WRITERS' COLUMN
編集部 山元 翔一の『ワイルドサイドを歩け』
2016年03月号掲載
先日観た、ある舞台作品に強烈に心を揺さぶられた。その舞台作品は、根本宗子とロック・バンド"おとぎ話"によるコラボ企画"ねもしゅーのおとぎ話『ファンファーレサーカス』"。音楽ファンにとっては、大森靖子とのコラボレート企画"ねもしゅーせいこ『夏果て幸せの果て』"でもその名に馴染みのある気鋭の劇作家・演出家にして女優の根本宗子。いやしかし、この"ねもしゅーのおとぎ話『ファンファーレサーカス』"、本当に素晴らしい作品だった。
"ファンタジー格闘演劇"と銘打たれたこの作品において、おとぎ話の4人は作品の登場人物として演技と生演奏を披露し、根本宗子の創り出した演劇作品に寄り添いながらも世界観を拡張する圧倒的な存在感を示していた。この作品を観て改めて思ったのは、有馬和樹(Gt/Vo)の歌声の特異さ。有馬和樹の歌声が作中でも物語を動かす重要な要素として機能していたことからも、彼の存在が、根本宗子がおとぎ話をコラボレーションのパートナーに選んだひとつの理由であったと窺い知れる。そしてもう1点挙げるとするならば、牛尾健太(Gt)と前越啓輔(Dr)、風間洋隆(Ba)によるバンド・アンサンブルの揺るがなさ。公演期間中は毎回同じ台詞・演技というある種の同一性を求められる演劇の世界において、バンドとはいえパフォーマンスのムラはご法度。慣れない演技と並行しながらの演奏であったが、その独特の緊張感も相俟って、おとぎ話の4人から放たれる音はいつも以上にキラキラとした輝きと力強い説得力が漲っていた。また、根本宗子という鬼才が紡ぎ上げた世界に組み込まれても強度を失うことなく、むしろ一層色鮮やかさを増した楽曲群に打ちのめされたのもまた事実。この舞台を観て、おとぎ話が世間から確かな評価を勝ち取るのは時間の問題だろうと確信した。筆者自身、なかなか評価されない苦しかった時期の彼らを知っているからこそ、今回の舞台作品で根本宗子というよき理解者とともに表現を追求する4人の姿は本当に眩しく映った。
バンド・ヒストリーにおいてひとつのマイルストーンとなるであろう舞台公演を終え、おとぎ話は、ドレスコーズの"R.I.P. TOUR"にバックバンドとして参加し、さらに盟友・踊ってばかりの国とのカップリング・ツアーを開催する。また、昨年リリースされた傑作の呼び声高い7thアルバム『CULTURE CLUB』と、ARCADE FIREとTHE STROKESがそれぞれの最新作で描き出したサウンドと同じ地平を行く7inchシングル『JEALOUS LOVE』の音楽的充実度に、次なる作品にも期待は高まるばかり。
最後に、これだけは自信を持って言っておきたい。おとぎ話は今が最っ高に面白い。
Related Column
- 2016.04.20 Updated
- 編集部 山元 翔一の『ワイルドサイドを歩け』
- 2016.03.22 Updated
- 編集部 山元 翔一の『ワイルドサイドを歩け』
- 2016.02.22 Updated
- 編集部 山元 翔一の『ワイルドサイドを歩け』
- 2016.01.21 Updated
- 編集部 山元 翔一の『ワイルドサイドを歩け』
- 2015.12.21 Updated
- 編集部 山元 翔一の『ワイルドサイドを歩け』
- 2015.11.24 Updated
- 編集部 山元 翔一の『ワイルドサイドを歩け』
LIVE INFO
- 2025.08.16
-
Bye-Bye-Handの方程式
reGretGirl
リーガルリリー
Eve
"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2025 in EZO"
フレンズ
豆柴の大群
"SUMMER SONIC 2025"(大阪)
Faulieu.
Novelbright
Ivy to Fraudulent Game
レイラ
私立恵比寿中学
Keishi Tanaka / 荒井岳史 / TGMX(FRONTIER BACKYARD) ほか
Billie Eilish
ユアネス
"SUMMER SONIC 2025"(千葉)
- 2025.08.17
-
Bye-Bye-Handの方程式
reGretGirl
Eve
四星球 × G-FREAK FACTORY
PIGGS
金子ノブアキ
POP DISASTER / sfpr / waterweed
ビレッジマンズストア
PK shampoo
"SUMMER SONIC 2025"(大阪)
Novelbright
GOOD ON THE REEL
私立恵比寿中学
Billie Eilish
"SUMMER SONIC 2025"(千葉)
PENGUIN RESEARCH
- 2025.08.19
-
Hump Back
キュウソネコカミ
THE BAWDIES
YOASOBI
bokula.
- 2025.08.21
-
PENGUIN RESEARCH
THE BAWDIES
TENDOUJI
YOASOBI
GANG PARADE
金子ノブアキ
KALMA
キュウソネコカミ
"LIVEHOLIC / ROCKAHOLIC Candye♡Syrup (美容室) 10th Anniversary Party"
- 2025.08.22
-
奏人心
KING BROTHERS
"WILD BUNCH FEST. 2025"
TENDOUJI
THE BAWDIES
終活クラブ
YOASOBI
JunIzawa
ナナヲアカリ
Broken my toybox
RAY
フレンズ
Rei
キュウソネコカミ
- 2025.08.23
-
PENGUIN RESEARCH
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
大森靖子
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
LOCAL CONNECT
浪漫革命
リーガルリリー
Buzz72+
Appare!
佐々木亮介(a flood of circle)
w.o.d.
Eve
マオ(シド)
- 2025.08.24
-
大森靖子
"Sky Jamboree 2025"
KING BROTHERS
Maica_n
"MONSTER baSH 2025"
"WILD BUNCH FEST. 2025"
ぜんぶ君のせいだ。
cinema staff
LOCAL CONNECT
ビッケブランカ
Eve
マオ(シド)
小林柊矢 / 心愛 -KOKONA- / 虎鷹 / 荒木一仁 ほか
- 2025.08.25
-
Hump Back
神聖かまってちゃん
THE YELLOW MONKEY
- 2025.08.28
-
KALMA
Maica_n
ビレッジマンズストア
THE BAWDIES
22/7
- 2025.08.29
-
the cabs
神はサイコロを振らない
Bye-Bye-Handの方程式
安藤裕子×清水ミチコ
そこに鳴る
ゲスの極み乙女 × 礼賛 × roi bob
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
- 2025.08.30
-
Kroi
reGretGirl
ナナヲアカリ
木村カエラ / OKAMOTO'S / 原因は自分にある。 ほか
豆柴の大群
ビレッジマンズストア
アーバンギャルド
天女神樂
ぜんぶ君のせいだ。
"ナノボロ2025"
Maica_n
"RUSH BALL 2025"
ビッケブランカ
レイラ
9mm Parabellum Bullet / THE BACK HORN / ACIDMAN / yama ほか
PIGGS
eastern youth
Appare!
VENUS PETER
GRAPEVINE
Lucky Kilimanjaro / 眉村ちあき / 森 大翔
崎山蒼志
セックスマシーン!!
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
NEK!
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Faulieu.
- 2025.08.31
-
reGretGirl
Broken my toybox
BLUE ENCOUNT / スキマスイッチ / 家入レオ / CLAN QUEEN ほか
ビレッジマンズストア
大森靖子
"ナノボロ2025"
"RUSH BALL 2025"
HY
GOOD BYE APRIL
Nothing's Carved In Stone / Base Ball Bear / ヤングスキニー / GLIM SPANKY ほか
ぜんぶ君のせいだ。
LACCO TOWER
なきごと
四星球 × G-FREAK FACTORY
RAY
Miyuu
GANG PARADE
ONIGAWARA
伊東歌詞太郎
ZAZEN BOYS
PK shampoo
[Animelo Summer Live 2025 "ThanXX!"]
"SWEET LOVE SHOWER 2025"
Academic BANANA / Yeti / BACKDAV
RELEASE INFO
- 2025.08.20
- 2025.08.22
- 2025.08.27
- 2025.08.29
- 2025.09.01
- 2025.09.03
- 2025.09.05
- 2025.09.10
- 2025.09.12
- 2025.09.17
- 2025.09.19
- 2025.09.24
- 2025.09.26
- 2025.10.01
- 2025.10.03
- 2025.10.08
FREE MAGAZINE
-
Cover Artists
ExWHYZ
Skream! 2025年08月号