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INTERVIEW

Japanese

豊永利行

2016年06月号掲載

豊永利行

Interviewer:秦 理絵

-アニメ作品とご自分の持っている色は、それほどかけ離れていなかったんですか?

ああ、どうなんだろう? "デュラララ!!"っていう作品や、このアニメをイメージした楽曲の曲調に自分を寄せるのは、いわゆる芝居で役を作ることに近いですね。"ワイルドでハードボイルドなアーティストのアルバムを作る"っていうイメージがどこかあったのかもしれないです。完全に僕色を突き詰めると、もっとポップな作品になると思うんです。アダルトな豊永利行を演じるという感覚に近いですね。

-それは役者のお仕事をされてる方ならではの曲作りかもしれませんね。1曲ごとに、それぞれまったく違う人みたいに歌い分けてて。そこも"演じる"という感覚が大きいんですか?

役者業をやってる人間がCDを出すときに、どうしても音楽一筋の方々と比べられる部分は出てくるだろうなと思ったんです。だから、そこを逆手にとって"武器になるのはなんだろう?"と、考えてた時期があって。アーティストのみなさんって、すごくカラーが濃い方が多いじゃないですか。"俺らはこれをやる!"っていう。そういうところに対抗するには、役者として何かの役になり切ることを押し出すのがいいと思ったんです。豊永利行というアーティストのカラーを決めずに、どんなものでも着手しようって。それこそカメレオンみたいな感じですよね。

-それでバラエティ豊かな作品になっていったんですね。

だから同じ"アダルト"でも、このアルバムにはいろんなアダルトがあるんです。

-「C"LR"OWN」のハードボイルドなアダルトもあれば、「Day you laugh -latin style-」のセクシーなアダルトもあって......。

あとは「僕の☆☆計画」(Track.6/読み:僕のキラキラ計画)も、サラリーマンが飲みに行ってハメを外す内容なので、こういう大人もいるよっていう部分では共通してますね(笑)。この曲が一番、僕の色っぽい感じが出てるなと思ってます。

-そうなんですか? 「僕の☆☆計画」はちょっと情けない大人の男性のことを歌ってますが。

そうですね(笑)。やっぱり笑わせることが好きなんですよ。どちらかって言うと、ライヴを観てくださる方にも、最終的には笑顔で帰ってほしいなっていう思いがあるので。(インタビューでは)真面目なことを言ってますけど(笑)。ステージに上がると、結構ふざけてるんです。適当というか。そのおふざけ感のようなものを、"一緒に楽しんでくれる人募集!"みたいな感じなんですね。曲調としては、「僕の☆☆計画」のようなおふざけ曲はちょっと照れ隠しなところもあるんですけど、バラード曲の「Valentine season」(Track.3)の方が、素っ裸の僕を出すっていう意味では、僕っぽいです。

-ミディアム・テンポで直球の応援歌「メッセージ」(Track.4)はどういう思いで書いたんですか?

この曲は90年代のJ-POP、J-ROCKですね。僕が一番青春していたころの音楽を作りたいなと思ったんです。歌詞のイメージとしては、DEENさんが近いかなと思います。爽やかなロックは、僕らが学生だったころから生まれ始めた音楽だと思うので。

-"君の頑張る姿 ちゃんと見てる人は見てるんだって"とか、ちょっと他の曲にはない、外向きのメッセージを持った曲ですよね。

たしかに、他の曲は対象が個人になってる曲が多いんですよね。でも、「メッセージ」は大勢の方に向けてるところがあると思います。この曲は、実は"デュラララ!!"のラジオ企画で書いた曲なんですよ。一緒にパーソナリティをやっている花澤香菜ちゃんにバレンタインのチョコレートをもらったので、そのお返しとして書いたホワイトデー・ソング兼、リスナーのみなさんを応援するという名目で生まれた楽曲で。仕事にエールを送るような感覚なんですけど、学生にも共感してもらえるものはあるんだろうなと思ってます。

-今回のミニ・アルバムを作り終えて、最初に狙っていたとおりの作品にできたと思いますか? それとも、"あ、こんなアルバムができた"という感じなんでしょうか?

アレンジャーさんはいらっしゃいますけど、楽曲自体は全部自分で作っているので、それほど意外な感じではないかもしれないですね。でも、今回はシングルで出した「Day you laugh」だけはリアレンジをしたんです。そのアレンジを山下洋輔さんにお願いしたんですけど、最初に"どういうアレンジにしよう?"って言われたときに、僕の中でオリジナルの「Day you laugh」が完成形だったので、それ以外の選択肢が思いつかなかったんですよね。だから"洋ちゃん(山下)に全部任せる"って言って、1回僕の手を離れたんです。それで、上がってきたらいわゆるラテンっぽい感じのアレンジで返ってきて。"あ、こういう見せ方もあったんだ"っていう発見はありましたね。アレンジによって全然色が変わるなっていうのもあったし、その発想が自分にはなかったのでちょっとした悔しさもありました(笑)。

-今回のレコーディングを振り返ってみていかがですか?

今回は、制作に着手したのが今年に入ってからだったので、ミニ・アルバムを完成させるのに5~6ヶ月でしたね。しかも、楽曲の締め切りはもっと早いですから締め切りとの闘いだったんです。6曲の内の2曲はイチから全部作らなくちゃいけなくて。「C"LR"OWN」もそうですけど、「Reason...」も「Day you laugh」も、タイアップ曲は候補を何曲か書いて、Aniplexさんに"この曲どうですか?"って提出するコンペも含めて、3ヶ月ぐらいででやらなきゃいけなかったんです。他の仕事もやりながらの中だったので、なかなか曲を生み出す時間がとれなくて、僕の中では、そこが一番しんどかったですね。

-豊永さんの場合、そこはこの先も避けられない問題ですよね。

そうなんですよ。でも、いけるところまでいきたいなと思ってます!

-ミュージシャンとしての目標はどういうところですか?

すごく大きい括りで言うと、声優としての僕を知らない方、"豊永利行ってどなた?"っていう方から見たときに、"歌手なんだね"って思ってもらえるような見え方をしたいなっていうのはあります。アーティストとしての僕のファンになってもらえるところに行き着ければいいなと思いますね。それが実現できたら、大きい会場でもライヴができると思いますし。アーティストとして恥じない人間になりたいです。

-今年の12月24日(土)には豊洲PITでのワンマン・ライヴも控えてますが。

ライヴハウスなんですけど、イスを用意したライヴになるんです。僕はずっとライヴというよりも、コンサートをやりたいという思いがあって。だから、バラードやしっとりとした曲のときは座ったままでいいと思うんです。あと、僕は喋り始めるとすごく長いので、MCのときにも座っていただいて(笑)。ゆくゆくはライヴハウスだけではなくて、ホールでやれるようになりたいですね。

-どんなライヴを目指したいと思っていますか?

もともと舞台役者なので、空間に引き込むエネルギーみたいなところで、ちょっと役者としての力を使う部分があるんです。"ライヴを観に来たのに、ショーやミュージカルを観に来たみたい"っていう感覚になってもらえるといいですね。笑わせたいし、頑張って泣かせるようにもするし。アットホームな空間を作っていきたいです。