ツイキャスを週に1回やっていたんですけど、番組に出演したあとに一気に本州の方からコメントが来るようになって。"東京でのライヴはないですか?"とか、コメントをいただきました。

-では、そうやって名と音が広まったいいタイミングで1stミニ・アルバムがリリースされるという流れになると思いますが、今作に関して、何かテーマがあったんでしょうか?

くらげ:アルバム・タイトルのとおりなんですけど、曲調が、良く言えば幅広いし、悪く言えばまとまってなくて。だから"全体的にこういうアルバムです"ってはっきり言えるような言葉が見つからないんですよね。それで、5曲ひとつひとつがピースになって作品ができているっていう意味で"pieces"にしたんです。

-この5曲は、ライヴではすでにやっているものですか?

くらげ:そうです。

-他にも持ち曲があるなかで厳選したという?

藤本:というより、今、かなり曲を作っている最中ですね(笑)。

-先ほど、くらげさんが"幅広い曲調"とおっしゃっていて、たしかにそうなんですけど、雰囲気としては、全体的に悲しげというか、陽よりは陰なのかと思いました。

くらげ:ここふたりの好きな曲調が同じっていうところも大きいと思うんですけど。どっちかって言うと、明るいポップな曲より、エモーショナルな感じが好きなんですよね。