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DISC REVIEW

Japanese

ノーサイド/ONE FOR YOU

瀧川ありさ

『ノーサイド/ONE FOR YOU』

Release Date : 2017-02-22
Label : SME

TVアニメ"ALL OUT!!"のエンディング曲である「ノーサイド」は、1984年に松任谷由実がリリースした曲のカバー。ユーミン好きを公言し、毎日のように聴いているという瀧川ありさにとってはしっくりと肌に馴染んだ歌でもあるが、それだけに繊細に曲の景色、情感を扱っている。80年代のニュー・ミュージックの懐かしさが薫るシックな大人のアレンジで、目の前のドラマを静かに描写するように歌うヴォーカルがいい。感情的になりすぎず、心の陰りや機微をさりげない風のように表現できるシンガーだと、改めて思う曲にも仕上がった。ダブルA面のもう1曲「ONE FOR YOU」は、対照的に晴れやかなサウンドで、未来への岐路を明るく照らした曲。まっすぐな歌詞が照れくさいと本人は語るも、これもまたこの声だからこそ歌える歌だと思う。(吉羽 さおり)


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prism.

生まれ育った東京を舞台に、自身の記憶と感情のかけらを繋ぎ合わせたミニ・アルバム『東京』から2年。20代から30代へと向かう女性のリアルや理想やままならなさを、美しくきらめく歌に変えたのが今作の5曲だ。1stアルバム『at film.』が象徴するように、瀧川ありさは街並みやふとした誰かの言葉、季節の香りや移ろいなどにカメラを向け、繊細な物語を紡ぎ出していく情景描写の妙手だが、今作はもっとダイレクトに心を突き動かす歌が並ぶ。サウンド的にもぐっと深みのある、そして躍動的なポップスとなって、聴き手の心を共振させるような前のめりなエネルギーに満ちている。シルキーな歌声にグルーヴが生まれ、歌のメッセージをまっすぐ届けてくれるものになった。瑞々しく、ソウルフルに響く。そんな作品だ。(吉羽 さおり)


わがまま

禁断過激なラヴ・ストーリーで話題を集めるTVアニメ"ドメスティックな彼女"EDテーマとして書き下ろされた表題曲は、アニメの世界観に寄り添いながら、その時々で表情を変え、アニメのみならず日常のあらゆるシーンや感情にぴったりとハマる。ドロッとした剥き出しの感情を描いた歌詞が心をかき乱す一方で、メロディは悶々とした感情がサビで解放されていくところが聴いていて爽快。ふと口ずさんでしまうようなキャッチーさも持ち合わせている。瀧川ありさがドラムを叩く姿が見られるMVも必見だ。カップリングの「Always」は、ピアノやストリングスが美しい、壮大なバラード曲。丁寧に描かれた景色に浸るだけじゃなく、彼女の美しい歌声もしっかり堪能できる。(渋江 典子)


東京

デビュー3周年を迎えての第1弾音源は、初のコンセプト・ミニ・アルバム。東京を舞台に綴った物語全6曲を収録している。恋人や友人に伝えたいもどかしい想い、"君"をうまく慰める術がない不器用な自分、その背景やふたりの距離の間を都会の街並みやノイズが横切って、微妙な想いの距離感や時間の経過をポエトリーに映し出していく。映像的な描写や、何気ないシーン、行間が心を映す歌は、瀧川ありさの得意とするところだろう。昨年、松任谷由実の「ノーサイド」をカバーし、ユーミン愛とシティ・ポップやニュー・ミュージックへの愛情を形にしたが、今作はそうした自身のルーツを昇華した瀧川ありさのシティ・ポップを描いた。でも、街への歪な愛憎も滲んでいるのは、東京出身者ならではの視点だろうか。(吉羽 さおり)


ノーサイド/ONE FOR YOU

TVアニメ"ALL OUT!!"のエンディング曲である「ノーサイド」は、1984年に松任谷由実がリリースした曲のカバー。ユーミン好きを公言し、毎日のように聴いているという瀧川ありさにとってはしっくりと肌に馴染んだ歌でもあるが、それだけに繊細に曲の景色、情感を扱っている。80年代のニュー・ミュージックの懐かしさが薫るシックな大人のアレンジで、目の前のドラマを静かに描写するように歌うヴォーカルがいい。感情的になりすぎず、心の陰りや機微をさりげない風のように表現できるシンガーだと、改めて思う曲にも仕上がった。ダブルA面のもう1曲「ONE FOR YOU」は、対照的に晴れやかなサウンドで、未来への岐路を明るく照らした曲。まっすぐな歌詞が照れくさいと本人は語るも、これもまたこの声だからこそ歌える歌だと思う。(吉羽 さおり)


at film.

デビュー作『Season』から5枚のシングルを重ね、季節の風や香り、季節が呼ぶ物語を紡いできた瀧川ありさの1stフル・アルバム。タイトルにある"film"という言葉どおり、日常のシーンや心象風景を切り取って、ドラマを描いた13曲が並ぶ。晴れやかで煌めくサウンドやアッパーなメロディを歌っても、ハッとするような美しい一瞬や、青春期の煌めきをきれいに閉じ込めた曲にも、その裏に過ぎ行く時間の儚さも刻印する。それが瀧川ありさのヴォーカルだ。このアルバムは、その声と、声が語る物語にしっかりと焦点を当てている。1stアルバムに相応しい内容となった。また、ラスト曲「花束」で歌う"写真には映りきらない/この記憶が永遠になるよ"というその先へ向かうフレーズにも、期待してしまう。 (吉羽 さおり)


色褪せない瞳

アコースティック・ギターの力強いカッティングで始まる表題曲「色褪せない瞳」。そのギターとピアノのドラマチックなサウンドに、優しい光を湛えた瀧川ありさのヴォーカルが映える1曲となった。歌声を支えるドラムのターキー(la la larks/ex-GO!GO!7188)とベースの佐孝仁司(Galileo Galilei)というリズム隊の躍動感も、メッセージ性の高い曲のエンジンになっている。こうした彼女の声の力を活かしたピュアでまっすぐな曲の良さはもちろん、カップリング曲「anything」の平熱感のあるエレクトロ・サウンドで、エアリーに物語を伝える曲もまたいい。この曲は瀧川ありさ作詞作曲によるもので、誰かに寄り添うように、静かに相手の話を聞くような近さがある。不安な気持ちをほぐしていくように、抑えたヴォーカルで歌い上げていく、そのナチュラルさが心地いい。(吉羽 さおり)



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