Japanese
2016年01月号掲載
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初のフル・アルバム『THE BAY』が話題を呼んだSuchmosが約半年ぶりにEPをリリース。タイトルの"LOVE&VICE"を曲名に冠したいわゆる表題曲がないことからも、EP1枚でひとつの流れとして聴いて欲しいというメッセージが読み取れるが、全4曲に共通するテーマは大きく言うと"愛"。とはいえ、彼らにかかればスウィートなラヴ・ソング集に収まることはなく、むしろそこに絡まる欲望と毒がメインだ。それこそ『THE BAY』を聴いたときから感じていたが、洗練されたサウンドの下に隠れた本性がやはり気になる。ポーカーフェイスのようでいて様々な感情が複雑に絡みついているような、計算高さと泥臭さとが危ういバランスで共存しているようなこの感じに、何だか引き寄せられてしまうのだ。(蜂須賀 ちなみ)
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Suchmos (190)
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NHKサッカー・テーマ曲「VOLT-AGE」の図太いファンク/ロックに90年代マンチェやあの時代のタフなハイブリッド感を想起し、Suchmosの戦い方の自由度に大いに勇気づけられた。さらに本作はTHE BEATLESから初期UKパンク、時にBob Marleyに至るレベル・ミュージックのメンタリティを軸に持つYONCE(Vo)と、ジャズ、ファンク、ロックのエレメントを高いスキルで各々アレンジして演奏できるメンバーの本領が全曲主役級の楽曲で証明された印象だ。普遍性と現代性を突き詰めたソングライティングが今作では特に際立つ。AORとレゲエ、新世代ジャズを取り合うような「FRUITS」、愛しさが溢れるラヴ・ソング「FUNNY GOLD」、孤独感に背筋が伸びる「ONE DAY IN AVENUE」など、リアル且つドラマチック。(石角 友香)
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2015年7月リリースの『THE BAY』以来1年6ヶ月ぶりにリリースされるフル・アルバムには、その間にリリースされたEP盤収録曲の他、新曲もパッケージ。シティ・ポップ隆盛の流れから台頭したバンドのひとつではあるが、このバンドはもうその遥か先を見ている。そういうことがよく伝わってくる作品だ。特に、Track.1「A.G.I.T.」の冒頭は、渋いギターの旋律とともに悠々と伸びるヴォーカルを聴いただけで、アリーナ級の広いステージの上でスポットライトを浴びるYONCE(Vo)の姿が目に浮かぶほど。バンドとして小さく留まるつもりはないことを常々公言してきた彼らだが、より自由になったサウンドに、いよいよその意志が鮮やかに反映されてきたところだ。(蜂須賀 ちなみ)
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湘南界隈のストリート文化を纏いながら、アシッド・ジャズ、ヒップホップ、シティ・ポップなどを折衷したサウンドで登場した彼ら。"FUJI ROCK FESTIVAL '16"のWHITE STAGE出演決定、リーバイス®とのコラボなど最近の動きはまるで"今ここが日本のロックの一番熱い場所だ"と宣言するような快進撃だ。その勢いは本作3rd EPでも強く感じる。「MINT」は、有機的な音作りでファンクに振られたグルーヴとYONCE(Vo)の色気に磨きがかかった声も相まって、初期からの重要曲「Life Easy」の空気感を引き継ぎつつビルドアップさせたメロウネスが光る。スタジアム級の会場も見据えた仕上がりだ。「DUMBO」では"アマチュアもプロも変わんないね"と自信を携えたキラー・フレーズも飛び出し、全体を通して一段ステージが上がったことを確信させる。(峯 大貴)
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初のフル・アルバム『THE BAY』が話題を呼んだSuchmosが約半年ぶりにEPをリリース。タイトルの"LOVE&VICE"を曲名に冠したいわゆる表題曲がないことからも、EP1枚でひとつの流れとして聴いて欲しいというメッセージが読み取れるが、全4曲に共通するテーマは大きく言うと"愛"。とはいえ、彼らにかかればスウィートなラヴ・ソング集に収まることはなく、むしろそこに絡まる欲望と毒がメインだ。それこそ『THE BAY』を聴いたときから感じていたが、洗練されたサウンドの下に隠れた本性がやはり気になる。ポーカーフェイスのようでいて様々な感情が複雑に絡みついているような、計算高さと泥臭さとが危ういバランスで共存しているようなこの感じに、何だか引き寄せられてしまうのだ。(蜂須賀 ちなみ)
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